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日本のメダル数は海外開催の大会では過去最多パリオリンピックが開催
パリでの夏季オリンピックは3回目
7月26日(日本時間27日)から8月11日(日本時間12日)まで、フランスの首都パリで第33回夏季オリンピックが開催されました。パリで夏季オリンピックが開催されたのは1900年、1924年に続いて3回目です。また、夏季オリンピックが3回開催されたのは、イギリスの首都ロンドン(1908年、1948年、2012年)に次いで2か所目です。アメリカ・ロサンゼルスも2028年に予定どおり開催されれば、1932年、1984年に続いて3回目を数えることになります。
今大会に参加した国・地域は204で、さらにシリア、イラン、アフガニスタンなどの中東諸国や、アフリカ諸国出身の選手から構成される難民選手団と、個人参加の選手を合わせて約1万500人が、32競技329種目で競い合いました。個人参加とは、ウクライナ侵攻によって国としての参加が認められなかったロシアと、そのロシアに協力しているとされたベラルーシから、「中立な立場の個人資格」で参加した選手のことです。この選手らは開会式での入場、国旗の掲揚、国歌の演奏は許されませんでした。
今回は男女の選手がほぼ同数になったことでも注目されました。女子選手が参加できるようになったのは1900年の第2回からですが、競技はテニスとゴルフのみで、選手全体に占める割合も約2%に過ぎなかったので、まさに隔世の感があります。
ところで、2021年の東京オリンピックからは、開催都市は追加競技を提案できるようになりました。パリオリンピックではスポーツクライミング、サーフィン、スケートボード、ブレイキンが提案され、すべて採用されました。このうちサーフィンはパリから見て地球の反対側に当たる、フランス領ポリネシアの中心となっているタヒチ島で行われたことでも話題を呼びました。
日本の獲得メダル数は45個
パリといえば、世界的な観光都市でもあります。そこで、今回は初の試みとして、開会式での入場行進をスタジアムでは行わず、それぞれの選手団が船に乗ってパリ市内を流れるセーヌ川を6kmほど下るという形をとりました。選手らはエッフェル塔対岸のトロカデロ広場に上陸し、そこで大会組織委員長らのあいさつを聞きました。
毎回注目されるメダル獲得数を見ると、総数では126個のアメリカ、91個の中華人民共和国(中国)、65個のイギリスがベスト3ですが、金メダルではアメリカと中国が40個ずつの同数で、20個の日本が3位に食い込みました。日本はほかに銀12、銅13と計45個のメダルを獲得。総数、金メダル数とも、海外で開かれたオリンピックでは過去最多でした。フェンシング男子エペ個人で優勝した加納虹輝選手は、この競技の日本選手としては初めての金メダル獲得でした。また、北口榛花選手は陸上女子やり投げで優勝しましたが、陸上のマラソン以外の種目で日本の女子が金メダルを獲得したのは初めてです。
一方、暗い話題もありました。たとえば、競技でのプレーや判定などをめぐって、選手や審判に対してフェイスブックやXなどのSNS上で誹謗中傷が多く見られたこともその一つ。SNSでの情報発信のあり方について課題を残しました。
10年後までの開催地が決定
パリオリンピックの開幕に先立ち、国際オリンピック委員会(IOC)は7月24日にパリで総会を開きました。主な議題は今後の冬季オリンピックの開催地で、2030年はフランスのアルプス地方、2034年はアメリカのソルトレークシティーと決定しました。
2026年の冬季オリンピックはイタリアのミラノとコルティナダンペッツォで、2032年の夏季オリンピックはオーストラリアのブリスベンで開催されることがすでに決まっています。2028年の夏季オリンピックの開催地は先述したようにアメリカのロサンゼルスです。
なお、障害者スポーツの世界的な大会であるパラリンピックは、オリンピック終了後に必ず同じ都市で開かれることになっています。パリ夏季パラリンピックは8月28日(日本時間29日)に開幕しました。
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