受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

最新中学入試情報

2024年度中学受験  サピックス小学部第29期生/親子で歩んだ 受験の軌跡

進学校 慶應義塾湘南藤沢中等部

中学受験で見えた息子の成長

S.Nさん お子さんの名前 Rさん

 2023年に入り、中の上クラスを行き来していた息子が真っ先に取り組んだのは算数と国語の対策でした。サピックスの先生方と相談し、算数は間違った問題の解説をじっくり理解する時間を、国語はテキストの「解法メソッド」をしっかり読む時間を設けました。幸い数ヶ月で効果が表れ、夏期講習を終える頃には両科目とも偏差値60台で安定しました。そこで、秋以降は理社中心の勉強に切り替え、正答率の高い問題への対策として基礎問題に注力し、上位クラスで受験シーズンを迎えることになりました。
 サピックスのテストで意識したのは、「テスト中に今のベストを出し切ること」と「点数の上下は気にしないこと」です。苦手な問題を発見することが大事であることを伝え、テスト中きちんと全問に向き合えたときには本人が手応えを感じるくらい誉めました。おかげで、受験前最後の学校別サピックスオープンで偏差値37の科目があっても動じることはなく、復習を必死に取り組んでいました。
 受験にあたって、親子で対等に話す機会を早い段階から持ちました。どんな学校が良いか、中学で何をしたいか、どんな大人になりたいかなど、話したトピックは枚挙にいとまがありません。意見が異なることもありましたが、お互いを尊重して真剣に耳を傾けることができ、いつも最後は息子自身で自分の意見を固めることができました。息子から「なぜこんなに勉強しなければいけないのか」といった発言を聞くことがなかったのですが、これは自分の頭の中で整理ができていたからではないかと思います。
 受験の結果は、理社抜きで受験した聖光学院とSFCからは合格をいただけた一方、4教科で受験した慶應普通部は繰り上げ合格候補者に入ったものの最終的には不合格でした。強く希望した学校への進学を決めることができたのは大きな喜びですが、普通部の不合格を悔しがっている息子を見ると、親として何かしてあげられることがあったのではと一抹の後悔が残ります。ただ、間違いなく自分に合った学校を選ぶことができたので、中学生活を思い切り楽しんでほしいです。
 中学受験を終え、息子は自ら数学の先取り学習を始めました。興味のあった連立方程式や二次関数が学べて楽しいそうです。昔ならばTVゲーム三昧だったでしょうが、今は勉強、TVゲーム、読書、1人で買い物など、自分のために計画を立てて行動するようになりました。中学受験は学力だけでなく精神的な成長ももたらしてくれたと実感しています。

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