母校再訪
(「25年6月号」より転載/25年5月公開)
母校再訪
逗子開成中学校・高等学校
野末 海斗さん(2023年卒業)
齊藤 馨太郎さん(2023年卒業)
部活と学業の両立に励んだ6年間で
身についた“挑戦する心”と“考える力”
人間性を開拓・啓発し、人としての務めを成すという意味の「開物成務(かいぶつせいむ)」を建学の精神に掲げる逗子開成中学校・高等学校は、創立122年の歴史を誇る進学校です。遠泳やヨット製作・帆走をはじめとする独自の海洋教育を展開しているのが特徴です。在学中はそれぞれ中高バスケットボール部のキャプテン、副キャプテンを務めていたという卒業生のお二人に話を伺いました。
特色ある遠泳やヨットなどの海洋教育
行事に対する熱量の高さも魅力の一つ

野末 海斗さん東京慈恵会医科大学
医学部3年将来は臨床医をめざしています。これから本格化する実習を通し、たくさんの知識を身につけながら、患者さんの気持ちに寄り添える医師になりたいです。
―逗子開成を志したきっかけと、実際に入学して感じた学校の良さを教えてください。
齊藤 三つ上の兄が逗子開成に通っていたので、文化祭や体育祭、部活の試合などを見に行く機会がありました。そのたびに、学校の雰囲気の良さを肌で感じ、「自分も行きたい」と思うようになったのです。実際に入学してみると、どの行事にも男子校ならではの熱さがあって、あらためて良い学校だと感じました。
野末 オープンキャンパスに参加したとき、海に近く、自然豊かな環境にひかれました。また、遠泳やヨット製作・帆走など、海にまつわる学校行事が多いのも魅力的でした。逗子湾内で1.5kmも泳いだり、自分たちでヨットを製作して実際に帆走したりする機会は、とても貴重な経験になりました。
―印象に残っている授業について教えてください。
齊藤 数学の授業です。生徒が自作した問題を持ち込んで、それをクラス全員で解き、最後に作問者が採点・解説するという時間がとても印象に残っています。ふだん問題を“解く”ことはあっても、“作る”ことはあまりないですし、さらにそれを採点・解説することで、いつもと違う視点から数学をとらえられました。
学校のすぐ目の前に逗子湾が広がります。バスケットボール部顧問の大澤尚樹先生(中央)と一緒に
野末 ぼくは国語です。長い文章を100~200字でまとめ、それを生徒同士で交換して添削するという授業で、要約のスキルが身につきました。また、建学の精神の「開物成務」から名付けられた「開物」という希望制のプログラムもありました。これは、新聞やニュースから引用された時事問題についての文章を、自分なりに簡潔にまとめるというもの。これによって、社会への関心も高まりましたし、思考力の向上にも役立ちました。
部活との両立をめざした質の高い勉強と
大学に“惚れ込む”ことが合格につながった

齊藤 馨太郎さん東京大学 工学部3年進学振り分け制度では、以前から興味のあったロケットや航空機について学べる航空宇宙工学科を選びました。将来は宇宙工学に携わる仕事に就きたいと思っています。
―在学当時、お二人はバスケットボール部に所属されていたそうですね。部活から学んだことや、勉強と部活とを両立するうえで心がけていたことは何ですか。
齊藤 ぼくは、中高を通して副キャプテンを務めました。みずから率先して練習に取り組んだり、練習運営の面で、顧問の先生と交渉したりと、チームマネジメントの点でもたくさんの学びがありました。バスケ部の練習日は週に4~5回と非常にハードだったので、勉強に関しては「いかに効率的にやるか」を考え、たとえ短時間でも質の高い学習ができるように心がけていましたね。
野末 ぼくも、キャプテンとして部をまとめる立場にあったので、部員一人ひとりのモチベーション維持に努めるなど、練習以外のところにも目を配るように意識していました。その一方で、受験勉強に専念している同級生を見ると、自分は後れをとっているのではないかと焦ることもありましたが、先生方の「部活は最後までやり切ったほうがいい」というアドバイスを信じてがんばりました。その助言のとおり、部活があったからこそ、時間の使い方もうまくなったと思います。
―現在の大学を志したきっかけは何ですか。
齊藤 東京大学を選んだのは、大学1〜2年の間は教養課程でさまざまな学問を学び、そこから進学する学部・学科を選べる「進学振り分け制度」が自分に合っていると思ったこと、また、どの学問を選ぶにしても高い水準の研究環境がそろっていることに魅力を感じたからです。進路指導の際に、先生に言われていたのは「いかに大学に惚れ込むかが大事だ」ということです。そこで、東大のことを深く知ろうと、カリキュラムや研究室について調べたところ、あこがれの気持ちが膨らんでいき、最後まで高いモチベーションを保つことができました。
野末 ぼくも、先生からは“惚れ込むこと”の重要性に加えて、「医学部の場合は、たくさんの大学を知ることから始めるといい」と言われていました。そこで、医学部のある大学を広く調べていたときに、出合ったのが東京慈恵会医科大学の「病気を診ずして病人を診よ」という建学の精神です。そのことばに心を動かされ、この大学を第一志望にすることに決めました。
―中高6年間で学んだことが、今に生かされていると思うことはありますか。
齊藤 部活と勉強の両立で苦労した分、いろいろなことに挑戦しようという気概が育まれました。大学生活で直面するさまざまな課題にも、「やればできるはず」という前向きな気持ちで取り組めるのは、逗子開成の6年間があったからです。
野末 さまざまな授業を通して、自分で考える力が養われたと思います。医療の世界には、答えのない問題がたくさんあります。大学でも、患者さんの症例をもとに「これをどう考えて治療につなげるか」という授業があるのですが、いくつかの事実を組み合わせて自分なりに答えを出す力は、中高でもたくさん訓練してきたので、先生方には非常に感謝しています。
バスケットボール部の練習は、体育館だけではなく、外のコートでも汗を流していたそうです
―逗子開成をめざす後輩にメッセージをお願いします。
齊藤 学校生活を全力で楽しみながらも、勉強をきちんとがんばりたいと考えている人にはお勧めの学校です。ぜひ、合格をめざしてがんばってください。
野末 逗子開成には、他校にはないユニークな学校行事があり、それに一緒に熱中できる仲間がいます。他人に迷惑をかけるようなこと以外は、生徒の自由に任されている学校なので、それを楽しみに入学してほしいですね。
《学校のプロフィール》
逗子開成中学校・高等学校
●所在地 〒249-8510 神奈川県逗子市新宿2-5-1
JR横須賀線「逗子」駅、京急逗子線「逗子・葉山」 駅より徒歩10分
●TEL 046-871-2062
●H P www.zushi-kaisei.ac.jp
《Information》
学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。 |
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