１月末、ＰＣ画面に満開の桜と共に浮かんだ渋幕合格の文字、そして２月１日と２日の渋渋合格者一覧に記された自分の受験番号。いずれも第一志望だった両校からご縁を頂き、娘の受験は終了しました。娘を励ましご指導下さった先生方に、まずは深く感謝申し上げます。
　過酷な試練を課すのでは、との親の不安をよそに、入室した娘は先生方の面白い授業や、活き活き発言するクラスメートに大満足。毎回帰宅すると「今日もすごく楽しかった！」と、先生方や友達の話を物まねも交えて報告してくれ、親子で笑って過ごしました。とはいえ時には中弛みでブロック落ち。でもブロックが変わるとクラスの雰囲気がガラリと変わってしまうと娘の目には映ったようで「早く元のブロックに戻って、楽しい仲間と面白い授業を受けたい！」と自ら机に向かうようになりました。親もポジティブ志向をモットーに、テストで失敗した時も「本番前に弱点がわかって、ラッキーだね！」と声掛けしていました。
　もう一つ、娘にずっと掛け続けた言葉があります。
　「受験もその後に続く人生もあなたのものだから、一番大切なのはあなたがどうしたいか。あなたが決めたならママは全力でそれを応援するね。でもなぜそう決めたか、理由は教えて。」
　成績が上がらず壁にぶつかった時、受験自体やめようかと悩んだ時、志望校を選ぶ時、合格後の入学先を決める時も、必ず娘にそう話しました。娘が真剣に考えて出した結論なら、結果がどうあれ、そこで得た経験は彼女の財産になるはずだからです。
　娘の希望から、勉強内容や方法には殆ど口出しせず彼女の選択に任せ、親は日々の健康管理やサポート、メンタルケアに徹しました。彼女は試行錯誤を繰り返し、自分なりの必勝法を見つけていきました。
　また娘は「習い事の独唱は勉強の息抜きに絶対続けたい。大会にも出たい。」と希望。驚きつつも彼女の決断ならと承諾しました。６年生の秋にも関わらず参加した日本ジュニア声楽コンクールの結果は、思いがけず全国大会優勝。その際に娘が体得した両立のための時間管理と、舞台で独り戦う度胸は、後の受験ラストスパート期や試験時に大いに活かされました。
　志望校選定時も、娘には「自分にはどんな校風が合っていると思う？ 何となくでもいいから将来どんなことを目指したい？ あなたが活き活き過ごせる学校を一緒に探そう。」と声掛けしました。一旦興味を持つととにかく調べまくる娘は、学校説明会動画やＨＰ、学校案内だけで飽き足らず、「さぴあ」やネット情報も参考に親よりも調べあげ検討した結果、自分に最も合う学校を選びました。
　親の不安も想像も超えた娘の成長に驚くと共に、自らの人生を思考・決断し、頑張る姿は、正に彼女が選んだ学校の理念「自調自考」そのもの、と大いに納得しました。この経験こそ娘が受験で得た大切な宝物。この宝物と共に今後も大きく力強く羽ばたいて欲しいと願います。