受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校File

(「25年5月号」より転載/25年4月公開)

江戸川学園取手
中・高等学校

所在地:〒302-0025 茨城県取手市西1-37-1
JR常磐線「取手」駅より徒歩25分・バス約10分関東鉄道常総線「寺原」駅より徒歩20分
つくばエクスプレス「守谷」駅よりバス約20分
TEL:0297-74-8771
www.e-t.ed.jp

3コース制で生徒の希望進路を実現
2026年度から入試を大きく変更

 江戸川学園取手中・高等学校は、「心豊かなリーダーの育成」を教育理念とする「規律ある進学校」です。中等部から医科・東大・難関大の3コースに分けて生徒の希望進路に合わせた教育が手厚く行われており、クラブや学外での活動も盛んです。同校の教育内容と2026年度の入試変更点について、校長の山本宏之先生、進路指導部長の熊代淳先生、中等部教頭(入試担当)の遠藤実由喜先生に伺いました。

全員必須の英語試験を廃止し1月9日入試を新設
受験生の選択肢がさらに広がる

広野 来年度から入試が大きく変わるそうですね。まずはその内容から伺えますか。

山本 グローバル教育の充実をめざして、2022年度から英語を必須とする5科目型の入試を行ってきましたが、2026年度から英語試験を廃止し、4科目型に変更します。入試で英語の点数が低かった生徒ほど入学後に勉強をがんばっているなど、入試では学力の伸長が測れないと判断した結果です。あわせて1月25日の適性検査型入試も廃止し(12月13日の適性検査型入試は実施)、1月9日入試を新設する方向で動いています。

広野 受験生にとっても4教科の勉強に集中でき、埼玉県・千葉県の入試が始まる前に受験できるのはメリットが大きいと思います。

山本 英語試験を廃止する一方で、学内のさらなるグローバル化を図ります。そのためのプロジェクトチームを立ち上げ、2026年度入学生から新たなプログラムをスタートできるよう準備を進めています。

広野 中等部から医科・東大・難関大の3コースに分かれて学ぶことになりますが、それぞれの特色について教えてください。

熊代 医科(ジュニア)コースでは、現役の医師の話を聞く機会を増やしたり、医療に特化した探究活動を取り入れたりして、医療人となるために必要な心構えを身につけることも重視しています。一方、東大(ジュニア)コースでは、東大という最難関大学を意識して学力を伸ばすことを目標に、学問の本質を伝える授業を行っているのが特色です。キャンパスツアーやゼミ見学など、東大を身近に知る機会もたくさん設けています。そして難関大(ジュニア)コースでは、一般選抜のみならず、総合型選抜や学校推薦型選抜なども利用して希望進路に進むことを目標にしています。クラスには多様な生徒が集まり、基礎学力の養成と学内での活動を両立できるよう、柔軟なカリキュラムを取り入れています。


校長 山本 宏之 先生


進路指導部長
熊代 淳 先生


中等部教頭(入試担当)
遠藤 実由喜 先生


さまざまな「入り口」から生徒が集う
多様性にあふれた環境で心身ともに成長


中高6年間で心身ともに最も大きく成長する生徒たち。高校からは仲間も増えて、さらに切磋琢磨する雰囲気が強まります

広野 多様性という点では、併設小学校からの内部進学、中学入試、高校入試とさまざまな入り口から生徒が集っているのも特色ですね。生徒の様子はいかがですか。

熊代 互いに良い影響を与え合っています。中学からの入学生は学習習慣が身についていますから、学校でもよく勉強します。内部進学生は、小学校でのリーダーシップ教育のおかげで主体性に優れています。高校からの入学生は公立校でいろいろなタイプと接しているためか精神年齢が高めで、併設小・中学校からの進学生からすると大人に見えるようです。多様な生徒が入り交じることにより、学内に居心地の良さと活気が生まれています。

山本 そのおかげか、最近は他校生との交流も活発です。本校では外部のコンクールなどの告知をはじめ、年間300以上のプログラムを紹介しているのですが、そのなかから生徒みずからが選んで積極的に参加しています。とにかく選択肢をたくさん示すことがいちばん重要だと思います。あとは褒めることですね。「よくやったね、がんばったね」と伝えると、生徒も「またやってみよう」という気持ちになります。

広野 自己肯定感を持って、みずから一歩前に出る姿勢は日本の子どもたちから失われていると感じます。たとえ失敗しても、それはつまずきではなく貴重な成長の機会ですから、挑戦できる雰囲気づくりは大切ですね。

遠藤 講演会や観劇会、演奏会なども定期的に行っています。中高の感受性豊かな時期に、本物に触れる経験を数多くしてほしいからです。音楽や伝統芸能などはライブでしか感じ取れないものがあり、生徒たちはわたしたちが考えている以上に刺激を受け、多くのことを学び取っていると感じています。

なりたい職業と学部を結びつけると
自然に進むべき大学が見えてくる

サピックス小学部
教育事業本部 本部長
広野 雅明

広野 中高一貫校としては、生徒の希望進路を実現させるのが重要なミッションの一つだと思います。進路指導についてはいかがでしょうか。

熊代 近年、大きく変わった点は「学部から選ぶ」という動きが出てきたことです。校内で調査した結果、志望大学ではなく志望学部を先に決めたほうが成績の伸びが大きいことがわかりました。なりたい職業と学部を結びつけることで、自然に進むべき大学が見えてくるわけです。どのように併願を組めばいいのかも生徒自身が判断できるようになってきています。

広野 2年間の教養課程がある東大以外は、大学入学と同時に進路がほぼ決まるので、まず将来の職業や学びたいことを見つけてから学部を選ぶのが自然な流れといえます。クラブ活動も本人のやりたいことを見つけるうえでは役立ちますね。

遠藤 陸上部、水泳部、テニス部などがインターハイや関東大会に出場しています。42のクラブや同好会があり、選択肢も豊富です。兼部している生徒も多いですね。

広野 最後に、受験生へのメッセージをいただけますか。

山本 まずはとにかく受験勉強を楽しんでください。それが入学後に伸びる要素だと思います。今がんばっていることはけっして無駄にはなりません。将来に役立つことを信じて、ぜひがんばってください。

熊代 一所懸命にがんばった経験は自信や誇りになります。お子さんが笑顔で来春を迎えられるよう、また新しいことにチャレンジできるよう、保護者の方には自己肯定感を高める声掛けを心がけてほしいと思います。

遠藤 茨城県は少し遠く感じるかもしれませんが、ぜひ本校に来て、充実した教育環境や伸び伸びと学校生活を送る生徒の様子を見てください。未来につながるたくさんの宝物を本校で見つけてほしいと思っています。

Information

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。
www2.e-t.ed.jp/about-examination/?cat=examinee

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