サレジアン国際学園中学校高等学校は「21世紀に活躍できる世界市民の育成」をめざして教育改革を推進しています。本科・インターナショナルSG(スタンダードグループ)・インターナショナルAG(アドバンストグループ)の特徴的なカリキュラムで学んでいるサピックス小学部卒業生の中2生3名に、学校生活について語っていただきました。
研究に集中、英語力の向上
目標に向かってとことん楽しむ
左から、インターナショナルクラスAG T.Tさん
インターナショナルクラスSG M.Mさん
本科クラス K.Sさん
─サレジアン国際学園のクラスには、本科・インターナショナルSG・インターナショナルAGがあります。志望理由とクラスの特徴を教えてください。
K.S 学校説明会に参加して、帰国生や日本以外の国にルーツのある生徒が多くて、楽しそうだなと思いました。本科クラスを選んだのは、興味のあるテーマを掘り下げる「個人研究」というカリキュラムがあるからです。中1のプレゼミではワークショップなどを通じて、調査の方法や論文の書き方など、研究のスキルを学び、中2から高2では自分の研究分野に合うゼミナールに所属します。ぼくの所属ゼミは「クラブ ヒストリア」です。江戸幕府が約260年続いた理由を解き明かしたいと考えています。
T.T 母が英語を使って仕事をしている姿を見るうちに、自分もそのような仕事に就きたくなり、インターナショナルクラスのSGを志望しました。学級編成は3グループ混合のハイブリッド学級なので、日本で育った人、海外で暮らした経験のある人、外国にルーツのある人など、教室には多様なクラスメートがいます。帰国生たちのおしゃべりは英語で、最初はまったく聞き取れませんでしたが、オールイングリッシュでの授業も多いので、夏休みが終わるころにはけっこう理解できるようになりました。
M.M 考えたり、発表したりする授業がおもしろそうだったし、英語を話せるようになりたくて、インターナショナルクラスを選びました。入学時は中学から英語を本格的に学ぶ生徒が対象のSGでしたが、長期休暇中に主要教科を英語で学ぶプログラムに参加し、学年末のアセスメントで承認されたので、中2からは英語が堪能な生徒が対象のAGに移りました。がんばればがんばった分、上達するのが英語学習の楽しいところです。AGでは英語・数学・理科・社会の授業はオールイングリッシュになります。ついていくのは大変ですが、聞き取れなかったところは帰国生の友だちが教えてくれるので、とても助かります。
正解がない問いに向き合うPBL型授業
考える力・調べる力・伝える力を培う
─PBL(課題解決)型授業について教えてください。
T.T 解が一つではない問い「トリガークエスチョン」について考え、意見を出し合い、発表する授業で、ほぼすべての教科で行われます。たとえば宗教では「宗教は必要か不要か」、国語では「人間は野生か」、社会では「どんな場所に首都を置くべきか」といった感じです。
K.S 「トリガークエスチョン」を分析しながら自分の考えをまとめていき、グループで話し合います。その後、グループの中で最も論理的に考えられた人の意見を全体の前で発表します。自分では思いもしなかった意見もあり、驚くことや発見が多く楽しみな授業です。
M.M 考える力やプレゼンテーション力が向上したのはもちろん、議論するためには相手の考えをしっかりと理解しなくてはならないので、論理的思考力も向上しました。中学受験の国語では物語文が好きでしたが、今はむしろ説明文や論説文のほうがおもしろく感じます。
専門性を持った24名のインターナショナルスタッフが、生徒たちをきめ細かく指導します
PBL型授業では単元ごとにトリガークエスチョンを端緒とする探究活動に取り組んだ後、まとめとして発表します
入学直後の宿泊研修でクラスが団結
中3の海外研修はアメリカに決定
─印象に残っている学校行事は何ですか。
T.T 入学式の翌日から行われる、2泊3日の宿泊オリエンテーションです。数日前までは名前と顔が一致しない同級生と泊まりで出掛けるのは少し不安でしたが、学園生活を想定したドラマ制作などの意見を出し合うプログラムや、体を動かすアクティビティー、ゲームなどを通してすぐに打ち解けました。行きとは打って変わって、帰りのバスの中はとてもにぎやかでした。
K.S 6月に開催される体育祭は学年対抗で競い合います。クラスもまとまってきたころなので、「絶対に勝とう!」という意気込みは十分でしたが、やはり経験値が違うせいか、先輩方にはまったく歯が立ちませんでした。今年は絶対に上位に入賞したいです。
M.M 秋に開催された学園祭が印象的でした。インターナショナルクラスでは、SG・AG混合のグループで課題に取り組む「iTime」という授業があるのですが、その成果を保護者や来場者の前で発表しました。日ごろの成果を英語で発表するので準備や練習は大変でしたが、大きな達成感が得られました。
K.S 夏休みにゼミの合宿で大阪に行くのが楽しみです。徳川家に関する史跡をしっかりと見てくるつもりです。班の自由行動では京都まで足を延ばす計画です。今後は、大学の公開講座などにも参加したいと考えています。
T.T 中3の海外研修の行き先が、ぼくたちの学年はアメリカ・サンフランシスコに決まりました。現地校の生徒との交流や、企業訪問があると聞いているので楽しみです。
K.S ぼくも海外研修がサンフランシスコに決まってとてもうれしいです。英語には苦手意識がありましたが、「もっとがんばろう!」とモチベーションが上がりました。
M.M わたしはこの夏、オーストラリア夏期スタディツアーに参加します。ホームステイと現地校での学校生活を経験します。バイリンガルの友だちが隣にいない環境で、自分の英語がどれくらい通用するのか、不安と期待が入り交じっています。しっかりと鍛えて、来年の海外研修に臨みます。
─最後に、受験生にメッセージをお願いします。
M.M 先生方は、知識だけでなく、人間性や生き方についても教えてくれます。先輩・後輩と交流する機会が多く、理科室や図書ラウンジなどの施設も充実しているので、居心地が良いです。ぜひ、一度見にきてください。
T.T カトリックのミッション校なので、宗教の授業や礼拝、行事を通じて、キリスト教について学びます。国際社会に出るために、キリスト教の考え方や歴史についての知識を身につけることはプラスになると思います。選択肢の一つとして考えてください。
K.S 多様性に富んだ環境のおかげか、生徒同士が自然とフォローし合い、クラスや学年の団結力は高いと感じます。やりたいことをとことんやらせてくれる先生方と、明るく自由な校風も魅力です。楽しい中学生活を思い描きながら、受験勉強をがんばってください。