受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

School Now

(「24年10月号」より転載/24年9月公開)

東洋英和女学院
中学部・高等部

6年間で培った「敬神奉仕」の精神
生徒会長としてリーダーシップを発揮

 建学の精神に「敬神奉仕」を掲げる東洋英和女学院中学部・高等部。キリスト教の教えを基盤として、生徒たちの自己肯定感と他者を尊重する精神を養うとともに、世界のために行動できるグローバルリーダーの育成をめざしています。今秋、ハーバード大学に進学する卒業生の秋山素子さんも、世界での活躍を見据える一人です。同校で過ごした6年間を振り返ってもらいました。対談のお相手は中高部長の石澤友康先生です。

身近に「音楽」がある居心地の良い環境で
生徒会長として校内外でさまざまに活動

秋山 素子さん
(2024年卒業)
東京大学文科一類1年
(ハーバード大学に進学)

石澤 秋山さんが入学したのは小学部からでしたね。

秋山 母と祖母が東洋英和女学院の出身で、その影響が大きかったですね。ただ、3歳から7歳までと、10歳から12歳まではイギリスにいたので、小学部にはあまり通えず、中学部に上がるタイミングでハイレベルな英語クラスのある学校に移るべきか自分なりに悩みました。でも、安心できる居心地の良い環境があり、何よりも身近に「音楽」があふれている学校はほかにはないと思い、そのまま中学部に進むことを決めました。

石澤 確かに、毎日の礼拝や課外活動などで音楽に触れる機会は多いですからね。音楽部に入部したのもその流れからですか。

秋山 実は、海外生活が長かったことから「クールジャパン」にあこがれていて、中学部では剣道部に入るつもりだったんです。でも、厳しく自分と向き合う競技よりも、チームで何かを作り上げる活動のほうが向いていると思って、音楽部を選びました。音楽部での活動は本当に楽しかったです。高1になったら英和をやめて海外留学をすると決めていたはずなのに、あまりの居心地の良さから、そのまま高等部に残ることにしました。そのころから、自分の周りの環境をもっとよくすることに集中したいと考えるようになりました。

石澤 それが生徒会長をめざすきっかけにつながるのですか。

秋山 立候補を考え始めたのは高1の秋です。大きなきっかけとなったのは、日米関係を学ぶ「スタンフォードe-Japan」というプログラムへの参加でした。アメリカと比べて、日本の若者は政治に関心がなく、投票率も下がっているという事実を突きつけられ、「そういえば学校でも生徒会が何をやっているのか知らないな。生徒会にみんなが参加するようになれば、政治にも参加するようになるかもしれない、じゃあやってみよう」と挑戦することにしました。

石澤 生徒会長になってから、麻布十番商店街とのコラボやビーチクリーン活動など、いろいろなアイデアを出していましたが、いちばん印象に残っている活動は何ですか。

秋山 楽しかったのは、ハロウィーンに実施した「お化け屋敷」ですね。クラブの倉庫を掃除する一環で企画したのですが、かなりタイトなスケジュールのなか、これまでにないチームワークが発揮されました。おかげで執行部内の仲がぐっと深まり、その後の活動も進めやすくなりました。周りの協力があってこそ成功できたのだと思います。お化け役として先生方も協力してくださったんですよ。

石澤 秋山さんの魅力は、みんなを巻き込むバイタリティーがあるところですね。勉強と音楽部の活動もあるなか、生徒会長の仕事をこなすのは大変ではなかったですか。

秋山 すべて自分がやりたいことだったので、まったく苦ではありませんでした。そして、いつも先生方がそばで見守ってくれていたから、がんばれました。雑談も悩み相談もできますし、どの授業も生徒が積極的に参加できるよう工夫されていて楽しかったです。授業後に質問しに行くと、下校時間ぎりぎりまで語ってくれる先生もいて、この距離の近さが東洋英和の良さだと、卒業してあらためて感じています。

「周りにいる人たちを幸せにしたい」
海外大学受験で見えた自分のミッション

中高部長
石澤 友康先生

石澤 現在、通っている東京大学を休学し、ハーバード大学への進学に向けて、8月にアメリカに渡ると聞きました。海外大学の受験にあたって、どのように準備を進めたのでしょうか。

秋山 海外大学への進学を意識する前から、英語力の維持と向上のため、資格の取得を目標に勉強していました。12歳で帰国する前に英検®1級を取っていたので、中学ではTOEFL®を受験し、高校ではSATに挑戦するという形で英語の勉強を続け、それが後々生きました。学校の勉強も、海外大学の受験のためにやろうと意識したことはありません。中3のときに新型コロナウイルスが流行したことで音楽部の活動がなくなり、勉強しかやることがなくなったおかげで成績が上がり、それをキープするために授業に集中するよう心がけました。

石澤 特別に準備をしたわけではなく、学校生活の延長線上にそれがあったということですね。ハーバード大学を含め、海外大学にエントリーする際は、課外活動歴や受賞歴も必要ですが、どのように対応しましたか。

秋山 自分のテーマをしっかり持ったことです。たとえば、ハーバード大学は世界を変えるリーダーを求めていて、それは社会に対する貢献意欲が高く、課題解決力がある人も含まれます。このミッションは、東洋英和女学院の「敬神奉仕」にも通じ、中高6年間を過ごすなかでわたしにもこの精神が培われています。これまで経験してきた活動を振り返ると、根底には「周りにいる人たちを幸せにしたい」「社会をよくしたい」という気持ちがあり、それがハーバード大学のミッションとマッチしたのだと思います。

石澤 中高時代をあらためて振り返ったとき、「敬神奉仕」が自分の軸であるとわかったのですね。卒業生として誇りに思います。その一方で、東大受験に向けてはどのように勉強を進めましたか。

秋山 数学だけは塾に通いましたが、そのほかの大学入学共通テスト対策はすべて学校で完結させました。長期休暇には受験指導の講座が開かれるので、それを受けた後は学校の図書室でよく自習をしていました。わからないことがあればすぐに先生に質問できますし、生徒の求めに対して誠実に答えてくださる先生ばかりで、英和生でよかったとあらためて思いました。

石澤 最後に、受験生へのメッセージをお願いします。

秋山 受験というプロセスは大変だと思いますが、中学に入って楽しく学校生活を送る自分の姿をイメージしながら、がんばってください。努力を続ければ、神さまが最もいい方向に導いてくださいます。応援しています。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
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東洋英和女学院中学部・高等部

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