スクール情報
(「23年9月号」より転載/23年8月公開)
栄東中学・高等学校 栄東祭▶ 7月22日(土)・23日(日)
今年のテーマは「SHout」
3年間の栄東生の思いを外に向けて発信
校長先生の口には消毒液が…。手を入れると食べられてしまいそうです
猛暑日が続き、まぶしい日差しが照りつけるなか、栄東中学・高等学校の「栄東祭」が7月22日と23日の2日間で開催されました。昨年まで新型コロナウイルス感染症の影響で制限があったため、実に4年ぶりの一般公開となります。今年のテーマ「SHout」には、栄東(SH)の魅力を外(out)に発信したいという思いが込められています。コロナ禍の3年間で生徒たちのなかに秘められていた叫びを、思い切り外に発信できる機会がついにやってきました。
編集部が訪れたのは23日の日曜日。入場口から入っていくと、インフォメーションとともに、5人の校長先生がお出迎え。校長先生そっくりの人形の口の部分には消毒液が置かれています。すでにたくさんの来場者が訪れており、必死に呼び込みをする生徒の姿も見られ、本来の栄東祭の雰囲気がよみがえります。
息をそろえて演奏する吹奏楽部。聞きなじみのある曲も披露し、大きな拍手を受けていました
右に進むと講堂があり、そこでは吹奏楽部の演奏会が行われていました。中学生と高校生が一緒に演奏しているとあって迫力満点。大人数でも音色がそろい、きれいに響き渡っていました。この日はコーラス部の発表会も行われ、ディズニーの名曲から、大会で演奏する本格的な合唱曲まで、息の合ったハーモニーを披露していました。
前日には、講堂で書道部がライブパフォーマンスを実施。「夢」をテーマにした作品を短時間で見事に完成させました。体育館で発表を行ったチアダンス部は、力強いダンスとすてきな笑顔で観客を魅了。会場に熱気をもたらします。さらにCCホールでは、9時30分から16時まで7組のバンドがライブを行い、それぞれ個性あふれる演奏で盛り上がりました。
土曜日に行われた書道パフォーマンス。作品は日曜日にも講堂に展示されていました |
土曜日に行われた書道パフォーマンス。作品は日曜日にも講堂に展示されていました |
バラエティーに富んだ飲食やクイズ・ゲーム
部活動の展示や体験も本格的
わかりやすく説明しながら、さまざまな実験を披露した理科研究部
第1・2・6校舎と第5校舎の2階から6階には、部活動の展示と高校のクラス企画が並びます。今年は飲食の企画も復活したため、各階ともバラエティー豊か。パフェ、フルーツポンチ、ベビーカステラ、クレープ、チーズハットグ、ホットドッグなどの軽食、夏には欠かせないアイスや飲み物が販売され、カフェ風にアレンジされた教室内で休憩することもできます。早々と売り切れになったり、長い待ち時間ができたりするものもありました。しっかりと食事をとりたい場合は、1階の食堂でカレーライスやパスタ、オムライスなどを食べられますが、こちらにも行列ができていました。
ゲームやクイズなどの参加型企画もにぎわっています。縁日やカジノ、ボウリングなどの伝統的なものから、人気の謎解きやお化け屋敷、テレビのクイズ番組を再現したものまで、装飾の完成度の高さにも驚かされます。各クラスとも工夫を凝らして来場者を楽しませていました。
一方、部活動の展示や体験企画も見応えがあります。クイズ研究部では、部員が出す問題で来場者が早押しクイズを体験。鉄道研究部はおなじみの鉄道模型の展示のほか、研究発表やクイズ大会を実施しました。化学室・物理室では、理科研究部が来場者に説明しながら数々の実験を披露します。生物室では、園芸同好会がハーバリウム制作などの体験を行っていました。また、1階にある本格的な茶室「瑞想庵」では、茶道部が茶会を開催。来場者は夏に合わせた涼しげな和菓子とお茶を堪能していました。
クラス企画には映えそうなフォトスポットも。複数のオブジェが用意されています | 今年は飲食の企画も多数。街でも見かけるようなおしゃれなカフェ(!?)は大人気 | クイズやゲームなどの企画もたくさんあり、子どもから大人まで楽しめます |
実際に早押しボタンを使って、クイズ番組のような体験ができるクイズ研究部 | 模型やプラレールを展示した鉄道研究部。研究発表も行い、鉄道の魅力を来場者に届けます | 茶室「瑞想庵」では茶道部が茶会を開催。浴衣姿で来場者にお茶を出します |
中学生は学年ごとに作品を展示発表
ミュージカルは生徒がオリジナルで創り上げる
入学して間もない中1が、先生について調べて記事をまとめた「栄東新聞」
栄東の展示の名物といえば、中学生の学年ごとの作品発表です。中1は「栄東新聞」、中2は自分の将来像を創造する「未来樹」、中3は3月に行うポスターセッションに向けて作成した「私の研究計画書」を展示。中1の「栄東新聞」では、栄東の先生のことを調べて、新聞にまとめます。どの先生について発表するかはランダムに決められます。入学して間もない時期でもあるので、まったく知らない先生のことを記事にしなくてはならなかったケースが多いようですが、かなり詳しい情報まで新聞に盛り込まれていました。
そして、栄東祭のフィナーレを飾るのは、演劇同好会と有志の総勢46人によるミュージカル「世界を愛で満たして」。脚本、楽曲、舞台装置や小道具、衣装の一部は生徒たちがすべてオリジナルで制作したものです。上演前から講堂はほぼ満員に。幕が上がると、歌とダンスの迫力にいきなり圧倒されます。その後もストーリーにどんどん引き込まれていき、1時間の上演時間があっという間に過ぎていきました。生徒たちがこの日のために努力したことがひしひしと伝わり、感動が押し寄せてきます。戦争と平和についても考えさせられ、人間が抱える問題をあらためて投げかけるような作品でした。
予約制ではありますが、4年ぶりに一般の来場者を迎え、本来の姿を取り戻した栄東祭。生徒たちが内に秘めていた多くの思いを、さらなるパワーに変えて、この2日間で来場者の方に届けることができたのではないでしょうか。生徒たちの熱い思いは、また来年にもつながり、その先もずっと受け継がれていくでしょう。
演者も裏方も一つになって完成させたミュージカル。演技力や歌唱力にも目を見張るものがありました |
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