受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

School Now

(「24年11月号」より転載/24年10月公開)

横浜創英
中学・高等学校

2泊3日の「4Cスキル研修」で
異なる価値観を持つ相手との対話力を磨く

 創立以来、「考えて行動のできる人の育成」を建学の精神に掲げ、意欲あふれる人間を育成してきた横浜創英中学・高等学校。2020年度から大規模な学校改革を推進しており、なかでも新たに取り入れられた「4Cスキル研修」は、さまざまなプログラムを通して、生徒たちの創造・対話・協力・分析的思考を養うことに貢献しています。2024年より新校長に就任した本間朋弘先生に、同校の学びについて詳しく伺います。

学校改革によって志願者数は年々増加
目標は生徒の主体性を育てること

校長
本間 朋弘先生

 横浜創英中学・高等学校では、2020年度から大規模な学校改革を実施しています。2022年度には中高一貫の「サイエンスコース」が設置され、「本科コース」との2コース制が導入されました。また、本科コースは2025年度よりグローバルコースに再編されます。サイエンスコースとグローバルコースは、入試出願時にどちらかを選択する形になります。どちらも、「社会問題を解決する」ために必要な力を身につけることに主眼を置き、学習者みずからが課題や問題を発見したうえで、その解決に取り組みます。

 学校改革に取り組み始めてから、中学入試の志願者数は年々増加しています。2024年度より新校長に就任した本間朋弘先生は、「本校の方針やカリキュラムが受験生と保護者の方にも高く評価されており、手応えを感じています」と話します。

 本間先生は、学校改革の最上位目標について、「生徒の当事者意識を育て、学校運営と学びを生徒主体に移譲することと、実践的な学びで生徒と社会をつなげ、社会に貢献できる人材を育成することです」と説明します。「わたしは、人と人とのかかわりには『信じる』という行為が不可欠だと思っています。相手が自分を信じているからこそ、自分も相手のために主体的に動こうという気持ちが芽生えるのです。そういった主体性を育てるためにも、本校には生徒を縛る校則はほぼなく、入学式や文化祭など、学校行事もすべて生徒主体で運営しています」

社会生活で必要な四つのスキルを
グループワークを通して身につける

 同校では、社会生活で必要な四つのスキルを身につけるために、中2生向けに2泊3日の「4Cスキル研修」を行っています。四つのスキルとは、「Creativity(創造)」「Communication(対話)」「Collaboration(協力)」「Critical Thinking(分析的思考)」のことで、それぞれの頭文字を取り「4Cスキル」と呼んでいます。ブレインストーミングやプレゼンテーションといったさまざまなグループワークを通じて、異なる価値観を持つ相手との対話力を磨きます。

 「研修では、5~6人のチームに分かれて、2チームに1人の大学生がファシリテーター(伴走者)として参加します。課題の解決策を話し合う際は、意見が対立することもしばしばありますが、それを乗り越えるなかで、生徒たちは自律心やコミュニケーション力を身につけていくのです」

 そのほかにも、学者や企業のトップなど、業界の第一人者を招いて話を聞く「各界トップランナー授業」や、企業・大学を訪問して将来の自分を考える「ミライ探究」など、社会とのつながりを意識したプログラムがそろっています。

 2025年度からは自由選択科目を大幅に増やし、生徒一人ひとりの興味関心に合わせた、独自の時間割を組めるようにすると本間先生。また、同校では高大連携協定を9大学と締結しており、高3の自由選択科目では大学の講義への参加も可能となっていますが、将来的には、参加した分を進学後の単位として認定できるようにしたいとのことです。

 年々進化を続ける横浜創英の学び。その動向に多くの受験生や保護者から関心と期待が寄せられています。

グループワークを実際に経験!

中2生の2人に聞いた
「4Cスキル研修」で学んだこと

 異なる価値観を持つ相手との対話力を磨く「4Cスキル研修」。2泊3日の研修を経て、生徒たちはどのようなことを学んだのでしょうか。2人の中2生に伺いました。

——4Cスキル研修では、どのようなテーマでグループワークを行うのですか。

Yさん 「メタ認知能力の育成と多様な価値観の理解について」「見たことも聞いたこともない学校紹介」など、テーマはさまざまです。山梨県の河口湖に近い宿泊施設に2泊3日滞在し、大学生も交えながら、それらのテーマについてグループで意見を出し合います。

——グループワークで苦労したことはありますか。

Mさん 一人ひとりにさまざまな意見があり、最後にそれを一つにまとめる作業がとても大変でした。ただ、そのおかげで皆と意見をすり合わせるコミュニケーション能力が鍛えられたと感じています。

Yさん わたしたちのグループは明るい生徒が多く、とても和気あいあいとした雰囲気でグループワークを進めることができましたが、それだけに集中力が途切れてしまう場面も何度か見られました。明るい雰囲気を保ったまま話し合いを進められるように、もっと声掛けをするべきだったと反省しています。

——4Cスキル研修で学んだことを、今後どのように生かしたいですか。

Yさん 相手の話を聞くときに、「いいね」や「なるほど」といったことばも掛けるようにしたいです。グループワークでは意見をはっきり伝えることが大切だと学びましたが、言い方によっては相手を傷つけてしまうため、注意すべきだという教訓も得ました。お互いが気持ちよく話せるように、相手の意見を尊重し、共感することを意識したいと思います。

Mさん 4Cスキル研修によって、人に自分の意見を伝える大切さを学びました。これからは、どんなに小さなことでも自分なりの考えを持ち、人に話せるようになりたいです。また、研修では大学生と2泊3日を過ごしましたが、年上の先輩と寝食を共にする体験は初めてだったので、とても新鮮で楽しい思い出となりました。今後も、いろいろな人に自分から積極的にかかわりたいと思います。

大学生を交えて、課題の解決策を話し合います

——最後に、受験生にメッセージをお願いします。

Yさん 横浜創英は、個性を思いっ切り発揮できる環境です。4Cスキル研修などによって、自分で考え、行動に移す力も伸ばすことができます。ぜひ、一緒に学びましょう。

Mさん 4Cスキル研修をはじめ、第一線で活躍する方による「各界トップランナー授業」など、ほかにはない体験ができる学校です。校則もあまりなく、自由で伸び伸びとした校風で、毎日楽しく通うことができます。ぜひ一度、見学に来てください。

《学校のプロフィール》

横浜創英中学・高等学校

所在地
 〒221-0004 神奈川県横浜市神奈川区西大口28番地
 JR横浜線「大口」駅より徒歩8分 TEL 045-421-3121
H P www.soei.ed.jp 別ウィンドウが開きます。

《各種行事日程のお知らせ》

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。
www.soei.ed.jp/admission/j_briefing/

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