受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

魅力再発見

(「23年12月号」より転載/24年7月公開)

魅力再発見 獨協中学校・高等学校

演劇部での経験を生かし教員の道へ
常に考えて伝えることを大切にする

つかはら のぞみさん
(公認心理師/獨協高等学校2005年卒)

 獨逸学協会学校から発展した獨協中学校・高等学校は、今年、創立140年を迎えました。日本でも有数の歴史と伝統を誇る、完全中高一貫の男子校である同校が重視しているのは、自分で考え、さまざまな活動に主体的に取り組むことです。現在、公認心理師、大学講師として活動する塚原望さんに、6年間の学校生活や、今、生かされている経験などを聞きました。

他校の演劇部顧問となって獨協演劇部と再会

 獨協中学校・高等学校での学校生活を振り返る塚原望さんは、「演劇部の活動に夢中でした。夏休みは毎日稽古でしたが、かけがえのない思い出です」と言います。高3となり、大学受験を考え、迷った末に受験を優先したときのエピソードをこう話します。「わたしは受験を優先しましたが、高3時、演劇部は都大会に出場。高3でも部活動をやめずに、舞台に立っている同期の姿を見て、『おめでとう』という思いと、少し悔しい思いが混じって、何ともいえない気持ちになりました。そのときに、教員として演劇部の顧問となって、この舞台に戻ってきたいと思いました」

 卒業後は早稲田大学に進学し、演劇のサークルに入って裏方の経験も積んだ塚原さんは、大学院を経て、私立女子中高一貫校の国語の教員、そして演劇部の顧問となりました。「都大会で母校と顔を合わせたときは感慨深かったですね」と振り返ります。このときに獨協の演劇部顧問、柳本博先生とも久しぶりに再会したそうです。

演劇も教育も考えて伝えることが大切

 「舞台に立つ演劇の役者も、教壇に立つ教員も、毎回全力で必死に取り組まないと相手に伝わりません。中途半端な向き合い方では必ず生徒に見透かされ、授業態度、学ぶ意欲に表れます」と塚原さんは語り、演劇と教育の共通点について、さらにこう続けます。

 「獨協の演劇部では、同じシーンでも日替わりで役者が自由に演じる場面がありました。稽古で慣れてくると、相手がしゃべる前に相手のほうを向いてしまったり、相手の台詞を聞き終わる前に表情を作ってしまったりということがあります。その場で毎回考えることが大切で、そうしなければ演じる人の思いが伝わりません。それは教員としての授業でも共通しています。全クラスで同じ内容の授業を行うとしても、ただ同じことを繰り返すだけではなく、クラスの雰囲気、生徒の個性に合わせて、考えながら伝えることを大切にしています」

 私立女子中高一貫校の教員として6年間勤務した後、早稲田大学教育学部の助手を経て、現在、塚原さんは複数の大学で教育心理学や教育相談などの教職科目の講義を担当しています。また、公認心理師の資格も取得したので、週1回は職業訓練校に行き、カウンセラーとして訓練生のメンタルのケアや、学習を進めていくための支援なども行っています。

 最後に、獨協の魅力を次のように話してくれました。「獨協には、やりたいことを全力でサポートしてくれる先生や仲間がたくさんいます。わたしは、文化祭では演劇部の活動を優先していたので、クラス展示の準備はまったく手伝えませんでした。それでもクラスメートは、『あいつは演劇をがんばっているから』と認めてくれて、舞台を見に来てくれました。それぞれがいろいろな方向をめざしてがんばっていますが、学校としての一体感があります。そこが獨協の良さだと思います」

塚原さんのいちばんの思い出は、国立劇場の舞台に立てたことと、それに向けた暑い夏の稽古の日々

柳本博先生(左)が、本当に熱心に指導してくれていたということを、自分が教員になって実感したと言う塚原さん

《学校のプロフィール》

獨協中学校・高等学校

所在地 〒112-0014 東京都文京区関口3-8-1

交 通 東京メトロ有楽町線「護国寺」駅より徒歩8分
「江戸川橋」駅より徒歩10分
東京メトロ副都心線「雑司が谷」駅より徒歩16分

TEL 03-3943-3651

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