受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

スクール情報

(「23年7月号」より転載/23年6月公開)

麻布中学校・高等学校 第76回文化祭 5月2日(火)~4日(木・祝)

好奇心を刺激する体験型の展示やステージは
麻布らしさが満載

校門をくぐると、通称「ゲート絵」と呼ばれる色鮮やかな立て看板が、来場者を出迎えてくれます

 ゴールデンウィーク期間中の開催が4年ぶりとなった、麻布中学校・高等学校の文化祭。76回目となる今回は、「Who can stop AZ」がスローガンです。前回は午前と午後に時間を区切って来場者を受け入れましたが、今回は5月3日と4日の見学時間を1組90分に限定。ホームページでは混雑を避けた入場を呼び掛けていました。

 編集部が訪れたのは初日の2日です。天気にも恵まれ、午前中から多くの来場者が訪れていました。正門を抜けると、力作ぞろいの立て看板や大きな垂れ幕が目に入り、文化祭への期待感が高まります。中庭まで進むとステージがあり、漫才の披露で盛り上がっていました。ここでは文化祭恒例の「ミス麻布・ミスター麻布コンテスト」や、ダンス、バンドといった多彩なパフォーマンスが連日繰り広げられます。一方、講堂ステージでも、演劇やDJなど、さまざまな催しがあります。この日は、討論部が「憲法9条改憲の是非」についての公開討論を行っており、ディベートやディスカッションのおもしろさを感じさせる内容に、来場者も真剣に耳を傾けていました。

 中庭を囲むように建つ教室棟では、さまざまな展示が用意されています。同校の文化祭は体験型の展示が多いのが魅力で、特に理科系クラブによる展示や演示実験に人気が集まっていました。順番を待つ列ができていたのは、物理部無線班の「Roboratory展」です。部員が製作したロボットなどを一つひとつていねいに解説してくれます。実際に体験できるゲームなどもあり、小学生たちが夢中で挑戦している姿が至るところで見られました。化学部による「化学マジックショー」はエンターテインメント性が高く、時には笑いを誘いながら、化学の興味深さを伝える内容でした。生物部による「生物部展」では、魚や両生類、は虫類、昆虫、鳥などが展示され、多くの人が見入っていました。

迫力のある垂れ幕も見応えがあります

 麻布生考案の問題に挑戦できる機会も見逃せません。「脱出ゲーム展」「算数喫茶展」では、謎解きや算数の問題の答えを出すのに、頭を悩ませる来場者の姿がありました。そのほか、奇術部員が目の前でマジックを見せてくれる「マジック展」、オセロ部員と対局できる「オセロおせ~ろ展」、気軽にアーチェリー体験ができる「アーチェリー展」など、部員たちと間近で交流できるものは満足度が高かったようです。

 終始にぎわっていたのは飲食に関する展示です。ワンコイン500円で食べられる油そばが人気の「油そば展」、ワッフルやレモネードを販売する「ハニーワッフル展」、アメフト部による「メイドカフェ展」などがあり、来場者はそれぞれの飲食スペースでくつろいでいました。

 有志による出展が多いのも特徴で、教室をいくつかのブースに分け、個人単位から出展できる「フロンティア展」もあります。クイズやボカロなどの多種多様な展示が並び、ここでも「枠にとらわれない自由な麻布」の雰囲気を実感することができました。

 3日間で約2万6800人の来場者が訪れた、第76回文化祭。「自由闊達」「自主自立」という同校の校風は、麻布生の生き生きとした様子からも、受験生にしっかりと伝わったことでしょう。

中庭ステージでは、さまざまなパフォーマンスが繰り広げられ、大きな歓声が上がっていました 化学マジックショーをはじめ、体験型の実験が人気を集めた「化学部展」
講堂で行われていた討論の様子。そのほか平校長クイズ、教師演芸会など、麻布ならではの内容もありました 「マジック展」では、1グループに1人の奇術部員がつき、テーブルでトランプなどのマジックを披露してくれます 「鉄道研究部展」は、JR東海道本線、JR四国、京阪京津線をジオラマで再現
物理部無線班の「Roboratory展」では、部員が作ったVRゲームやイライラ棒などを体験できました 麻布生考案の謎解きゲームにチャレンジできる「脱出ゲーム展」 「アーチェリー展」では、初心者にも部員がていねいに指導。的に当たった瞬間は爽快です
文化祭の人気メニューである油そば。今年は味とトッピングが新しくなりました 今年リニューアルされた案内表示。行きたいエリアがどこにあるのかがすぐにわかります

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