Spotlight
(「25年8月号」より転載/25年7月公開)
桐光学園
中学校・高等学校
50周年に向けて新校舎を建設
「男女別学の完成形」をめざす
文武両道の校風と、男女別学教育で知られる桐光学園は、2028年に迎える高校創立50周年に向け、さまざまな学校改革に取り組んでいます。その目玉となる新校舎の構想を切り口に、同校がめざす次世代における男女別学のあり方と、生徒の安心・安全に配慮した環境整備について、理事長の小塚良雄氏にお聞きしました。
次世代を見据えた新たなステップへ
テーマは「男女別学の更新」
「進学棟」としての機能を有した新校舎(右端)の建築模型
桐光学園では、高校創立50周年となる2028年を見据え、新校舎の建設を中核とした学校改革に取り組んでいます。コンセプトは「Sustainable」「Toko gakuen」「Education」「Program」の頭文字を取った「STEP」。理事長の小塚良雄氏は、「次世代のニーズを見極めながら、新たな“ステップ”を踏み出したい」と語ります。
具体的なビジョンの一つは、「男女別学の完成形」です。「時代の変遷とともに、性別で区分することがそぐわない場面も増えてきています」と小塚理事長。同校は、ホームルームや授業は男女別に、学校行事や委員会・生徒会活動は男女合同で行う男女別学制です。50周年という節目に現行のルールを改めてとらえ直し、男女別学のあり方を更新していく考えです。
そこで注目されるのが「進学棟」としての機能を有した新校舎です。現在、女子棟と男子棟は中庭に隔てられていますが、新校舎にこれまで別々だった高2・3の男女の職員室が入ることで、講習や質問など、より男女がともに学ぶ空間の構築を図ります。各階に設けられるラーニングコモンズはその象徴です。
「10代のうちに多様な価値観を知り、ジェンダーバイアスを払拭しておくことは非常に重要です。授業は男女別ですが、そのほかの局面では男女協働の機会を多く設けたいと思っています」
新校舎には充実した芸術系教室も
多彩な志向性に応えられる環境を
理事長 小塚良雄氏
さらに、新校舎には男女の共有スペースとして、1階には科学系特別教室が、6階には2階分の高さを持つ芸術系特別教室である音楽室や美術室、ブラスバンド部の楽器倉庫、教師用・生徒用の二つに分けたアトリエなどが設置されます。これは東京藝術大学などへの進学者を相当数輩出した、「芸術系にも強い」同校ならではのこだわりなのです。
さて、小塚理事長は厚生省(当時)で25年間にわたって国立病院の建設に従事してきました。そこで、災害拠点病院の一つ、東京都立川市の災害医療センターの設計に携わった知見を生かし、四号棟には非常時に3000人を超える生徒・教職員が数日間不自由なく滞在できるだけの生活用品をストックし、最新の防災設備も完備しています。小塚理事長は「男女別学のみならず、今後さらに生徒の安心・安全に配慮した学校防災の『完成形』もめざしていきます」と胸を張ります。
「少子化の時代になぜ新校舎を?」と問われることも多いと話す小塚理事長。「全校生徒約3000人の規模だからこそ、伸ばせる個性も多くなります。多様性を確保するためにもたくさんの男女生徒を迎え入れられる環境整備が必要なのです」と強調します。充実の新校舎が完成するのは2028年の7月。一般公開は同年秋の輝緑祭(文化祭)を予定しているそうです。
《学校のプロフィール》
桐光学園中学校・高等学校
●所在地:〒215-8555 神奈川県川崎市麻生区栗木3-12-1
●TEL:044-987-0519(代)
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