受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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  • 24年9月号 [入試に出る時事問題]これだけは知っておこう! さぴあニュースバンク

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さぴあニュースバンク 2024年7月

1 月曜日 科学 日本の新型ロケット「H3」3号機が、鹿児島県にある種子島宇宙センターから打ち上げられ、地球観測衛星「だいち4号」を計画通り軌道に投入した。「H3」は今年2月に2号機の打ち上げに成功していたが、試験機という位置づけで、3号機は実運用機として初の打ち上げだった。
1 月曜日 環境 環境省は、岐阜県以西に生息する日本の固有種で、国の特別天然記念物のオオサンショウウオを除いた外来種のオオサンショウウオ(そのほとんどは中国原産のチュウゴクオオサンショウウオ)とその交雑個体を、飼育や野外への放出などを禁止する特定外来生物に指定した。また、日本ではまだ確認されていないが、アフリカ大陸に広く分布するアフリカヒキガエルも同様に特定外来生物に指定した。どちらも生態系に悪影響を及ぼしかねないため。
3 水曜日 経済 20年ぶりにデザインを一新した紙幣(1万円札、5000円札、1000円札)の発行がこの日から始まった。 もっと詳しく参照
4 木曜日 国際 イギリスで総選挙(下院議員選挙)の投票・開票が行われた。リシ・スナク首相の率いる与党・保守党は大敗し、最大野党・労働党が単独で過半数の議席を獲得した。これにより、労働党のキア・スターマー党首が翌5日、首相に就任し、14年ぶりに政権が交代した。
7 日曜日 政治 東京都知事選挙の投票・開票が行われ、現職の小池百合子氏が、広島県安芸高田市の前市長・石丸伸二氏、立憲民主党を離党して立候補した前参議院議員・蓮舫氏らを破り、3度目の当選を果たした。過去最多の56人が立候補したため、選挙ポスターを貼る掲示板のスペースが足りなくなるなどの混乱があった。
11 木曜日 国際 国連はこの日、『世界人口推計2024年版:結果の概要』を発表した。それによると、世界の人口は2024年の約82億人からまだ増え続けるものの、2080年代半ばの約103億人をピークに、以後は減少する見込みだとされている。
18 木曜日 国際 15日からアメリカ中西部のウィスコンシン州ミルウォーキーで開かれていた共和党全国大会の最終日のこの日、今年の大統領選挙の候補者に指名されたドナルド・トランプ前大統領が指名受諾演説を行った。トランプ氏は13日、北東部ペンシルベニア州バトラーで開かれた屋外での集会で演説をしているときに銃撃され、右耳を負傷していたが、支持者らを前に健在ぶりを示した。なお、副大統領候補に選ばれたのはJ・D・バンス上院議員だった。
19 金曜日 社会 今年1月から6月までの上半期に日本を訪れた外国人は累計1777万7200人で、過去最多だった2019年上半期を上回ったことが日本政府観光局の発表でわかった。また、訪日客が上半期に日本で使ったお金は約3兆9000億円で、これも上半期としては過去最多だった。
21 日曜日 国際 アメリカの民主党のジョー・バイデン大統領は今年の大統領選挙への立候補を取りやめるとSNSで発表した。バイデン大統領は6月27日に行われた、共和党の大統領候補トランプ氏とのテレビ討論会で言い間違いが目立つなど精彩を欠き、81歳という高齢を不安視する声が強まっていた。バイデン大統領は自分に代わる大統領候補としてカマラ・ハリス副大統領を推薦した。
24 水曜日 スポーツ 国際オリンピック委員会(IOC)はフランスの首都パリで総会を開き、冬季オリンピックの開催地を、2030年はフランスのアルプス地域、2034年はアメリカ西部ユタ州のソルトレークシティーと決定した。
25 木曜日 気象・災害 梅雨前線に向かって流れ込む湿った空気の影響で、山形県と秋田県では線状降水帯が形成され、記録的な大雨となった。気象庁ではこの日から翌26日の明け方にかけて、最大級の警戒を求める「大雨特別警報」を山形県北部の酒田市などに断続的に出した。
26 金曜日 スポーツ パリで第33回夏季オリンピックの開会式が行われた。
27 土曜日 文化 7月21日からインドの首都ニューデリーで開かれていた世界遺産委員会は、日本が推薦していた「佐渡島(さど)の金山」(新潟県佐渡市)を文化遺産として登録することを決定した。 もっと詳しく参照

1万円札、5000円札、1000円札を一新20年ぶりに新紙幣を発行

 7月3日、20年ぶりにデザインを一新した紙幣(1万円札、5000円札、1000円札)の発行が始まりました。ただし、2000〜2003年度につくられた2000円札は従来のままです。

 1万円札は慶應義塾の創設者・福沢諭吉から渋沢栄一(1840〜1931年)に代わりました。渋沢は第一国立銀行(現在のみずほ銀行)など約500社の設立にかかわり、「日本資本主義の父」と呼ばれています。作家の樋口一葉から津田梅子(1864〜1929年)に交代したのが5000円札です。満6歳でアメリカに渡り、日本初の女子留学生の一人となった津田は、1900年に女子英学塾(現在の津田塾大学)を創設しました。1000円札は黄熱病の研究で知られる医師・細菌学者の野口英世に代わって北里柴三郎(1853〜1931年)が選ばれました。北里はドイツに留学し、感染症の研究をした医学者です。破傷風やジフテリアについて、血清療法という新しい治療法を確立したり、ペスト菌を発見したりして、「近代日本医学の父」と呼ばれています。

 それぞれのお札の裏面も変わりました。1万円札には東京駅の丸の内駅舎が、5000円札には藤の花が、1000円札には浮世絵師・葛飾北斎の「富嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏」が、それぞれ描かれました。

 お札のデザインを定期的に変更する最大の理由は偽造を防ぐためです。前回のデザイン変更から約20年。最新の防止技術を取り入れるべき時期になったのです。今回は世界で初めて「3Dホログラム」を採用しました。お札を傾けると肖像が動いているように見えます。また、肖像や金額の数字はインキが盛り上がるように印刷されており、紫外線を当てると発光する部分もあります。

 今回はさらに、すべての人が使いやすい「ユニバーサルデザイン」を強化しました。目の不自由な人が指で触って紙幣の種類を識別できるマークは、旧紙幣にもありましたが、新紙幣では種類ごとにマークの位置を変えたため、より識別しやすくなりました。

文化遺産としては21件目「佐渡島(さど)の金山」が世界遺産に

佐渡島(さど)の金山

 7月21日からインドの首都ニューデリーで開かれていた世界遺産委員会は7月27日、日本が推薦していた「佐渡島(さど)の金山」(新潟県佐渡市)を文化遺産に登録することを決定しました。これで日本の世界遺産は26件(文化遺産21件、自然遺産5件)になりました。

 世界遺産とは国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界遺産条約」に基づき、「顕著な普遍的価値」があるとして登録・保護されている文化遺産(歴史的な建造物や遺跡など)や自然遺産(貴重な自然や生態系が残されている場所など)のこと。両者の特徴を持つ「複合遺産」は、日本にはまだありません。

 また、文化遺産のうち、鉱工業などの発展の歴史がわかるものを特に「産業遺産」といいます。「佐渡島の金山」は典型的な産業遺産といえます。

 「佐渡島の金山」の構成資産は「相川鶴子金銀山」と「西三川砂金山」です。採掘の全盛期の17世紀前半(江戸時代初め)には年間約400kg、世界の約1割もの金を産出しており、幕府の重要な収入源となっていました。江戸時代中期以降に産出量が減少すると、坑道は長く深く掘り進められていき、坑道にたまった地下水を外部に排出するのに多くの人手が必要になりました。そのため、江戸の無宿人などが送り込まれ、過酷な労働を強いられました。

 世界文化遺産に推薦された遺産は、ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)が現地調査を行います。その結果に基づき、イコモスは世界遺産委員会に「登録」「情報照会」「登録延期」「不登録」のいずれかを勧告することになっています。今回、イコモスは6月初め、「佐渡島の金山」に「登録」ではなく、追加情報を求める「情報照会」という勧告を出しました。そして、明治時代以降も含む、採掘が行われていた全期間の歴史を展示・説明するよう求めました。これは大韓民国(韓国)政府が「現地の展示を見ても、太平洋戦争中は朝鮮半島出身者も働いていたことがわからない」と不満を表明していたためと思われます。このことについて、日本政府は改善を約束し、韓国政府もある程度納得したため、無事に登録されました。

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