スクール情報
(「24年12月号」より転載/24年11月公開)
桜蔭中学校高等学校 文化祭▶ 9月28日(土)・29日(日)
創立100周年を迎え
新校舎をフル活用しての「百花繚乱の旅路」
残暑が厳しいなかでしたが、天候に恵まれた今年の文化祭。たくさんの来場者がキャンパスを訪れました
残暑の厳しかった9月28日から29日にかけて、桜蔭中学校高等学校の文化祭が開催されました。今年のテーマは「Journey」で、キャッチフレーズは「百花繚乱の旅路」です。旅のような目的地への道のりのなかで、年齢や立場を超えた人々と交流し、非日常的な空間を共に楽しみたい、という桜蔭生の思いが込められているそうです。
編集部が訪れたのは28日の午前中。創立100周年を迎えた今年は、その記念事業として建設された新校舎を初めてフル活用しての文化祭となります。一般来場者は、一つの家族につき、受験を考えている小学生1名と保護者1名の計2名に限定され、午前・午後入れ替え制で事前ウェブ登録での申し込みが必要だったにもかかわらず、多くの来場者でにぎわっていました。
2023年10月に完成したばかりの新東館の1階には、大人気の模擬店が5年ぶりに復活。料理部による「メゾンデボンボン」は、チキンカレーやエリンギとほうれん草のシチューといったメニューを用意して来場者を迎えます。あっという間に整理券の配布が終了するほどのにぎわいを見せていました。
新東館2・3階は、理系の五つのクラブが集まる「サイエンスストリート」になっていました。今年の共通テーマとして「Color」を掲げ、色に焦点を当てた展示でサイエンスの魅力を伝えました。天文気象部では、実際の宇宙飛行士選抜試験をもとにした、さまざまな体験を用意。ピースの形だけを頼りに真っ白なパズルを完成させる「ミルクパズル」などに、来場者が果敢にチャレンジしていました。一方、化学部では毎年、多くの来場者の目を楽しませてくれる「虹色の試験管」が登場。砂糖の濃度によって、水溶液が層を形成する仕組みを利用した演示に、小学生たちが真剣なまなざしを浮かべている様子が見られました。
作者の思いが詰まった手芸部のドレス
天文気象部のプラネタリウムは、部員がライブ解説を行うことで好評を博している企画です。入場のためには整理券が必要ですが、今年は新たな公演を追加し、全部で4種類のプログラムを用意したこともあり、多くの回が午前中の段階で、すでに満席となっていました。
数学部では、桜蔭生が作ったオリジナル問題が配布されていました。頭を悩ませている小学生には、部員が優しくアドバイスを送っていました。物理部では、ロボットやからくり仕掛けなど、楽しい作品が来場者を楽しませてくれます。生物部ではブロッコリーから抽出されたDNAの展示や、学園で大切に飼育されているウーパールーパーなどが目をひきました。
一方の文化系クラブは、「文化横丁」と題したエリアで展示を行っています。新聞部・ボランティア部・手芸部などが、日ごろの活動内容やこれまでの成果を披露。毎年、華やかなドレスで多くの来場者を出迎える手芸部では、部員全員が力を合わせ、「海」をテーマとした刺繍を展示していました。数ある文化部のなかでも注目を集めていたのが、ついに誕生したクイズ同好会です。壁一面に掲示されたクイズの数々の前で来場者や在校生は足を止め、真剣に問題に向き合っていました。
創立100周年という記念すべき年に作られたグッズも大人気です。卒業生たちによるグッズ販売が行われるスペースは、シャープペンシルなどの受験勉強のモチベーション向上に一役買ってくれそうな文房具を買い求める来場者で大盛況。なかでも、100周年記念クリアファイルは、午前の部で売り切れてしまうほどの人気ぶりでした。
ほかにも、高校生徒会による縁日や茶道部によるお茶会、中1の浅間合宿での体験を発表する「中1浅間」など、多彩な企画で来場者を魅了した今年の文化祭。桜蔭生たちが心を込めて生み出した、非日常空間での小旅行を堪能できたのではないでしょうか。
5年ぶりに食べ物の模擬店も復活しましたが、大人気のため、あっという間に完売でした | 各参加団体による「ポスター大賞」は、来場者による投票で決まります | ペットボトルから作ったピンを使ったボウリングも人気を集めました |
高校生徒会による縁日のスーパーボール釣りにもたくさんの子どもたちが参加 | 物理部のからくり班による実演装置。ボールが動き出すと、さまざまな仕掛けが連動します | 部員が製作した工作ロボットなどを実際に操作できます |
数学部ではオリジナル問題を作成。悩んでいる小学生には部員が優しくアドバイス | 百人一首の札を前に白熱した対戦を見せてくれたかるた部 | 初代校長の後閑キクノ先生が宮中に参賀された際に着用された袿袴(けいこ)という当時の女子の礼装が展示されていました |
化学部では、水溶液が層を形成する仕組みを利用した「虹色の試験管」を披露し、多くの来場者の目を楽しませてくれました |
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