息子がサピックスとご縁を持つようになったのは、１年生から始めたピグマが始まりでした。その後、３年生の４月に入室、受験終了まで６年間、長い間お世話になりました。
　４年生までは特にこれといった志望校も無く、どこか本人の気に入る学校に合格できれば、位の軽い気持ちで構えていたところ、コロナ禍もある程度落ち着き、５年生になって様々な学校を見に行けるようになったところ、息子が麻布中学校に非常に魅力を感じ、突然の熱望校が生まれ、親としては「君の成績でそこはちょっと…」と戸惑いを隠せないというのが率直な思いでした。
　ここで熱望校に向けて勉強に熱中し、成績が一気に伸びる、といったことがあれば良いのですがそのようなこともなく、６年生になっても、成績は良くも悪くもない状況が続いており、麻布中学校を本当に受けるのか、落ちた場合に備えた併願校をどうするのか、といったことにいつも頭を悩ませていました。
　そうした中、志望校決定に向けた個別面談でサピックスの先生から、「学校別サピックスオープンの合格可能性の合計が１００％以上であれば、十分合格の可能性があります」と伝えて頂き、また併願校についてもお墨付きを頂いたことは非常に心の支えになりました。面談後に受けた２回目の学校別サピックスオープンの合格可能性を１回目と足した結果、丁度１００％となり、もう少し余裕のある数字が良かったと思いつつも、先生の言葉を信じて麻布中学校に挑戦することに最後の踏ん切りがつきました。
　加えて良かったのは、本人が麻布中学校の問題を気に入っていたことでした。
　既に中学受験から25年以上経った身としては、「こんなの解けるのか？」といった印象を質・量の両面から抱いていましたが、本人は寧ろ麻布中の問題が一番好き、と豪語しており、それなら本人の挑戦を後押ししよう、と覚悟を決めるきっかけにもなりました。
　そうした中迎えた１月校の試験、息子を見送って落ち着かない気持ちの中で一日を過ごし、結果としては全ての学校で合格を頂き、安心した半面、若干息子の気がぬけてしまったことが気がかりではありました。
　その後もいつもと変わらない日々を過ごして２月１日を迎え、試験後もいつもと同じ様子で帰宅し、少し拍子抜けでしたが、３日の結果発表まで落ち着かない時間が続いていました。そして漸く３日を迎え、息子と一緒に合格発表を確認し、番号を見つけた瞬間はお互い本当に喜びを爆発させました。
　口うるさい父親の下、地道に努力を重ね、本番で実力を十二分に発揮した息子の成長を見に見える形で実感でき、嬉しく思うとともに、初志貫徹して熱望校の合格を勝ち取った息子の意志の強さに頭が下がる思いです。
　サピックスの先生方には、単に勉強を教えて頂くだけでなく、息子をここまでモチベートして頂き、感謝の念に堪えません。本当に長い間お世話になりました。