受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

Spotlight

(「24年9月号」より転載/24年8月公開)

法政大学第二
中・高等学校

大学受験にとらわれない環境の下
生徒会活動で自主性を育てる

 1939年に法政大学の付属校として開校した法政大学第二中・高等学校は、「自由と進歩」を学風とする男女共学の中高一貫校です。同校では、年間を通して中高共に活発な生徒会活動が行われており、生徒たちは主体的に学校づくりに参加して「自治意識」や「民主的運営能力」を高めています。今回は中学生徒会の取り組みについて、生徒会指導副主任の鎌田和樹先生にお聞きしました。

生徒主体の行事に取り組み
達成感を力に、豊かな学校生活を

体育祭に向けて校舎の窓に今年度のスローガン「竜騰虎闘(りゅうとうことう)」を掲示し、生徒の士気も高まりました。こうした企画も、生徒からの発案で実現します

 同校の生徒は入学した時点で生徒会の一員となり、さまざまな行事を通して主体性・自主性・協調性・責任感などを育んでいます。生徒会が主導する主な取り組みについて、生徒会指導副主任の鎌田和樹先生は次のように説明しました。「年2回の生徒総会のほか、4月には新入生に向けて生徒会と各部の魅力をアピールする『新入生オリエンテーション』があります。本校の二大行事の中学体育祭と二中文化祭も、企画から運営に至るまで生徒たちが協力してつくり上げています。また、学年末にはクラスや部ごとに1年間の活動を『二中誌』にまとめ、学校生活の大切な思い出を一つの形として残しています」

 6月の中学体育祭は高校とは別に開催され、中学生徒会と体育祭実行委員会を中心に、審判やグラウンド設営、競技中の放送などもすべて生徒が担当します。一方、高校と同時開催となる秋の二中文化祭は、高校の生徒会と連携して実施します。例年、約1万人もの来校者がある一大イベントであり、各クラスが工夫を凝らした発表や展示に挑戦する「クラス企画」は、準備段階からクラス全体で協議して進めるため、達成感もひとしおです。鎌田先生は「本校の生徒たちは、一人ひとりが主役になれる学校行事に真剣に向き合い、真の楽しさや学びを得ています」と語りました。

組織的討議の経験を重ね
将来の主権者としての基礎を築く

生徒会指導副主任 鎌田 和樹先生

 平和で民主的な社会の担い手となる“将来の主権者”の育成をめざす同校では、生徒会活動にも民主的な「組織的討議」のプロセスを採用しています。たとえば、体育祭や二中文化祭の方針もトップダウンで決定するのではなく、実行委員会での提案をもとに各クラスで話し合います。それを代表者が持ち寄って再び議論するという流れを繰り返し、全員の意思を反映させているのです。また、行事終了後には反省点や改善点を洗い出し、次年度に引き継いで内容をアップデートしています。

 鎌田先生は「今年の体育祭では、新たな試みとしてクラス旗の制作に取り組みました。生徒からは『クラスの絆が深まり、一致団結できた』という声が多く上がっています。わたしたち教員は、『生徒の意見を否定しないこと』を大切にしながら、こうした活動をサポートしています」と述べ、仲間と一緒に打ち込む中学の体育祭が生徒の心に残る行事となっていることを強調しました。続けて、「中学から入学する生徒たちには、3年間のアドバンテージを生かし、二高の核になってほしいと考えています。そして、いずれ社会に出るときには二中で培った自信を胸に、強い覚悟と決意を持って歩んでいってくれるとうれしいですね」と笑顔で話しました。

 最後に、鎌田先生から受験生にメッセージが送られました。「中高大の10年一貫教育を実践する本校では、大学受験にとらわれずに学校生活を送れることが大きな強みです。文武両道を高いレベルで実現したい、自主的な活動に取り組みたいという意欲を持つ皆さんと、来春、キャンパスでお会いできるのを楽しみにしています」

《学校のプロフィール》

法政大学第二中・高等学校

所在地:〒211-0031 神奈川県川崎市中原区木月大町6-1
TEL:044-711-4321

Information

※学校説明会などの情報は下記よりご確認ください。
www.hosei2.ed.jp/admission/event/exp_jhs

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