母校再訪
(「23年7月号」より転載/24年4月改訂)
母校再訪
東京都市大学付属中学校・高等学校
山﨑 賢矢さん(2017年卒業)
坂井 康太郎さん(2017年卒業)
どんな生徒にも寄り添ってくれる先生たち
誰もが「自分の居場所」を得られる学校
閑静な住宅地の一角にある、東京都市大学付属中学校・高等学校。キャンパスには洗練されたデザインの校舎をはじめ、照明付きの全面人工芝グラウンドや、最先端の機器をそろえた六つの実験室、カフェテリアなどの施設が充実しており、文武両道の6年間を過ごすことができます。そんな同校での学びの様子や魅力について、社会人として活躍中の2人の卒業生に詳しく伺いました。
伸び伸びと過ごせる環境
学習にもクラブ活動にも全力で取り組めた
山﨑 賢矢さん塾経営
慶應義塾大学経済学部卒業慶應義塾大学のAO入試に落ちてしまった経験を生かし、総合型選抜・推薦型選抜や小論文対策に特化した塾で、受験生の指導に当たっています。
―都市大付属を志望したきっかけを教えてください。
坂井 実は、都市大付属は第一志望校ではありませんでした。本命の学校は別にありましたが、そちらは残念ながら手が届かなくて。当時は落ち込みましたが、「中学から硬式野球部がある学校」という点に魅力を感じ、入学を決めました。
山﨑 当時のぼくは「志望校」というものをあまり意識しておらず、親に勧められるままに受験を決めました。しかし、文化祭やオープンキャンパスなどで来校してみると、校舎のきれいさに驚き、ここで学びたいなと思いました。入試の回数も多く、「ぼくでも合格できるかも」と感じたのを覚えています。
―入学してから、学校への印象に変化はありましたか。
坂井 のんびりとした生徒が多いのかな、という先入観を持っていましたが、みんな普通の元気な男子中学生で、すぐに学校に慣れることができました。
山﨑 同感です。加えて、とても素直で良い子が多かったですね。個性的なタイプもいましたが、そういった生徒でも伸び伸びと学校生活を送っていました。
音楽室は、山﨑さんにとってたくさんの思い出が詰まった場所です。吹奏楽部やバンドでの活動をしていた経験もあり、ここで多くの時間を過ごしました
―男子校ならではの魅力を感じたことはありましたか。
坂井 女子の目を気にせず、学習とクラブ活動に集中できたのはよかったですね。ただ、中高6年間で女子と日常的に接してこなかったので、大学入学後は「どうやってコミュニケーションを取ればいいんだろう」と悩んだこともありました(笑)。
山﨑 男子校だからこそ、外見など「かっこつけ」のために使う労力がなく、その分、学習やクラブ活動に全力で取り組めました。異性の目を気にせず、いろいろな挑戦ができるのは大きな魅力だと思います。
―中高6年間で印象に残っていることはありますか。
坂井 やはり硬式野球部での活動ですね。中1のときに肘にけがをしてしまい「野球をやめようかな」と悩んだのですが、顧問の先生に励まされ、その後も続けることができました。そのときの思い出が、今でも人生の糧となっています。
山﨑 ぼくは、生徒会を中高で一本化した最初の年に、柏苑祭(文化祭)の執行委員長になったことです。「新しい生徒会の下で、今までにない企画をやってみたい!」と、プロジェクションマッピングを企画したのですが、予算面ではさまざまな苦労がありました。前面に立って交渉を行ったのはとても良い経験になったと思います。同時に、資金繰りを巡って、とある部ともめたことで、執行委員長を解任されかけたのも青春ならではの思い出です(笑)。今では懐かしいですね。
先生の励ましや自己分析などで
大学受験へのモチベーションを高めた
坂井 康太郎さん株式会社DeNA勤務
慶應義塾大学文学部卒業現在、横浜DeNAベイスターズに出向しています。将来の夢である起業をめざして、さまざまな社会経験を積み重ねています。
―坂井さんも山﨑さんも、慶應義塾大学に進学されたのですね。志望大学を決めたきっかけを教えてください。
坂井 高2のころ、硬式野球部のみんなで、明治神宮野球場に慶應義塾体育会野球部の試合を見に行ったことがきっかけです。選手がとてもかっこよくて、ぼくもこんな風に活躍したいと思いました。加えて、「かっこよく活躍すれば、きっと女子にモテるぞ」というのも大きな原動力になりました(笑)。
山﨑 男子校ならではの原動力だね(笑)。ぼくは、もともと国公立大学への現役合格をめざすⅡ類クラスにいて、ずっと京都大学に進学したいと考えていましたが、高3の4月ごろに慶應の推薦入試に興味を持ち、法学部のAO入試を受けました。面接では、大学の教授から厳しいことを言われ、不合格という残念な結果だったのですが、そこから一念発起して一般入試に臨みました。
―受験勉強へのモチベーションはどのように高めましたか。
坂井 毎日、慶應の式典などで歌われる「慶應義塾塾歌」を聞いて気持ちを高めていました(笑)。また、硬式野球部の顧問の先生が「野球も勉強もがんばろう」という方針で、勉強に力を入れるとほめてくれたのも大きかったですね。「野球はそこまで上手じゃないけれど、クラブ活動にも勉強にも手を抜いていない」と評価してもらえたのがうれしくて、努力を続けられたのだと思います。
山﨑 ぼくは、12月にAO入試で不合格になってから、受験勉強のための自己分析をしました。そして最も重視しようと思ったのが、「メンタルを大切にする」ということ。とにかく無理をせず、心を傷つけないように、少しずつ勉強する時間を増やしていきました。
―慶應義塾大学への合格を勝ち取った際、先生方の反応はいかがでしたか。
坂井 多くの先生がとても熱心に指導してくださった結果の合格だったので、一緒になって喜んでくださり、とてもうれしかったですね。今でもよく覚えています。
山﨑 ぼくも、個人的に親しかった先生がとても喜んでくださいました。都市大付属の先生は個性豊かな方が多く、どのような生徒にもしっかりと寄り添ってくれます。受験勉強では心の支えになりましたね。
仲間たちと共に学んだ教室は、坂井さんの思い出の場所。担任だった田中渉先生(中央左)と、母校に教師として戻ってきた同期生・田中拓斗先生(中央右)と一緒に記念撮影
―大学ではどのようなことを勉強しましたか。
坂井 文学部で文化人類学を専攻していました。ぼくは将来、起業したいと思っていたので、「同世代の起業家がどのようなことを考えて起業に至ったのか」という点をフィールドワークで研究しました。
山﨑 ぼくは経済学部で、国際貿易系の授業をいちばん多く取りました。ただ、最も楽しかったのは、文部科学大臣補佐官を務めていた、鈴木寛教授の「すずかんゼミ」(鈴木寛研究会)で教育について学んだことです。このときの経験が今の仕事につながりました。
―現在はどのような仕事をしていますか。
坂井 株式会社DeNAから出向で、横浜DeNAベイスターズのチケット業務に携わっています。さまざまな経験を積みながら、社会人としてスキルアップしたいですね。
山﨑 ぼくは、すずかんゼミでの研究テーマを実践する形で、大学時代に総合型選抜・推薦型選抜や小論文対策に特化した塾を起業し、今に至ります。
―最後に、受験生にメッセージをお願いします。
坂井 都市大付属では、「自己効力感」を伸ばすことができます。自己効力感とは、自己肯定感と少し違い、自分の未来を肯定できる力のこと。都市大付属には、生徒を信じてくれる先生がたくさんいて、自分の可能性を広げられる環境が整っています。ぜひお勧めしたいです。
山﨑 ぼくは都市大付属で、大学や社会でも通じる経験を積み重ねることができました。現在は、高校生に受験指導をしていますが、実は、学校が好きだという生徒はあまり多くありません。でも、都市大付属の生徒は、みんな「学校が好きだ」と言います。「入学してよかった」と思える学校だと思います。
《学校のプロフィール》
東京都市大学付属中学校・高等学校
●所在地 〒157-8560 東京都世田谷区成城1-13-1
小田急線「成城学園前」駅より徒歩10分、東急田園都市線・大井町線「二子玉川」駅より成城学園前駅行きバス約20分
●TEL 03-3415-0104
●H P www.tcu-jsh.ed.jp
《Information》
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