受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

母校再訪

(「25年6月号」より転載/25年5月公開)

母校再訪

恵泉女学園中学・高等学校

K.K.さん(2025年卒業)
S.K.さん(2025年卒業)

神を畏れ、人を愛し、いのちを育む
「恵泉らしさ」が心の道しるべに

 恵泉女学園中学・高等学校は1929年の創立以来、キリスト教の教えを教育の基盤に、神と人とに仕え、自然を慈しみ、世界に心を開き、平和の実現のために貢献できる女性の育成をめざしてきました。今回は、生まれてはじめて別々の学校に通うことになったという、今春卒業した双子の姉妹が登場。恵泉での学びや思い出について語ってもらいました。

自然体でいられる校風と
温かい人々に囲まれた居心地の良さ

K.K.さん早稲田大学法学部1年中3のころ、「知らないうちに法律を破っていたらどうしよう」と思ったことをきっかけに法学に興味を抱き、法学部に進みました。将来は、法的な視点を持って、さまざまな問題を解決できるようになりたいです

―初めて恵泉を訪れたのはいつごろでしたか。

K.K. 小学4年生のとき、恵泉デー(文化祭)の際に初めて訪れました。

S.K. それ以降の学校説明会や授業見学会のほとんどに参加したのを覚えています。

―恵泉に進学したいと思った理由を教えてください。

K.K. メディアセンターが魅力的でした。いろいろな本がたくさんあったことや、中心に大きなガジュマルの木が配置され、天井がガラス張りで開放感があったところにひかれました。

S.K. わたしは校舎の廊下が広いところが気に入りました。そして、課外活動としてオーケストラがあったことも大きな理由です。

―入学してみて、「恵泉を選んで良かった」と感じたことはありましたか。

S.K. 人が温かいところです。先輩は、どんな質問に対してもていねいに答えてくださいますし、校舎内で迷っていたときも助けてくださいました。クラスメートもみんな個性的でした。だからこそ、自分も自然体でいられたのだと思います。

K.K. 実は、入試の日まで、毎朝礼拝があることをしっかりと理解していなかったんです。入学してから「人にしてもらいたいと思うことを人にもしなさい」といったキリスト教の考えに初めて触れ、次第に自分の生き方や日々の過ごし方の軸になったことがよかったと感じています。

毎朝の礼拝では教員も話をしますが、生徒が日ごろ感じたり、考えたりしたことを文章にまとめて、ほかの生徒たちの前で話します

1935年に移築された学園創立時の校舎があるエリアで

―毎朝の礼拝の時間では、生徒が日々の生活のなかで感じたり考えたりしたことを述べる「感話」があります。思い出に残っていることがあれば教えてください。

K.K. 高3の終わりごろのクラス礼拝で、「自分という存在は一つの箱の中に入っているため、他者のことを考えるときでも、自分の箱の中からしか物事をとらえていない。それでは不十分なので、自分の箱から出て、他人の箱に入ってみることが大切」といったことを話したクラスメートがいました。そのことばを聞いて、自分も友だちから相談されたとき、自分の価値観にとらわれず、相手の視点に立つことができるようになりたいと思うようになりました。

S.K. 最高学年になると、選ばれた人が全校生徒の前で感話を述べる機会があります。わたしは、歯科医になるという目標を抱いたきっかけを話しました。わたしの夢を知った先生方や同級生、後輩たちが応援のことばを掛けてくれたことが、大学受験の大きなモチベーションとなりました。

仲間と競い合い、励まし合って受験を突破
先生方のきめ細かい指導も支えに

S.K.さん東京科学大学歯学部1年小学生時代に歯の矯正をしていたときに、歯科医の仕事にあこがれを抱きました。その後、口腔トラブルが起きた際、同じように悩んだり苦しんだりしている人を助ける側になりたいと思い、歯科医をめざしました

―学習面での印象はいかがですか。

K.K. 英語は何もわからない状態からのスタートだったのですが、先生がアルファベットの書き方からていねいに教えてくれたので安心して学べました。英語の授業では、リズムに合わせてスピーキングする「チャンツ」というものがあるのですが、ふだん怖そうに見える先生が笑顔で音楽にのりながら話しているのを見て、「英語って楽しいんだな」と思い、それが英語を好きになるきっかけになりました。

S.K. 高2のときに数学を教えてくださった先生が「こんなに楽しい学問ってないよね!」と授業で言っていて、「もしかしたら数学って楽しいのかも…」と、影響されました。授業でわからないことがあったときも笑顔で明るく答えてくださったおかげで、わたしも数学が好きになりました。

―学校行事での思い出についても教えてください。

K.K. クリスマスの1か月前から始まるアドベントの初日にクリスマスツリーの点灯式を行って、みんなでココアを飲んだことです。

S.K. わたしもツリーの点灯式が大好きです!アドベント期間は、毎週1本ずつロウソクに火をともしていくのですが、クリスマスを迎えるのがとてもうれしい気持ちになりました。

課外活動の一つであるサイエンス・アドベンチャー。生物、化学、物理、コンピューター・サイエンスの4班で構成されます

園芸の授業も「恵泉らしさ」の一つです

―お二人は学校だけの学習で志望大学への合格を果たしたそうですね。

S.K. 自習室に通ううちに、友人たちとお互いにわからないところを教え合い、切磋琢磨できる環境が整っていきました。登校しない時期もビデオ通話で励まし合って、親身に相談に乗ってくれる友だちがいてくれたのが、本当に心強かったです。

K.K. 自習室での勉強に加えて、わからないことをききに行くたびに快く受け入れ、わたしが理解するまで説明してくださった先生方のおかげでもあります。

―最後に、受験生へのメッセージをお願いします。

K.K. 受験勉強では苦労することもあると思いますが、志望校合格をめざしてがんばってください。中高6年間を過ごす学校として、恵泉にはこれ以上ないほど恵まれた環境があります。

S.K. 中1から高3まで「本当に恵泉に入学できてよかった」と言い続けていたくらい、どんな人でも受け入れてくれる居心地の良さがあります。ぜひ恵泉で、充実した学校生活を送ってほしいと思います。

中心部の1階から4階までが吹き抜けになったデザインのメディアセンター。この空間にひかれて入学した生徒も数多いそうです

《学校のプロフィール》

恵泉女学園中学・高等学校

所在地 〒156-8520 東京都世田谷区船橋5-8-1
小田急線「経堂」「千歳船橋」駅より徒歩12分

TEL 03-3303-2115
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《Information》

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。

www.keisen.jp/information/briefing.php

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