入場制限を徐々に緩和
「BIG BANG」のようにJG生が輝きを放った2日間

今年のテーマ「BIG BANG」を象徴する、ダイナミックなモチーフのアーチが来場者を出迎えます

　昨年、3年ぶりに受験生（5・6年生）にも公開された女子学院中学校・高等学校のマグノリア祭。今年は10月7日・9日の2日間にわたり、事前予約制で小学4～6年生とその保護者1名を迎えて開催されました。

　今年のテーマは「BIG BANG」。英語で「宇宙開闢の大爆発」を表すこのことばには、「生徒一人ひとりがそれぞれの活動にかける情熱をマグノリア祭という場で爆発させてほしい」という思いが込められています。

　インフルエンザなどの感染症が流行していることもあり、密を避けるために来場者は時間を区切っての入れ替え制で入場します。編集部が訪れた7日はA・Bの2グループに分けられ、Aグループは9時30分～13時、Bグループは13時30分～17時と3時間30分の見学時間が設定されていましたが、昨年の1時間45分に比べると大幅な制限緩和となりました。

　来場者を出迎えてくれるのは、美術班が制作した鮮やかな色彩で構成された巨大アーチです。宇宙のはじまりを思わせる光を見上げる少女と、はるか遠くの宇宙へ旅立とうとしているロケットが描かれ、JG生たちのマグノリア祭への意気込みや、新たな出会いに対する期待が伝わってきます。

初の試みとなるドリル演奏に挑戦した吹奏楽班。会場から惜しみない拍手が送られていました

　初めに訪れた講堂では、今年から同好会より班に昇格した吹奏楽班の演奏会が行われていました。白いシャツにデニムという、さわやかで統一感のある服装で登場した生徒たちが、人気アニメのメドレーやスイングジャズの名曲など、はつらつとしたサウンドを披露すると、客席から大きな拍手が送られます。今回はドリル演奏にも初挑戦。ステージだけでなく、会場前方の通路も使用して、さまざまなフォーメーションを組みながら、モットーでもある「聴かせて魅せる演奏」で観客をひきつけました。

　同じく、今年初となる試みに挑戦したのが人気の高い数楽班です。切り絵などを展示した東館美術B教室のほか、南館5階では体験教室を実施。そこでは、細長く切った紙を巻いたり曲げたりしてパーツを作り、それを組み合わせて作品に仕上げる「クイリング」というクラフト手芸が楽しめました。来場者が色とりどりのカードとクイリングパーツから気に入ったものを選ぶと、それを班員がかわいくデコレーションしてくれます。完成したカードはお土産として持ち帰れるということもあり、教室内は多くの来場者でにぎわっていました。

　例年、力のこもった展示で人気を呼んでいる天文班にも入場者の列ができていました。生徒たちが作った「アポロ11号」や「国際宇宙ステーション」などの模型がずらりと並び、解説文とともにわかりやすく展示されています。また、化学班ではさまざまな演示実験で、化学の楽しさを紹介。班員たちが人工イクラや、磁石に引き寄せられるスライムなどを手際よく作る様子に、子どもたちも興味津々です。目を輝かせながら説明を聞いていました。

プロ顔負けの技術を披露する落語研究班による「学院寄席」。班員たちの高座名も工夫を凝らした楽しいものばかりでした

　落語研究班による寄席も大盛況です。身ぶりや手ぶり、視線や声色を駆使した見事な語り口で、客席に笑いを巻き起こしていました。一方、体育館や校庭では、運動部の練習試合が行われています。校庭では高校軟式テニス班による試合が行われ、見学者からは声援と拍手が送られていました。

　中1のクラス展示も見逃せません。なかでも、入学したばかりだからこそわかるJGライフの楽しさを伝える展示は、受験生にも大人気です。通学時の私服コーディネートや一週間のスケジュール、昼休みや放課後の過ごし方などを紹介したポスター展示の前では、足を止めて文章にしっかり目を通す小学生の姿が多く見られました。このほか、YWCA班による点字体験や宗教委員会によるキリスト教紹介など、ミッションスクールならではの企画も用意されていました。

　飲食物はテイクアウト販売とし、完全入れ替え制を導入するなど、まだ制限が残るものの、少しずつ従来の姿を取り戻しつつあるマグノリア祭。JG生一人ひとりが生み出した熱気が、来場者に伝わったことでしょう。

茶道班の「神無月茶会」では小学生を対象に、浴衣姿の部員がお点前を披露。優雅な立ち居振る舞いに、多くの参加者があこがれのまなざしを送っていました

数楽班では従来の展示のほかに、クラフト手芸のクイリング体験教室も実施。参加者は、用意されたカラフルなカードと3種類のパーツから好きなものを選び、世界でたった一つの作品を班員と共に作り上げました

晴れわたる秋空の下、校庭では高校軟式テニス班による試合が行われていました

小惑星探査機「はやぶさ」など班員手作りの模型がずらりと並ぶ天文班の展示。壁に貼られた手書きのレポートを熱心に読む来場者の姿も

ラットやブタなど、動物のからだのしくみについての展示がメインの生物班。解剖実験が苦手な人にも、カエルの内臓のしくみがわかる手作りのぬいぐるみを使って解説してくれます

化学班では楽しい演示実験や体験のほかに、化学的・JG的視点で「お茶」に迫る展示も行われていました

JG生の日常を紹介する中1クラス展示。登校時やお昼休みの様子、ふだんの服装など、参考になる情報が満載です