受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

母校再訪

(「25年5月号」より転載/25年4月公開)

母校再訪

安田学園中学校高等学校

小磯 慶一郎さん(2020年卒業)

面倒見の良い指導と効率の良い学習法が
司法試験の勉強にも役立つ

 校訓に「誠実・明朗・奉仕」を掲げる安田学園は、1923年、安田財閥の創立者・安田善次郎によって創設された伝統校です。近年では、国公立大学や早慶上理への進学実績も高く、難関大学合格に向けたカリキュラムを充実させています。同校での学びや学校生活の思い出について、司法試験に合格した卒業生に語っていただきました。

高校時代に培った英語力が
弁護士事務所でも生かされる

小磯 慶一郎さん弁護士事務所勤務
慶應義塾大学
法学部法律学科卒業
安田学園での学びが役立ち、司法試験合格につながりました。今年の3月から司法試験合格者対象の研修である司法修習で1年間学び、一流の弁護士をめざします。

―当時を振り返って、安田学園で印象に残っていることを教えてください。

小磯 厳しくも熱く、面倒見の良い先生が多かったという点です。わたしは難関大学進学をめざすS特コースに所属し、学習面でも手厚い指導を受けました。特に印象深いのは英語の授業です。毎日英単語テストがあり、その都度20個ほどの単語を新たに覚え、合格点に満たないと追試を受けなければならないので大変でした。しかし、確実に基礎力が培われたと思います。厳しくて、時には弱音を吐く生徒もいましたが、先生方は生徒と同じ目線で向き合い、時には叱咤し、時には見守ってくださいました。また、母が病気になり、わたしが落ち込んでいたときには、担任の先生が親身になって頻繁に連絡をくださり、とても励みになりました。かつてあった学校行事では、高2の秋に「50キロハイク」というイベントが開催され、生徒たちの誘いを受けた校長先生が、一緒に参加してくださったことを覚えています。給水係を保護者の方が担当してくださるなど、受験前にみんなで一丸となった思い出があります。

高校3年間担任だった加藤善一先生は、メンタル面をいつも支えてくれました

―学校生活のさまざまな面で、先生と生徒の間に一体感が生まれていたことがうかがわれますが、安田学園の学びが大学入試に生きたと感じるところはありますか。

小磯 やはり、先ほどお話しした「英単語テスト」です。このテストの積み重ねが、大いに受験の助けになりました。また同じ先生の英語の授業で、アメリカの大学入試に出た英語の長文や、アメリカの政治経済・歴史・社会背景などを教えていただけたことも、幅広い教養に結びつきました。こうした事前知識を持っていると、大学入試の長文読解への理解力も深まります。わからない単語があっても、想像力をはたらかせられるのです。現在、勤務先の弁護士事務所には海外企業のクライアントの方も多く、英会話レッスンも受けていますが、当時教わった基礎が生きているのを実感しています。このほか、大学入試直前期には、国語の先生にも小論文の添削をしていただき、非常に助かりました。また、大好きだった社会の勉強に没頭したところ、先生に「もう、君に教えることはない」と言われるほど好成績を挙げることができたので、自分なりに極めることも大切なのかもしれません。

集中して自習するときに利用した図書館。法律関連の本もここでよく読みました

―英語の学びが現在にも役立っているということですが、ほかにも卒業してから安田学園での経験が生かされたと感じることはありますか。

小磯 大学在学中に、司法試験の受験資格を得るための「予備試験」を受けたときも、安田学園で養われた“勉強する習慣”が生かされました。予備試験は、7月に短答式試験、9月に論文式試験、1月に口述式試験と3回にわたって行われ、1回合格するごとに次の試験を受けられる仕組みになっています。長丁場なうえに合格率も低く、出題科目も7~10科目と多くて大変ですが、高校のころに培った、効率良く勉強する方法や計画性のある学習で、乗り切ることができました。

特許訴訟など専門分野で経験を積み
将来は一流の弁護士に

―法学部をめざしたきっかけを教えてください。

小磯 法学部を第一志望にしたのは、法曹、特に弁護士に興味があり、将来の夢として視野に入れていたからです。実は慶應義塾大学は、進学した法学部のほか、経済学部、商学部、文学部と計4学部を4日連続で受け、すべて合格することができました。歴史を勉強したい気持ちもあり、文学部も考えましたが、「法曹の道に進まない場合でも、法学部のほうが就活に強そう」という理由で決めたところもありました。また、父から資格取得を勧められ、「確かに手に職をつけたら、自分の力で自由に仕事ができるのでは」と思い、大学入学後に司法試験へのチャレンジを決意しました。

―司法試験にも合格し、弁護士事務所勤務となった今、どんな目標がありますか。

小磯 弁護士として一流になることです。わたしの勤務先の弁護士事務所は知的財産の問題に強く、特許訴訟などにかかわる仕事が多いのですが、ライフサイエンスや英語の案件も豊富にあるので、専門性の高い仕事をして、経験を積むことを目標にしています。まずは与えられた仕事をこなし、自分のものにしていきたいと考えています。

久しぶりに加藤先生と校内を歩きました。右は同じく安田学園卒業生で現在入試広報担当の髙槗くるみさん

―最後に、安田学園の魅力を含めて受験生にメッセージをお願いします。

小磯 安田学園の生徒数は増えているようですが、面倒見の良い学校であることに変わりはありません。そこがいちばんの魅力です。本気でぶつかれば、本気で応えてくださる熱い先生方がいます。勉強はもちろん大切ですが、文化祭をはじめとした学校行事も存分に楽しんで、めりはりのある学校生活を送ってください。

《学校のプロフィール》

安田学園中学校高等学校

所在地 〒130-8615 東京都墨田区横網2-2-25
都営大江戸線「両国」駅より徒歩3分、JR総武線「両国」駅より徒歩6分、都営浅草線「蔵前」駅より徒歩10分

TEL 03-3624-2666
H P www.yasuda.ed.jp 別ウィンドウが開きます。

《Information》

学校説明会などの情報はこちらよりご確認ください。

www.yasuda.ed.jp/admission/briefing_j/

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