受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

未来を期待される学校

(「24年10月」より転載/24年9月公開)

サレジアン国際学園
世田谷中学高等学校

2025年度入学生からは新たなプログラム
「MEDICO(メディコ)」をスタート 「21世紀に活躍できる世界市民」を育成

所在地〒157-0074 東京都世田谷区大蔵2-8-1

交通小田急線「祖師ヶ谷大蔵」駅より徒歩20分、小田急線「成城学園前」駅、東急田園都市線「用賀」駅、東急田園都市線・大井町線「二子玉川」駅、東急東横線・東急目黒線「田園調布」駅よりバス

TEL03-3416-1150

HPsalesian-setagaya.ed.jp

 東京都世田谷区の目黒星美学園中学高等学校が共学化され、「サレジアン国際学園世田谷中学高等学校」として新たにスタートしたのは2023年4月。目黒星美学園から受け継ぐ「心の教育」を重視する一方で、探究活動やPBL(Problem Based Learning/課題解決型学習)の導入など、教育の改革にも注力しています。今回は特色ある教育内容について、3人の先生に伺いました。

PBL型授業を全教科に取り入れ
「考え続ける力」を向上させる

校長写真
教務部 部長 村井 純 先生(写真 左)
教育研究開発部 部長 田中 赳裕 先生(写真 中央)
本科推進部 部長 市橋 朋之 先生(写真 右)

広野 サレジアン国際学園世田谷として始動してから2年目。今春入学した第2期生の様子を聞かせてください。

村井 本校には、本科クラス(本科)とインターナショナルクラス(インター)の2種類のクラスがあります。第1期生は本科生の比率が高かったのですが、第2期生は、両クラスがほぼ同数になりました。また、インターは、帰国生中心のアドバンストグループ(AG)と、入学後に英語力を伸ばすスタンダードグループ(SG)の二つで構成されていますが、今年度はAG生が増えました。そのためか、国際色が強くなったように感じます。

田中 第2期生は、何かを突き詰めることや、探究することが好きな生徒が多く集まりました。中1の探究活動では頻繁に質問が飛び交い、頼もしく感じます。インターでは、バディシステムもよく機能しているためか、SG生9名が2学期から英語でインターミディエイトに、1名がアドバンストにレベルアップしました。

広野 今後、貴校がめざす教育について教えてください。

村井 教育目標は「21世紀に活躍できる世界市民力の育成」です。考え続ける力、言語活用力、コミュニケーション力、数学・科学リテラシー、心の教育を五つの教育の柱とし、これらの力を重点的に育んでいます。なかでも軸となるのは「考え続ける力」です。これを伸ばすために本科・インターの両クラスの全教科にPBL型授業を導入しています。この授業では、生徒の思考を刺激するトリガークエスチョンの提示から始まり、問いを分析する力、仮説の検証・論証を繰り返して持論を構築する力、説得力をもって発表する力などを養っています。

本科では今年から
「学内留学」をスタート
英語力の高いAG生の授業を体験する

広野 カリキュラムにはどんな特色がありますか。

市橋 本科では「熱く探究する生徒」の育成をめざし、中高で探究活動を行います。その両輪を担っているのがゼミとPBL型授業です。ゼミは「数理情報プログラミング」「人文社会科学」「自然科学」といった学問領域を知るところから始まり、そこから自分の興味・関心に合わせてテーマを決め、徹底的に深掘りします。生徒たちにはゼミの学びを通じて、突き抜けた発想を培い、将来的には社会貢献につなげてほしいと願っています。

村井 英語にも力を注いでいます。週8コマの授業のうち、5コマはインターナショナルティーチャーが担当するオールイングリッシュの授業になります。また、今年度から中1が「学内留学」を始めました。これは、ハイレベルな英語を使って行われるAGの英語・数学・理科・社会の授業を、本科生も1日1コマのみ一緒に受講できるというものです。帰りのホームルームや掃除にも参加して、英語を使ったコミュニケーションを楽しんでいるようです。

田中 今夏初めて、探究型の季節講習も実施されました。たとえば、標本学・博物学の入門編のような講座では、学年の枠を超えて一つの講座当たり30名ほどの生徒たちが集まりました。教科書に沿った学びとはまた違う試みができたと思います。

インターの英語は
3段階にレベル分け
生徒の実力に合わせた学びを実践

イメージ01海外大学の教授が講師を務めた特別授業。オンラインで現地の研究室とつなぎ、遠隔操作で実験にも挑戦しました

広野 インターの特徴についても教えてください。

田中 インターでは、ホームルームを担任のインターナショナルティーチャーと副担任の日本人教員の2名体制で行います。週8コマの英語の授業は、スタンダード・インターミディエイト・アドバンストの三つにレベル分けされ、すべて英語で指導します。このほか、英語で学ぶ探究型の授業「サレジアン・アカデミック・プログラム」(SAP)が週2回実施され、AGとSGが混合する形で取り組んでいます。日本の探究型授業とは、言語や価値観も異なるので、本科とはまた違う多角的な視点が養えます。また、AGは英・数・理・社の4教科を英語で、SGは英語とSAP以外の授業を日本語で学びます。

村井 SG生は学力次第でAGに移行できます。特徴的なのは、進級時でなくても可能なところ。第2期生には、1学期終了時でAGに合流した生徒もいました。これは最速です。

広野 来年度以降の新たな取り組みはありますか。

市橋 本科では、2025年度入学生から「MEDICO(メディコ)」という新たなプログラムが始動します。ただし、スタートは、同年度の入学生が中2に進級したときから。将来的には、医学やデータサイエンスを活用して、社会課題を解決できるような人物を育成します。中1では本科クラスに所属し、中2から理科・数学・情報については取り出し授業を行います。2025年度入試では、2月3日午前に算数と理科の2科で、MEDICO入試を実施する予定です。

広野 最後に、受験生へのメッセージをお願いします。

村井 本校は、生徒のやりたいことを全力でサポートする学校です。最終的には、生徒の進路にもつながるような方向に導きたいと考えています。興味のある方は一緒に学びましょう。

田中 「探究活動」「考えること」の二つが本校の核となる取り組みです。自分自身で探究することや興味のあることに没頭できる生徒が集まっています。意欲を持って勉強したい人は、ぜひ本校への受験を考えてみてください。

市橋 どんな些細なことでも、やりたいことがある生徒には学問探究の姿勢を後押しし、一緒に伴走する体制を整えています。熱い思いを持つ人に、ぜひ受験していただければと思います。

ONE POINT CHECK サピックスのワンポイントチェック

 本文でも紹介したSAPは、AGとSGが合同で行うインターナショナルクラスの探究プログラムです。中1は文化学、中2は環境問題、中3は社会問題をテーマに、英語で関心のある課題と向き合います。アカデミックなライティングからスピーチ、ディスカッションに至るまで実践力を身につけ、多角的なさまざまな視点があることを学ぶとともに、英語で思考し世界に発信する力を養います。また、世界97か国に広がるサレジアンネットワークを生かし、オンラインでの活発な意見交換もしています。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

INFORMATION

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。
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