Spotlight
(「25年7月号」より転載/25年6月公開)
東京成徳大学
中学・高等学校
興味あるテーマを選び探究する
「ダイバーシティゼミナール」
東京成徳大学中学・高等学校は、「未来を見据える」「世界を知る」「自分を拓く」という三つの教育テーマの下、創造性・主体性・チャレンジ精神を備えた「自律した学習者」の育成をめざしています。生徒の主体的な学びを重視する同校で活発に取り組まれている、「ダイバーシティゼミナール」の内容について、2人の先生に伺いました。
自然のなかでの体験を通して
人間社会と自然とのかかわりを知る
ダム湖でのカヤック。自然のなかでの体験を通して学びを深めます
みずから考える力、社会で活躍するための力の養成をめざす同校では、生徒たちの多様な学び方に対応しています。教頭の和田一将先生は、「生徒たちが主体となり、『おもしろい』と前のめりに取り組める授業を展開しています。その一つが高1総合探究での『ダイバーシティゼミナール』です」と話します。
ダイバーシティゼミナールは、中学での多くの経験を経て、視野を広げた高1生が受講する少人数ゼミ形式の授業です。生徒は、数ある講座のなかから興味のあるものを一つ選び、1年間かけて探究していきます。
このゼミで、「人と自然とのかかわり」というテーマの講座を担当する高橋喜徳先生は、「自然と向き合い、考える講座なので、重視して取り入れているのは現場での体験です」と言います。毎年1学期は、奥多摩湖の小河内ダムの見学に行きます。活動の意義について高橋先生は、こう説明します。「ダム建設は自然破壊ともいわれますが、東京の人口が増え、水がめが必要となって建設されたのが小河内ダムです。一方で、水をためるためには森林も必要なので、ダムを機能させるためには自然を守らなければならないのです。そうした事実は、インターネットで調べてもわかりますが、体験を通して、自然と人間社会とがつながっていることを実感してほしいのです」
ダムを見学するだけでなく、ダム湖でカヤックを楽しむなど、先生の講座は常に「体験」がセットされています。2学期には、釣り船に乗って東京湾に繰り出します。釣った魚を学校に持ち帰って解剖し、マイクロプラスチックの有無を調べるなどの実験を行います。
学びを社会貢献活動につなげ
研究成果を発信していく
谷津干潟でのごみ拾い。体験は、みずから考え行動するきっかけになります
自然のなかでの体験を多く取り入れると、アウトドアでのアクティビティーなど、研究よりも楽しむことがメインになりがちですが、高橋先生は、「カヤック体験ではインストラクターがいて、釣り船に乗れば船長がいます。学校のなかにいるだけでは出会えない人たちと接し、自然とかかわる多様な仕事があることに気づくことも大切です」と話します。
千葉県習志野市の谷津干潟での生物観察も毎年実施しています。この干潟は、ラムサール条約の登録湿地で、多くの野鳥が飛来する場所ですが、東京湾のごみも流れ着いています。このごみを拾い、いつごろ捨てられたものなのかなどを調べる活動も今年度から開始しました。
最後に和田先生は、「今後は外部コンテストなどへの積極的な挑戦を後押しし、研究成果を社会へと発信していく動きを強化していきたい」と展望を述べました。
《学校のプロフィール》
東京成徳大学中学・高等学校
●所在地:〒114-8526 東京都北区豊島8-26-9
●TEL:03-3911-7109
Information
※学校説明会などの情報は下記よりご確認ください。
www.tokyoseitoku.jp/js/admission/news/orientation/index.html
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