受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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  • 24年11月号 [入試に出る時事問題]これだけは知っておこう! さぴあニュースバンク

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さぴあニュースバンク 2024年9月

3 火曜日 環境 環境省は、鹿児島県の奄美大島で、固有種で絶滅危惧種でもあるアマミノクロウサギなどを捕食していた特定外来生物のフイリマングースを根絶したと宣言した。 もっと詳しく参照
8 日曜日 スポーツ 8月28日からフランスのパリで開かれていた夏季パラリンピックの閉会式が行われた。海外の大会では過去最多の175人が参加した日本は金14、銀10、銅17と計41個のメダルを獲得した。
15 日曜日 文化 アメリカ・テレビ界の最優秀作品を選ぶ第76回エミー賞の授賞式がロサンゼルスで開かれ、日本の戦国時代を舞台とする、せりふの約7割が日本語の時代劇『SHOGUN 将軍』が作品賞(ドラマ部門)を受賞した。主演男優賞にはこのドラマをプロデュースして主演した俳優の真田広之さんが、主演女優賞にはアンナ・サワイ(本名・澤井杏奈)さんが、それぞれ輝いた。せりふの大半が英語ではないドラマが作品賞を受賞したのは初めて。
15 日曜日 社会 総務省の発表によると、この日現在の65歳以上の高齢者は約3625万人で、総人口に占める割合(高齢化率)は29.3%だったことがわかった。また、65歳以上の就業者数は20年連続で増加し、約914万人と過去最多だった。高齢者のほぼ4人に1人が働いていることになる。特に、65〜69歳の高齢者は52.0%が働いており、70歳まで働く社会になりつつあることが示された。
19 木曜日 スポーツ この日(日本時間20日)、メジャーリーグのナショナル・リーグ(ナ・リーグ)のロサンゼルス・ドジャースに所属する大谷翔平選手が、フロリダ州マイアミでのマイアミ・マーリンズ戦で3打席連続ホームランを放ち、2盗塁を決めた。これにより、史上初となる同一シーズン50ホームラン・50盗塁の「50-50」を達成した。ホームランと盗塁の両方で好成績を残すことは、パワーとスピードを兼ね備えた優秀な選手の証しとされる。大谷選手は結局、54ホームラン・59盗塁でレギュラーシーズンを終えた。
19 木曜日 政治 兵庫県議会はパワハラ疑惑などを内部告発され、県政を混乱させたなどとして、斎藤元彦知事に対する不信任案を全会一致で可決した。こうした場合、知事は10日以内に議会を解散しなければ自動失職する。斎藤知事は議会を解散しなかったため、30日付で自動失職したが、県政の改革を続けるために出直し選挙に出馬すると表明している。
20 金曜日 気象・災害 福岡県太宰府市で、午後0時20分ごろに気温が35.0℃に達した。これで太宰府市の猛暑日は今年62日目となり、これまで最多だった2023年の群馬県桐生市の46日という記録を大幅に更新した。特に、7月19日から8月27日までは猛暑日が40日も連続した。
21 土曜日 気象・災害 気象庁は石川県の能登半島北部で線状降水帯が発生したとして、この日の午前10時50分に輪島市、珠洲市、能登町に大雨特別警報を発表した。記録的な大雨により、河川の氾濫や土砂崩れで100以上の集落が孤立し、死者は10人以上に上った。この3市町は今年の元日に発生した「令和6年能登半島地震」の被災地であり、地震による被害に追い打ちをかけるような事態になった。
23 月曜日 政治 野党の立憲民主党は臨時党大会を開いて代表選挙の投票・開票を行った。第1回投票で1位になった野田佳彦元首相と、2位になった枝野幸男前代表との決選投票の結果、野田氏が勝利して新代表に選ばれた。
26 木曜日 社会 1966年に静岡県で一家4人が殺害され、金銭が奪われた事件の犯人だとして死刑が確定した袴田巖さんの再審(やり直し裁判)で、静岡地方裁判所は捜査機関による3件の証拠捏造(実際にはありもしないことを事実であるかのように作り上げること)があったと認め、無罪判決を言い渡した。確定死刑囚の再審無罪は35年ぶりで、戦後5例目。検察側が控訴(判決に不服があるとして、上級裁判所にさらなる審理を求めること)しなければ、事件から58年を経て袴田さんの無罪が確定する。
27 金曜日 政治 自由民主党(自民党)のトップである「総裁」を決める選挙の投票・開票が行われ、石破茂氏が第28代の総裁に選出された。 もっと詳しく参照

奄美大島で特定外来生物の駆除に成功フイリマングースの根絶を宣言

 環境省は9月3日、鹿児島県の奄美大島で特定外来生物のフイリマングースを根絶したと宣言しました。

 フイリマングースは、本来はインドなどに生息している動物です。それが当時すでに持ち込まれていた沖縄島から、奄美大島に続いて持ち込まれたのは1979年のことです。奄美大島では毒ヘビのハブにかまれる人が後を絶たなかったため、その天敵と考えられていたフイリマングースを放してハブを退治しようとしたのです。

 しかし、昼行性のフイリマングースが夜行性のハブを捕食することはほとんどありませんでした。ハブ対策としての効果はなかったのです。それどころか、1983年ごろから農畜産物への被害が出始めました。国の特別天然記念物で絶滅危惧種でもあるアマミノクロウサギなどの固有種が捕食されて、生息数が激減したこともわかりました。アマミノクロウサギの生息数は、2001〜2002年ごろにはかつての2割程度まで減っていたといわれています。

 そこで、国はこのままでは生態系に深刻な被害をもたらすとして、2000年から本格的な駆除に乗り出し、2018年4月までに約3万2000匹を捕獲しました。それ以降は捕獲数ゼロの状態が続き、島内に設置されたセンサーカメラで存在が確認されることもありませんでした。こうしてフイリマングースの根絶宣言が出される日を迎えたのです。

 奄美大島の面積は東京23区よりやや広い約712㎢です。これほど広いエリアで、いったん定着した外来種の根絶に成功した事例は世界的にもまれです。2021年には「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」が世界自然遺産に登録されましたが、奄美大島で外来種の駆除が進み、固有種への脅威が減少したと評価されたことも登録の決め手の一つとなりました。

 なお、フイリマングースは沖縄島でも生態系に悪い影響を与えています。環境省では沖縄島での駆除も引き続き進めていくことにしています。

自由民主党で総裁選挙石破茂氏が新総裁に

今回の自民党総裁選挙の結果(1回目投票の3位以下は割愛)
1回目投票決選投票
国会議員党員・党友国会議員都道府県
石破茂4610815418926215
高市早苗7210918117321194
※国会議員は棄権1※国会議員は棄権1、無効・白票5

 9月27日、自由民主党(自民党)のトップである「総裁」を決める選挙の投票・開票が行われ、石破茂氏が第28代の総裁に選出されました。

 自民党は今年、議員の集団である複数の派閥が開いたパーティーで集められた資金の一部が、いわゆる「裏金」になっていたという問題が大きく報道され、支持率が低下しました。総裁の任期は3年で、2021年9月に総裁になった岸田文雄氏の任期は今年9月で切れるため、選挙はもともと予定されていましたが、岸田氏は8月14日、今回の総裁選挙に立候補しないことを表明。告示日の9月12日には、現行の総裁選挙の仕組みになってからは過去最多の9人が立候補を届け出ました。

 この総裁選挙では自民党の国会議員と、全国の党員・党友が投票権を持っており、国会議員と党員・党友による1回目の投票で過半数を獲得した候補者がいれば、その候補者が当選となります。しかし、今回は誰も過半数を獲得できませんでした。その場合は1位と2位の候補者による決選投票が行われることになっていました。ここで投票するのは党所属の国会議員と、47都道府県の代表のみですが、3位以下の候補者に投票した議員の票の行方によっては1位と2位が入れ替わることもあり得ます。今回、1回目の投票で1位になったのは高市早苗氏で、2位は石破氏でした。この2人による決選投票の結果、215票を獲得した石破氏が194票の高市氏を破って当選したのです。

 石破氏は1957年2月、東京都千代田区生まれの67歳。父は鳥取県知事や参議院議員を務めていたため、その後を継いで政治家(衆議院議員)になった茂氏も選挙区は鳥取県です。初当選したのは1986年で、自民党総裁選挙には過去に4回出馬していずれも敗れていましたが、今回ついに宿願を果たしました。

 ところで、日本の政治の仕組みは議院内閣制です。通常であれば、衆議院で過半数の議席を得て政権を担っている政党のトップが内閣総理大臣(首相)に就任します。現在は自民党が衆議院で過半数の議席を占めているため、自民党総裁が首相になるわけです。石破新総裁は10月1日に召集された臨時国会での首相指名選挙を経て、第102代、65人目の首相に就任しました。

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