よく天王山と例えられる受験生にとっての重大な分かれ目である夏休み。私はみんな頑張る中、どれだけ受験生になれるかが秋以降の成績を大きく左右すると思う。
　私が３年生の夏に入室してからずっと算数は父が見ていた。でもとにかく私は算数が苦手だった。なかなか成績が上がらない私と父の関係は最悪だった。夏休み前、偏差値が35まで下がりクラスもブロック落ちをした。受験をやめるかという話し合いにまでなり、一度家出もした。そこで塾の先生と話し合い、父は私の勉強から手を離すようになった。
　夏期講習でモチベーションになったのは、父が手を離したからには成績を上げなければという使命感と、算数のデイリーチェックの点数が張り出されたことだ。プライドにかけ、とにかく配られた算数の冊子をコピーして２回解いた。授業が終わったあとと翌日の朝にもう１度だ。18時間後までに冊子と国理社もやるのは今思えば大変だったなと思う。とにかく毎日必死だった。父には頼らないために質問教室にも通った。そして秋以降のテストで成績は伸び、直前期の算数の偏差値は57まで上がった。そして無事２月１日の吉祥女子に合格した。その時の喜びは母と跳び上がって抱き合いすぐに先生に報告し、祖父母に電話で伝えても収まらなかった。２日はいつも通りの方がいいと思い学校に行った。３日に受けた慶應中等部には落ちたが、やりきった気持ちでいっぱいだった。あの怒濤の夏休みがなければ今の私はないと思う。