未来を期待される学校
(「24年11月」より転載/24年10月公開)
松本秀峰中等教育学校
2025年度から首都圏入試を開始
文化と歴史が交差する松本の地で
学びへの内発的動機を養成する
所在地〒390-0813 長野県松本市埋橋2-1-1
交通JR「松本」駅より徒歩約20分、松本バスターミナルからバス(横田信大循環線)で「秀峰学校前」下車
TEL0263-31-8311
松本秀峰中等教育学校は2010年に開校された長野県内初の私立中等教育学校です。「大きな夢と確かな知性・国際性を持ち、他の存在や異なる価値観を尊重する自由で強靱な精神によって、未来の日本や世界をリードする人材の育成」をめざす同校では、2025年度から首都圏入試をスタートします。豊かな文化と歴史を誇る松本の地で展開される独自の教育内容について、校長の宗像諭先生にお聞きしました。
首都圏の教員経験を生かした改革で
生徒の才能が一気に開花
広野 長野県は、幕末期の寺子屋の数が日本一を誇るなど、昔から教育熱の高い土地として知られます。地域の特性とあわせて、貴校の特徴を教えていただけますか。
宗像 1年半前にこちらに移って感じた首都圏の学校とのいちばんの違いは、首都圏の高校生の多くが関東圏の大学を志望するのに対し、本校の生徒は全国の大学を視野に入れているということです。地元を離れることに抵抗がなく、自分の学びたい学問を軸に、北海道から九州まで全国の大学を選択肢とする気概があります。
広野 宗像先生はかつて、広尾学園や開智日本橋学園などで学校改革に取り組まれてきました。校長就任にあたって、今までの知見を生かし、注力されたことを教えてください。
宗像 わたしが着任する以前の松本秀峰は、大学進学実績を上げることを最大の目標とした、いわば予備校に近い学校でした。しかし、それを続けたところで30年、40年後はきっと行き詰まってしまうと感じました。そこで、まず着手したのは圧倒的基礎学力と言語運用能力の向上です。試験で点数を取ることだけを目的とするのではなく、自分の思いを正確に伝えるための手段として、高い国語力・英語力を身につけることを徹底しました。また、探究学習についても、それまで学校側が設けていたさまざまな制限を大幅に緩和した結果、気象予報士試験に合格する生徒をはじめ、日経STOCKリーグや鉄道模型コンテストの全国大会で入賞するなど、生徒の才能が一気に開花したのです。目先の学力を上げるよりも、学びの「内発的動機の養成」にシフトしたところ、生徒の意識が大きく変わり、学校全体が活気にあふれました。
広野 宿泊研修にも大胆なてこ入れを行ったそうですね。
宗像 はい。従来の宿泊研修は1年生と4年生のみが対象でしたが、現在では1年生は白馬、2年生は北陸、3年生は京都または東京から行き先を選択して研修旅行に出掛けます。いずれも現地でしか学べないフィールドワークを行い、探究学習の一環として取り組んでいるのが特徴です。そして、4年生では学びの集大成としてイギリスでの海外研修を実施し、異文化交流を通して、日本との共通点や相違点を学びます。
基礎学力養成から大学受験対策まで
学校内ですべて完結させる
カリキュラム
広野 具体的なカリキュラムの特徴を教えてください。
宗像 1学年約90人という少人数制の下、首都圏の進学校と同じように、2年生までに中学内容を、4年生までに高校内容を終える先取り教育を行っています。5年生からは、「最難関文系」「最難関理系」、医学部受験をめざす生徒を対象にした「高度医療系(メディカル)」の3コースに分かれます。
圧倒的基礎学力を身につけるため、放課後には「特訓講座」「補習講座」「検定講座」を開講しているほか、さらに発展的な内容を求める生徒には「特別講座」「目的別講座」「最高学力講座」など、大学受験にも対応できる予備校レベルの講座を開講し、さまざまなニーズに柔軟に対応しています。
広野 基礎学力養成から大学受験対策まで、学校のなかですべて完結する仕組みになっているのですね。次に、在校生の出身地について教えていただけますか。
宗像 松本市内および近隣地域が約7割、その他の周辺地域が約2割、関東圏・関西圏が約1割です。専用学園寮もあり、全校生徒約500人のうち約30人が寮生です。首都圏から見ると松本は遠方のイメージがありますが、実は新宿まで2時間半程度と、十分に日帰りができる距離です。何かあったときにはすぐ駆けつけられるというのも、安心して受験校に選んでいただける理由の一つになるかと思います。
「心・技・体・知」を
養う学校行事で
生徒一人ひとりの才能に光を当てる
同校では生徒の将来につながる才能の開花や能力の開発を促すため、海外派遣や各種コンクールへの参加など、さまざまな自主活動をサポートしています
広野 学校行事にはどのようなものがありますか。
宗像 体育祭・文化祭・学術祭が三大行事です。体育祭は「体」を鍛え、仲間を知る場、文化祭は「心」を養い、社会を知る場、学術祭は「技」を表し、自分を知る場と位置づけ、どの行事も生徒が主体となって運営しています。なかでも学術祭は、ふだんの授業や部活動では発揮できない才能を思い切り披露してほしいという思いから生まれたものです。松本市は、世界的な指揮者であった故・小澤征爾さんとゆかりが深く、音楽活動が盛んな“楽都”として知られます。本校にも音楽に長けた生徒が多いこともあり、ピアノやバイオリン、ギターなど、日ごろの練習の成果を発揮してもらう機会として大切にしています。
広野 生徒一人ひとりの才能に光を当てたいという思いが伝わってきます。ほかの生徒にとっても励みになりますね。
宗像 加えて、定期試験や模擬試験も、「知」を担う学校行事としてとらえています。これは、勉強が得意な子が周りに遠慮する必要はなく、「勉強が好きだ」と堂々と胸を張っていいんだよという学校からのメッセージでもあります。
広野 子どもたちの好きなこと、得意なことを認め、それを伸ばす校風があるのですね。大学合格実績も好調ですね。
宗像 今春は82名の卒業生のうち17名が医学部医学科に合格したほか、東大や京大を筆頭に、国公立大学にも29名の合格者が出ています。おかげさまで生徒たちの過去最高の自己実現につながりました。
広野 2025年度からは首都圏入試も開始されます。最後に、首都圏の受験生とその保護者にメッセージをお願いします。
宗像 長らく東京の私学にかかわってきた者として、首都圏の受験生の選択肢を広げることは社会的意義があると考えています。お子さんにとって最適な住環境・教育環境を選びたいというご家庭の選択肢に加えていただけたら光栄です。
ONE POINT CHECK サピックスのワンポイントチェック
2025年度から「特待生入試」として首都圏入試を開始します。日程は1月8日の午後(13時20分受付開始)、会場はベルサール新宿グランドです。入試科目は算数・国語(各50分・各100点)の2科で、合格者は1年分の授業料が免除されます。合格の目安は、本校の過去問で70%を超えれば十分に可能性があります。なお、一般入試(本校会場)は11月23日に実施されます。詳しくは学校ホームページをご確認ください。
INFORMATION
学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。 |
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