スクール情報
(「24年12月号」より転載/24年11月公開)
慶應義塾普通部 第96回労作展▶ 9月28日(土)・29日(日)
力作ぞろい!普通部生の自由な創作や
研究の成果を発表
初日の28日は、開場時刻の10時前から多くの人が並んでいましたが、係員の指示に従って、スムーズに入場していました
慶應義塾普通部の伝統行事である「労作展(労作展覧会)」は、今年で第96回を迎えました。同校の教育方針である「労作教育」とは、時間を惜しまずに、自分の心身を思う存分に活動させて、そのなかでみずから考え、自主的な選択や決定ができるようにするための取り組みです。「労作展」では、生徒が自由にテーマを見つけ、創作や研究に打ち込み、その成果を発表します。
今年は9月28日と29日に行われ、予約なしで一般公開されました。編集部が訪れたのは、初日の28日。開門前から多くの親子が並んでおり、とても楽しみにしている様子が伝わってきました。10時を過ぎると、受け付けを済ませて校舎内に入ります。受け付け横では2次元コードが掲示されており、校内マップや催し物の一覧などがダウンロードできるのも便利です。
本館2階に1年生、本校舎2階に2年生、3階に3年生の教室があり、各教室で生徒たちの作品を自由に見ることができます。国語科、数学科、理科、社会科、英語科、書道科、音楽科、美術科、技術家庭科、保健体育科などジャンルは幅広く、それぞれの教科で優秀な作品には賞が与えられるとあって、生徒たちは作品づくりに一段と力が入ります。
ひときわ目をひく美術科作品の甲冑。昨年の労作展に続き武田信玄をテーマにし、威厳と強さを表現したそうです
いざ教室に入ると、ダンボールやつまようじなど、さまざまな材料を使った美術作品や、自作の小説、自分が気になったテーマを追究した研究発表など、あらゆる作品が並んでいます。「これを本当に作ったの?」「よく調べてあるね」など、来場者の驚きの声があちらこちらで聞こえてきました。
社会科で賞を獲得した1年生は、1948年と2024年の渋谷の都市模型を制作して比較。訪れた人は、その見比べやすさとアイデアに感心した様子でした。また、美術科で受賞した2年生は、武田信玄の甲冑を制作しました。昨年の労作展では、社会科で武田信玄のリーダーシップについての論文を書き、今年は物質的な威厳と強さを表現したいと思い、甲冑を作ったのだそうです。
3年生の教室に入ると、さらに高度な作品が展示されています。美術科で賞を受賞した生徒は、立体切り絵で『ハリー・ポッター』のホグワーツ城の制作にチャレンジしました。1・2年生の労作展で切り絵の技術を向上させ、さらなるステップアップをめざして、立体で表現することを選んだそうです。
ダンボールアート「先を見やるオランウータン」。毛の細部までしっかりと表現されています
作品に添えられた制作日誌には、そのテーマを選んだ理由や制作過程の様子などが記載されているので、読むほどに作品の魅力を知ることができます。生徒たちは3年間かけて、自分の興味・関心に応じて熱心に取り組み、成長を遂げていることがよくわかります。
これらの展示のほかにも、地理・GIS研究会による「Nゲージ走行体験・活動展示」や、星と石の会による「化石・鉱物・天体写真の展示」がありました。演劇・映画の会の公演や、合気道部の演武会、剣道部や野球部の招待試合なども行われました。さらに29日には、音楽部のコンサートやバドミントン部の招待試合、合気道部・空手部の演武会なども開催されました。
また、学校の情報を提供する場も設けられ、学校生活や入試についての質問コーナーと生協でのグッズ販売もにぎわっていました。特に人気だったのは、本館1階にある南食堂です。10時から15時までは来校者も利用でき、ラーメン、カレー、牛丼などの学食メニューを多くの親子が味わっていました。
創作や研究のおもしろさがわかる「労作展」を見て、多くの小学生が「自分も挑戦したい」と、刺激を受けたことでしょう。
ゲームエンジン「Unity」を用いたゲームとレーシングコックピットを制作した技術家庭科の作品。ゲーム体験に子どもたちは興味津々でした | 技術家庭科の作品「Raspberry Piによる自動演奏装置の制作」。美しいメロディーが教室に響いていました |
社会科の作品「発展を続ける渋谷 令和と昭和の都市模型比較」。街並みの違いがひと目でわかります | 「ビー玉たちのパリの旅」がテーマの美術科作品。目の前でビー玉が動く様子を多くの人がじっくりと眺めていました | 中1の労作展で初めて切り絵に挑戦し、中2で3重構造の切り絵に進化させた生徒が、中3ではさらに高度な立体切り絵を完成させました |
小体育館で行われた合気道部の演武会。その迫力に見学者は息をのんでいました | 地理・GIS研究会の「Nゲージ走行体験」では、順番待ちのため、整理券を配布していました | 「物理と化学の会」は、炎色反応の演示実験を実施。小学生たちが実験を体験する一幕もありました |
食堂を利用する来場者も多数。食券を買って、ラーメンやカレーなどのメニューと引き換えていました |
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