Spotlight
(「24年5月号」より転載/24年4月公開)
桐光学園
中学校・高等学校
生徒の「自己管理能力」を伸ばし
“自律”と“自立”で自己実現を
桐光学園中学校・高等学校は男女別学で知られる進学校です。全国レベルの実力を持つクラブをいくつも擁するなか、毎年多くの卒業生が東大をはじめ難関大学へと進学しています。その実績を支えるのが、生活指導部を司令塔に展開される「自己管理能力」を高める工夫です。この春、副校長に就任した田丸愼司先生に、その具体的な取り組みについて伺いました。
生活指導のキーワードは“自己管理”
みずから考え、行動できる人に
全校生徒約3000人分の防災セットを保管する備蓄庫
桐光学園中学校・高等学校は、今春の大学入試で東大5、京大4、東工大5、一橋大4などの合格者を輩出した男女別学の進学校です。
同校では生徒の潜在能力を引き出し、各自の“居場所”を見つけてもらうため、クラブや委員会などの課外活動や学校行事を重視しています。全国でも強豪として知られる野球部、サッカー部、バスケットボール部のほかに、競技かるた部、美術部漫画研究班、鉄道研究部、演劇部などの文化部も活躍しています。クラブは文化部31、運動部20を数え、生徒の多様性を支えています。これらの活動を統括しているのが、生活指導部です。
2017年度から生活指導部長を務め、この4月に副校長に就任した国語科の田丸愼司先生は、「生活指導というと、強面の教員が校則違反に目を光らせているようなイメージをお持ちかもしれませんが」と前置きしたうえで、「本校の方針は正反対です。“自己管理”をキーワードに、生徒が“自律”して“自立”できるような指導をめざしています」と話します。みずから「自己管理先生」と名乗るほど、その重要性を熱心に説いてきた田丸先生は、生活指導部の在籍が30年を超えます。
たとえば同校では、生徒の行動を促す校内放送は一切流しません。その日の予定は1人1台所有するノートPCで確認、そのスケジュールを“自己管理”し、行動することが求められます。また、昼食も昼休みに限定しません。クラブや委員会によっては、時に昼休みの一部を活動に充てることもあるため、生徒はそれ以外の休み時間などに食事をとっても構わないことになっています。その狙いについては「生徒には自分の予定を把握したうえで、やるべきことを考えて動ける人になってほしい」と説明します。
安心・安全な学園生活を実現するため
行政と協力した危機管理対策も
副校長 田丸愼司先生
そうした自己管理能力は今春の大学入試の実績にも表れているように、大学受験にも役立ちます。志望校合格というゴールから逆算し、自分が取り組むべき課題を考えられるようになるからです。また、成績が芳しくない生徒には、教員が寄り添い、本人が解決策を見いだせるよう指導しています。「間違いを指摘するのではなく、その原因を一緒に考えることが、教員の大事な役割です」
加えて、防災や防犯といった危機管理の面でも、生活指導部が中心となって万全の対策を練っています。たとえば、非常時には全校生徒約3000人が200人を超える教員らとともに校内で3日間過ごせる防災用品や食料を常備しています。また、警察との連携の下に行う「スケアード・ストレイト教育」では、スタントマンによる迫力ある交通事故の再現に、生徒たちは交通マナー順守の必要性をあらためて実感するそうです。さらに、登下校時の生徒の安全を確保するため、町会と協力し、通学路には十分な数の街灯と防犯カメラを設置。「行政とも協力し、安全に登下校できる環境を整えているので、安心して入学してほしいですね」
最後に田丸先生は、受験生に向けて「ぜひ本校で、皆さんの潜在能力を一緒に開花させましょう。本校にご来校の際には『自己管理先生に会いたい』とひと言添えてください。時間が合えば、わたしが直接校内をご案内します」と笑顔で締めくくりました。
《学校のプロフィール》
桐光学園中学校・高等学校
●所在地:〒215-8555 神奈川県川崎市麻生区栗木3-12-1
●TEL:044-987-0519(代)
Information
※学校説明会などのより詳しい情報は下記HP(ホームページ)よりご確認ください。
www.toko.ed.jp/high/index.html
学校説明会
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