グローバルリーダーとして
他校と協働して活動を盛り上げる
学校長
諸橋隆男先生
スーパーグローバルハイスクール(SGH)ネットワーク校として、グローバル社会で活躍できる人材の育成をめざしてきた大妻中野中学校・高等学校は、今年新たに、ワールド・ワイド・ラーニング(WWL)コンソーシアム構築支援事業の拠点校として文部科学省の認可を受けました。この事業の拠点校は、国内外の連携校と協働し、新しい「地球市民教育」のためのプログラム開発を進め、計画を立案します。「グローバル校である本校が単に活動を推進するだけでなく、拠点リーダー校として他の学校や教育機関と協働して取り組みを盛り上げていくことが求められます」と話すのは、学校長の諸橋隆男先生です。「改革や新しい取り組みに挑んでいくなかで、本校がグローバル校であることの強みを再認識しています。この姿勢はこれからも大切にしていきます」と続けます。
高大連携への動きも活発で、今年4月以降、順天堂大学、津田塾大学、テンプル大学ジャパンキャンパスの3大学との協定締結が決定しました。津田塾大学については、オンデマンド講義を受講することができ、同大学に入学後、単位として認められます。順天堂大学国際教養学部のグローバルヘルスサービス領域には、国際的な視点から社会に貢献するという、同校と共通した教育目標があり、今後は多様な連携プログラムを実施していく予定です。
急速に変化する時代に対応し、こうした取り組みをスピーディーに進める諸橋先生は、「大人が『1年様子を見ましょう』と迷うと、子どもたちは『10年遅れてしまう』という考えを、本校の教職員のテーマにしています」と強調し、こう続けます。「4月に学校長に就任してから、トライしようと思ったことに向けて積極的に動きました。改革や新たなことに挑戦しやすい学校であると、あらためて実感しています。この文化が学校に根付いているからこそ、生徒もさまざまな活動に積極的にチャレンジできるのだと思います」
ネイティブ教員と接し、話す機会も多く、英語力が高まります
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順天堂大学との高大連携プログラムが始動しました
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それぞれが課題設定をして学ぶ海外研修・留学プログラム
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お互いに認め合い
共に歩んでいくことを大切に
同校は、今年度からカリキュラムを一部改訂し、数学を高2までの必修としました。「文系・理系を問わず、データを読み取り、主体的な創造へとつなげる力は、これからの社会のなかで必要不可欠です。保護者の方も、その必要性を理解されています」と先生は説明します。帰国生の多い学校として知られることから、文系の印象が強い同校ですが、帰国生や高い英語力を持つ生徒が集うグローバルリーダーズコースにも理系を選択する生徒は多くいます。今年3月の卒業生は理系進学者(看護系を含む)が39%に増加し、これまでになかった進路割合となりました。
また、留学する生徒が多いことも同校の大きな特徴です。海外研修・留学プログラムでは、原則希望者は全員が参加可能で、留学は高1で海外に向かう生徒がほとんどです。留学や海外大学進学について総合的にサポートするグローバルセンターも生徒にとって心強い存在です。「語学だけでなく、課題設定をして、帰国後に『これを学んできました』と論文発表ができるレベルの学習をしてくるように指導しています」と先生は話します。留学する生徒の多くは帰国生と思われがちですが、今年も留学した50名以上の生徒の中で約40名はアドバンストコース(一般)入試での入学者でした。先生は、「一般コースの生徒は帰国生に刺激を受けて海外への興味を深めています。生徒同士がお互いをリスペクトし合う関係を築いている点が、本校のいちばんの魅力だと思っています」と語り、「中高6年間、そしてその先も、自分だけで進むのではなく、周りに目を向けて、いろいろな人たちと共に歩んでいくことを大切にしてほしいと思います」とメッセージを送りました。