Spotlight
(「25年7月号」より転載/25年6月公開)
香蘭女学校
中等科・高等科
あこがれの先輩とのつながりのなかで
自分の「好き」を生かした研究を継続
キリスト教に基づく女子教育を行う香蘭女学校中等科・高等科は、「自らの賜物を磨く」「共に生きる喜びを知る」を教育目標に掲げています。伸び伸びとした環境の下、生徒が興味を持ったことに思い切り挑戦できる校風が根付いています。カイコの研究を続けている高等科2年の佐々木彩乃さんと、入試広報室長の桜井千枝先生にお話を伺いました。
カイコの餌に色素を混ぜ、繭の着色具合を研究
「中高生探究コンテスト」で最優秀賞に
顕微鏡で観察する佐々木さん。繭への着色状況を詳細に分析します
小学生のころから生き物が好きで、家で昆虫を飼っていたという佐々木さん。カイコの研究を始めたのは中1からです。友だちに「小3のときに授業でカイコの飼育をした」と話したら、その友だちも飼育した経験があり、盛り上がったことがきっかけでした。生物の先生に相談すると、「生物室を使っていいから、ぜひやってみたら」と後押ししてくれたそうです。「初めは『カイコの餌に色素を混ぜて与えたら、繭に色がついた』という記事をインターネットで見て、本当かなと思って実験してみました。与えた色素によって繭の着色具合が異なる結果となったので、おもしろいなと夢中になって研究を深めていき、今に至っています」と、佐々木さんは笑顔で話します。
現在は家で数百匹のカイコを飼育しながら、学校と家で実験を行っています。外部のコンテストにも毎年積極的に参加し、ポスター発表や動画での審査、プレゼンテーションなどを経験。そして、今年2月に開催された「中高生探究コンテスト」の最終審査会で、応募総数4275件のなかから「好き部門」の最優秀賞に選ばれました。テーマは「カイコにおける合成色素輸送経路の解明」です。
先生や同級生は、みんなで佐々木さんの研究を応援しています。生物の先生はもちろん、他分野の理科の先生も相談に乗り、国語の先生は文章の添削をしてくれます。「精神的にも支えてくれる心強い存在」と、佐々木さんは信頼を寄せています。
研究で結果を残した先輩に影響を受け
良い香りを引き継ぐ文化を体現
今年2月の「中高生探究コンテスト」最終審査会。スライドを使ってプレゼンテーションを行いました
この研究の源ともいえるのが、先輩の存在です。佐々木さんが中1のとき、藻の研究をしていた高1の先輩がいました。偶然にも所属する弦楽部の先輩でもあり、「本格的な研究のことを詳しく聞きたい」と声を掛けると、優しくていねいに教えてくれました。すでにコンテストでも結果を残していた先輩の姿にあこがれ、研究に打ち込んでいったそうです。
桜井先生は同校の特長をこのように話します。「校名にある『香』という文字が示すように、良い香りを先輩から後輩に引き継ぐ文化がある学校です。佐々木さんは、まさにそれを体現しています」
佐々木さんは、「香蘭でなければ研究は続けられなかったと思います。先生方は絶対に『やめなさい』とは言わずに、どうしたら続けていけるか一緒に考えてくれるので、いつも温かさを感じます。自分がやりたいことを伸ばしていける学校なので、ぜひお薦めします」と、受験生にメッセージを送りました。
《学校のプロフィール》
香蘭女学校中等科・高等科
●所在地:〒142-0064 東京都品川区旗の台6-22-21
●TEL:03-3786-1136
Information
※学校説明会などの情報は下記よりご確認ください。
www.koran.ed.jp/admission/briefing/
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