受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2024年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 麻布中学校

息子の受験から学んだこと

Y.Kさん お子さんの名前 Yさん

 SAPIXには3年生の夏期講習からお世話になりました。4年生の夏ごろまでは授業の復習サポートをしていましたが、息子が思春期を迎えたこともあり親が勉強を促すことをやめました。これは息子の反抗や親子関係が拗れたためではなく、強要されることで勉強嫌いになることを避けたかったからです。当然、息子は自分から勉強をすることはなく、塾内クラスや偏差値は下がりました。ですので、万人にお勧めできるような体験記ではないことを先にお断りしておきます。それでも6年生になると、デイリーチェックの結果がクラス変動に加味されるようになり、先生方から求められる点数も上がったことで、テキストやコアプラスを見直す姿がみられるようになりました。
 とはいえ、第1回志望校調査までは息子に明確な意思はなく、サピックスオープンの偏差値から親が判断をしました。「麻布中学校に行きたい」と本人が言い出したのは、「有名中学入試問題集」(通称:有名中)を経て夏休みに入るころでした。
 記述問題は面倒で手を付けない息子でしたので、その選択には正直驚きました。一方でこれまでの学習習慣からAタイプ問題の反復が性格的に合わないこと、相対的にBタイプ問題に面白みを感じるようになったことも理解できるような気がしました。
 夏期講習中はとにかく疲れた様子で、塾のない日には息抜きに外出を提案しましたが、「家に居たい」と言われることが多くなりました。疲労が蓄積していたこと、コロナ禍が終わりマスクをしない生活に戻ったこともあり、学校が始まると2学期は新型コロナウイルス、胃腸炎、インフルエンザを2回と感染症のオンパレードで、続けていたサッカーでは股関節を剥離骨折しました。
 欠席教材を溜めつつも、併願校2校を含む過去問は年内に初回を終わらせました。正月特訓・冬期講習以降はライブ配信授業の他、SSの復習と過去問を3周しました。その間の私の役割はテキストの整理、過去問のコピー、過去問の進捗表の作成のみで、気を付けていたことは睡眠時間の確保と軽い運動をさせる等の健康管理についてでした。親が勉強の管理をしてこなかったことから、家庭内で体調面以外にピリピリした空気はありませんでした。
 そのためメンタルトレーニングは行っていなかったのですが、これには反省があります。本番1週間前でようやく受験生らしくなるも、3日前には「(勉強)することがない」と言うような息子でも、前日はなかなか寝付けなかったからです。
 そんなマイペースな息子が合格できたのは、授業では集中し力を蓄えられていたからではないかと思います。この受験を通して、「本人が意思を持てば苦手なことでも努力できる」「親が見ている姿がすべてではなく、子供は別の場所で頑張っている」ということを実感しました。この経験をしっかりと胸に刻み、これからも息子を信じて自立を見守っていきたいと思います。
 最後になりましたが、先生方のご指導と切磋琢磨しあえたクラスメイトの皆様、支えてくださったすべての方に感謝申し上げます。

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