母校再訪
(「24年9月号」より転載/24年8月公開)
母校再訪
吉祥女子中学・高等学校
長谷川 真理子さん(2024年卒業)
藤原 苺愛里さん(2024年卒業)
家庭のような温かさのある学校
人生が変わる出会いもあった
「社会に貢献する自立した女性の育成」を教育目標に掲げる、吉祥女子中学・高等学校。互いの価値観を尊重し合う自由闊達な校風の下、生徒たちは生き生きと学習に励んでいます。今春同校を卒業し、東京工業大学と東京慈恵会医科大学に通う2人は、吉祥女子での「出会い」のおかげで将来の夢を見いだしたといいます。同校の学びの様子や、影響を受けた出来事について詳しく伺いました。
「中学校ってこんなに楽しい場所だったんだ」
明るい同級生に囲まれて学んだ日々
長谷川 真理子さん東京工業大学
環境・社会理工学院1年将来の夢は、専門知識を身につけて国連の職員になり、途上国の援助をすることです。現在は再生可能エネルギーに興味があるので、大学で深く学んでいきたいと考えています
―吉祥女子を志望した理由を教えてください。
長谷川 姉が吉祥女子に通っていたので、もともと名前は知っており、良いイメージを持っていました。実際に吉祥祭(文化祭)を訪れてみると、芸術系の生徒たちが中心になって制作した正門のオブジェに圧倒されました。さらに、在校生が元気にあいさつをする姿を見て「良い学校だな」と思い、受験することを決めました。
藤原 わたしも姉が吉祥女子を受験していたので名前を知っており、明るく自由な学校というイメージを持っていました。活発なタイプの小学生だったので「わたしにぴったりかもしれない」と思い、受験を決意しました。
―2人ともお姉さんの影響で吉祥女子を志望したのですね。入学後、抱いていたイメージとのギャップはありましたか。
長谷川 入学してみると、明るく優しい同級生ばかりだったので安心しました。わたしは中学受験に熱心に取り組んだタイプではなく、中学校生活がどういうものかも具体的にイメージしていなかったのですが、「こんなに楽しいところだったんだ」と驚きました。
藤原 実はわたしも似たようなタイプで、受験する学校についてあまり詳しく調べていませんでした。吉祥女子は活発な生徒ばかりで、毎日学校に通うのが楽しく、入学してよかったなと思いました。
長谷川さんが所属していた剣道部の活動場所はトレーニングルームです。卒業後も、コーチとして後輩の指導に当たっています
―吉祥女子で6年間を過ごして、印象に残っていることはありますか。
長谷川 生徒会役員会に所属していたこともあり、中2の道徳の授業で、リーダーシップについて学んだことが今でも心に刺さっています。苦しい判断を迫られる場面で、自分がどのように行動するかを考え、発表するという内容だったのですが、先生に「主観や感情が入り過ぎている」と指摘されたのです。その自覚はあったので、生徒会で後輩を引っ張るうえでも、これから社会でリーダーとして活躍するうえでも、自分の主観に惑わされないようにしなければならないと学びました。一方、複数の文章をまとめて考察する道徳の授業では、「さまざまな物事から共通項を見いだす力がある」とほめていただきました。リーダーとして良い点と、正すべき点を教えていただいた印象深い授業でした。
藤原 わたしは中3から高2まで文化祭実行委員会に所属していたので、吉祥祭がいちばん思い出に残っています。高1・2では会計を担当し、各クラブのお金が適切に使われているかをチェックしたり、来場者の誘導をしたりといろいろな経験をしました。遅くまで学校に残って準備をすることもあったので大変でしたが、来場した方に「とても楽しかったです。ありがとうございました」とお礼を言われたときは、今までがんばってきてよかったと思いました。この経験を生かして、大学では学生の自治組織である「学生会」に所属しています。学生から講義に関する意見を集めて教授に伝えるといった活動をしており、やりがいを感じています。
進路で悩んでいたときに
先生や大学生の話が助けになった
藤原 苺愛里さん東京慈恵会医科大学
医学部医学科1年将来は医学研究者になりたいと考えています。特にアレルギーに関心があり、どういったメカニズムで起きているのかを研究するのもおもしろそうだと思っています
―クラブ活動は何をしていましたか。
長谷川 中1から高3まで剣道部に所属していました。何か武道をやりたいと考えていたところ、弓道部に所属していた姉に「同じクラブだけはやめて」と言われたので、剣道部にしました(笑)。練習は大変で、やめてしまう同級生も多かったのですが、その分、残ったメンバーとの間には強い絆が生まれました。練習で一緒に汗を流したこと、お互いの誕生日を祝ったことなど、すべてが大事な思い出になっています。成績も、東京都大会でベスト16を連続2回達成という、学校で初めての好記録を残すことができました。
藤原 中1からバレーボール部に所属していました。わたしたちの代は、新型コロナ感染症が流行した影響を強く受け、多くの行事が中止になってしまったのですが、高2の2泊3日の合宿は実施することができて、本当にうれしかったですね。みんなで励まし合いながら、朝のランニングやレシーブの特訓などをしたことは、今でも大切な思い出になっています。
―進路を決めるうえで、「吉祥女子でのあの出来事があったから今の自分がある」と言えるエピソードはありますか。
長谷川 進路について悩んでいたときに、先生が3人がかりで励ましてくれたことです。もともとは情報工学を学べる大学に行こうと思っていましたが、学力的に難しかったことと、そもそも本当に学びたい分野なのかがわからなくなり、高3の春ごろは泣いてしまうくらいつらい毎日を送っていました。そんなときに先生方が面談をしてくれて、「こんなにわたしのことを考えてくれる人がいるんだ」と安心したのをよく覚えています。その後、あらためて進路について考え直し、「自分の人生を有意義なものにしたい」「世界中の人の力になるために、開発途上国の援助をしたい」という目標を見つけることができました。
藤原 わたしも、進路がなかなか決まらずに悩みました。興味のある分野はあっても「本当にこれでいいのか」という迷いがあったのです。そんな高2の冬ごろ、キャリア教育の一環で医学部生による座談会があり、医学部での学びや、患者さんと接した際の経験などを聞きました。自分と年齢がそこまで離れていないのに、医学部生はすごい経験をしているな、考え方がかっこいいなと思い、医学部にあこがれるようになりました。まさに人生が変わる出会いでしたね。
藤原さんが所属していたバレーボール部の活動場所である体育館にて。卒業後に後輩たちの活動を見学したところ、「とても上手になっている」と驚いたそうです
―受験生へのメッセージをお願いします。
長谷川 吉祥女子は、人と人とのつながりを大切にする、温かな家庭のような学校だと思っています。実はもともとは第一志望校ではありませんでしたが、もし、もう一度中学受験をするとしても、絶対に吉祥女子に入学しようと思うくらい大好きな学校です。楽しい中学校生活を送れるので、皆さんにもぜひ受験をお勧めします。
藤原 人生が変わる、すばらしい出会いがある学校だと思います。校風もとても自由で、自分の好きなことに全力で取り組める環境が整っています。ぜひ一度見学に来て、学校の雰囲気を感じてください。
《学校のプロフィール》
吉祥女子中学・高等学校
●所在地 〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町4-12-20
JR「西荻窪」駅より徒歩8分、西武新宿線「上石神井」駅よりバス15分「地蔵坂上」下車、徒歩8分
●TEL 0422-22-8117
●H P www.kichijo-joshi.jp
《Information》
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