受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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  • 24年8月号 [入試に出る時事問題]これだけは知っておこう! さぴあニュースバンク

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さぴあニュースバンク 2024年6月

4 火曜日 国際 国土が広大なため、4月19日から6月1日まで7回に分けて投票が実施されたインドの総選挙(下院議員選挙)の開票が、この日一斉に行われた。インド人民党を中心とする与党連合が過半数の議席を維持する結果となり、ナレンドラ・モディ首相の政権は3期目に入ることになった。インドの総選挙は有権者数が約9億7000万人に上るため、「世界最大の選挙」といわれている。
5 水曜日 社会 厚生労働省は2023年の人口動態統計を発表した。それによると、国内で生まれた日本人の子どもの数(出生数)は約72万7300人と、過去最少を更新したことがわかった。また、2023年の合計特殊出生率(1人の女性が一生涯に産むと見込まれる子どもの数)は1.20で、8年連続で低下して過去最低を更新した。 もっと詳しく参照
5 水曜日 政治 「改正子ども・子育て支援法」が参議院本会議で可決され、成立した。これは少子化対策を盛り込んだ法律で、その柱は子どもがいる家庭に配る児童手当を拡充したこと。所得制限をなくし、支給する期間を中学生までから高校生までに延長した。 もっと詳しく参照
8 土曜日 スポーツ 日本中学校体育連盟(中体連)は、中学生のスポーツの全国大会である全国中学校体育大会(全中)の規模を2027年度から縮小すると発表した。夏季と冬季の計19競技のうち、2022年度に部活動の設置率が男女とも20%を切っていた水泳、ハンドボール、体操、新体操、ソフトボール(男子)、相撲、スキー、スケート、アイスホッケーの9競技の実施を取りやめるとしている(ただし、スキーは開催地との契約の関係で2029年度まで継続)。
10 月曜日 社会 2023年に改正された「出入国管理及び難民認定法(入管難民法)」が施行された。従来、日本政府に難民として認めてほしいと申請中の外国人は、その結果が出るまでは母国に強制送還はしないというルールがあったが、申請を何度も繰り返す外国人は、3回目以降は「相当の理由」を示さない限り、申請中でも強制送還ができるようになった。
13 木曜日 国際 この日から15日まで、イタリア南部のプーリア州で主要7か国首脳会議(G7サミット)が開催された。 もっと詳しく参照
13 木曜日 国際 紛争や迫害などにより、住む場所を追われて国内外への避難を強いられた人は、2023年末時点で過去最多の約1億1730万人になったと国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が発表した。
14 金曜日 社会 制度の目的と実態がかけ離れている外国人技能実習制度を見直して、特定の分野での技能を持った外国人労働者を養成するための「育成就労制度」を創設するという内容の「改正入管難民法」が、参議院本会議で可決され、成立した。
20 木曜日 文化 将棋の第9期叡王戦五番勝負の第5局で、藤井聡太八冠は挑戦者の伊藤匠七段に敗れ、対戦成績が2勝3敗となって七冠に後退した。藤井七冠は2023年10月11日に王座を獲得したことにより、竜王・名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖と合わせて史上初の八冠となっていたが、八冠独占は254日でストップした。
21 金曜日 社会 農林水産省・環境省・消費者庁は、2022年度の「食品ロス」(本来なら食べられるはずだったのに捨てられた食品)は推計472万トンだったと発表した。その内訳はコンビニや飲食店などの事業者が236万トン、家庭が236万トンとほぼ半々。政府は食品ロスを2030年度までに2000年度(980万トン)の半分にすることを目標としていたが、その目標を8年も前倒しで達成したことになる。それでも日本のわたしたち一人ひとりが、毎日100g強のおにぎりを1個ずつ捨てている計算になる。
25 火曜日 環境 北海道の「日高山脈襟裳十勝国立公園」が35番目の国立公園に指定された。その陸域の面積は24万5668haで、これまで最大だった大雪山国立公園の22万6764haを上回る。
25 火曜日 科学 中華人民共和国(中国)の無人探査機「嫦娥6号」が、月の裏側の土を人類史上初めて採取して地球に帰還した。月は常に同じ面を地球に向けているため、地球からは見えない裏側を探査するのは難度が高い。これにより、月の歴史の解明が進むことなどが期待されている。

2023年の出生数は約72万7300人合計特殊出生率が過去最低の1.20に

出生数、死亡数、合計特殊出生率の推移

 厚生労働省は6月5日、2023年の人口動態統計を発表しました。それによると、国内で生まれた日本人の子どもの数(出生数)は約72万7300人で、初めて80万人を割った前年の約77万800人をさらに下回りました。統計がある1899年以降では最少です。一方、2023年の1年間に国内で死亡した日本人は約157万5900人で、戦後最多です。このため、出生数と死亡数の差である「自然増減数」は約84万8700人のマイナスで、過去最大の減少となりました。

 また、2023年の合計特殊出生率(1人の女性が一生涯に産むと見込まれる子どもの数)は1.20で、2005年と並んで過去最低の1.26だった前年を0.06ポイント下回りました。出生数の減少と、合計特殊出生率の低下はともに8年連続です。

 出生数と合計特殊出生率が過去最少・最低となった要因について、厚生労働省では「経済的な不安定さ、仕事と子育ての両立の難しさなど、個々人の結婚、出産、子育ての希望の実現をはばむ、さまざまな要因が複雑に絡み合っている」とみています。

 日本の場合、出生数の減少に直結するのが、結婚する夫婦の数(婚姻数)の減少です。婚姻数は、1970年代前半には年間100万組を超えていたのですが、2023年は戦後初めて50万組を割り、約47万4700組になりました。このため、2024年の出生数は2023年をさらに下回ることが確実です。

 このように、出生数の減少に歯止めがかからない状態となっています。次の世代を担う人が極端に少なくなることは、国の存続にもかかわる問題です。そこで、6月5日には、児童手当の拡充などの少子化対策を盛り込んだ「改正子ども・子育て支援法」が参議院本会議で可決され、成立しましたが、どの程度効果があるかは不透明です。

AIの討議にはローマ教皇も参加イタリアでG7サミットが開催

 6月13日から15日まで、イタリア南部のプーリア州で主要7か国首脳会議(G7サミット)が開催されました。

 サミットとは「山の頂上」という意味の英語です。また、G7とはGroup of Sevenの略で、日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの主要7か国を指します。これらの国々の首脳(首相や大統領)が1年に1度集まり、世界の政治問題や経済問題などについて話し合う会議がG7サミットなのです。この7か国に加え、ヨーロッパ連合(EU)からもヨーロッパ理事会常任議長(大統領)とヨーロッパ委員会委員長が参加します。

 14日に採択された首脳声明では、まずロシアによる侵攻が続くウクライナに対して、ロシアの凍結資産を運用して得た利益を活用し、年内に約500億ドル(約8兆円)の資金支援を実施するとしました。欧米諸国はロシアに対する経済制裁の一環として、ロシア政府や政権幹部が自国などの銀行に預けたお金を引き出せないようにしていますが、これが凍結資産です。また、そのロシアを軍事的に支援する朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)については「最も強いことばで非難」と明記されました。同国からロシアに輸出されたとみられる弾道ミサイルがウクライナの戦場で発見されているからです。

 ロシアを非難せず、結果的に戦争の継続を可能にさせている中華人民共和国(中国)にも懸念を示しました。特に、国が巨額の補助金を出して電気自動車を過剰に生産し、世界の自動車市場を混乱させつつあることや、南シナ海の軍事拠点化を進めていることを問題視しました。

 なお、今回はカトリック教会のトップであるローマ教皇(フランシスコ教皇)が史上初めてG7サミットの一部の会合に参加したことも話題になりました。参加したのは人工知能(AI)などに関する討議で、フランシスコ教皇は特にAIの軍事利用に強い懸念を示し、AIが人間の関与なしに目標を決定して攻撃する「自律型致死兵器システム(LAWS)」の禁止を訴えました。

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