受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

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  • 24年7月号 [入試に出る時事問題]これだけは知っておこう! さぴあニュースバンク

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さぴあニュースバンク 2024年5月

2 木曜日 経済 この日の外国為替市場で、為替相場が1ドル=157円台から円高に振れ、153円00銭まで戻した。同様の動きは一時160円台になった後、154円台まで戻した4月29日にもあった。両日とも行き過ぎた円安を是正するため、日本政府と日本銀行による「覆面介入」が実施されたとみられる。 もっと詳しく参照
4 土曜日 社会 4月1日時点での15歳未満の子どもの数は前年より約33万人少ない約1401万人で、43年連続で減少したと総務省が発表した。総人口に占める子どもの割合は11.3%で、50年連続で低下した。いずれも比較可能な統計が残る1950年以降で最少・最低を更新した。
8 水曜日 社会 鉄道建設・運輸施設整備支援機構は北海道新幹線の新函館北斗―札幌間の延伸について、当初予定していた2030年度末(2031年春)に開業することは困難になったと発表した。 もっと詳しく参照
9 木曜日 経済 厚生労働省が発表した3月の毎月勤労統計調査(速報)によると、従業員1人当たりの物価の変動を考慮した「実質賃金」は前年同月から2.5%減少したことがわかった。マイナスは24か月連続で、「リーマン・ショック」と呼ばれる金融危機により世界的な不況に陥った2007年9月〜2009年7月の23か月連続を超えて過去最長を更新した。一方、1人当たりの現金給与総額(額面上の賃金)は27か月連続でプラスだったことから、賃上げが物価上昇に追いついていないことが明らかになったといえる。
11 土曜日 科学 太陽表面での大規模な爆発現象「太陽フレア」が発生したのを受け、ふだんは北極や南極に近い高緯度の地域でしか見られないオーロラが世界各地の低緯度の地域でも観測された。日本では北海道や本州の一部で見ることができた。
16 木曜日 社会 リニア中央新幹線のトンネル掘削工事が地下で進む岐阜県瑞浪市大湫町で、井戸やため池などの水位が相次いで低下している問題を受け、JR東海はこの工事を一時中断し、地中の状況を調べるボーリング調査を行うことを決めたと発表した。 もっと詳しく参照
21 火曜日 国際 世界で初めて人工知能(AI)を包括的に規制するヨーロッパ連合(EU)の「AI規制法」が、加盟国の閣僚らで構成されるEU理事会で承認され、成立した。同法の目的は民主主義や人権、法の支配を守りながら、信頼できるAIを普及させること。これにより、人権侵害につながる恐れのあるAIの使い方が禁止されるほか、生成AIによる文章や画像はその旨を明示することが求められる。AIについては日本をはじめ多くの国がルール作りを模索しているだけに、同法は今後、「世界標準」になる可能性があるとみられている。
24 金曜日 政治 改正育児・介護休業法が参議院本会議で可決され、成立した。男女ともに仕事と育児・介護を両立できるようにするため、子どもの年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置を拡充したことなどがポイントとなっている。たとえば、3歳以上で小学校入学前の子どもを持つ親に対しては、始業時刻等の変更、テレワーク、短時間勤務、時間単位での休暇取得などのなかから、二つ以上の制度を設けることが企業に義務づけられた。
26 日曜日 政治 静岡県知事選挙の投票・開票が行われ、前浜松市長の鈴木康友氏が元副知事らを破り、初当選した。これまで未着工だったリニア中央新幹線の静岡工区の動向が注目される。 もっと詳しく参照
27 月曜日 気象・災害 気象庁はこの日の午前11時ごろ、非常に激しい雨が同じ場所で降り続く線状降水帯が宮崎・鹿児島(奄美地方を含む)の両県で、この日の夜から28日の日中にかけて発生する可能性があると発表した。従来、気象庁は線状降水帯の予測を全国11のブロック単位で出していたが、28日からは都道府県単位で出す予定だった。しかし、実際に線状降水帯が発生する可能性が高まったため、その予定を1日早めた。
27 月曜日 国際 岸田文雄首相、中華人民共和国(中国)の李強首相、大韓民国(韓国)の尹錫悦大統領は、韓国の首都ソウルで日中韓首脳会談(サミット)を開き、人的交流や気候変動などの分野で協力を推進するなどとした共同宣言を採択した。このサミットの開催は2019年12月に中国の成都で開かれて以来、約4年半ぶりだったが、今後は定期的に開催することも確認した。自由貿易協定(FTA)の交渉を加速させることでも合意したが、中国は日本産水産物の輸入再開には応じなかった。

政府・日銀が外国為替市場で「覆面介入」か1ドル=150〜160円の円安に

円安の主なメリットとデメリット

 4月29日、外国為替市場では一時、1ドル=160円台を記録しました。これは1990年4月以来、34年ぶりの水準の円安でしたが、夕方には円高に振れ、1ドル=154円台まで戻しました。こうした動きは5月2日にもあり、1ドル=157円台だったのが、1ドル=153円00銭まで戻しました。

 これは日本政府と日本銀行(日銀)による「覆面介入」の影響ではないかとみられています。この場合の介入とは、政府と日銀が外国為替市場で通貨を大量に売買し、行き過ぎた円安や円高を修正しようとすることです。今回は政府・日銀が介入しているとわからないように実行したので「覆面介入」というのです。

 外国為替市場とは日本の円やアメリカのドル、ヨーロッパ連合(EU)のユーロなど、異なる通貨を交換=売買する場のこと。たとえば、日本の街の中にある普通のお店で使えるのは円です。そこで、ドルを持って日本を訪ねた人は、手持ちのお金の一部を円に替えることが必要になります。ただし、各通貨の価値は固定されているわけではなく、その時々の経済状況などを反映して、高くなったり安くなったりします。円の価値が外国の通貨、特にドルに対して高くなることを円高といい、安くなることを円安といいます。

 円安になれば円の価値が低くなるため、外国から食料やエネルギー資源を輸入するには不利になります。このため、最近では食品や電気料金の値上げが続いています。

 一方、ドルをはじめとする外国の通貨の価値は円に対して高くなるため、外国人にとっては比較的安い費用で日本を旅行できるようになっています。2024年3月と4月には2か月連続で、訪日外国人旅行者数が300万人を超えました。これにより、外国人向けのお店は大いに繁盛して経済効果が上がっていますが、京都などの観光地では交通機関が混雑する、大量のごみが捨てられるなどの「観光公害」が発生していることも事実です。観光客が多すぎることにより起こる、こうした問題を「オーバーツーリズム」といいます。

静岡県知事選挙の結果の影響は?リニア中央新幹線の行方

 5月26日、静岡県知事選挙の投票・開票が行われ、前浜松市長の鈴木康友氏が元副知事らを破り、初当選しました。今回の県知事選挙は、川勝平太前知事が4月に口にした職業差別と受け取られかねない発言をきっかけに、任期途中で辞職したことに伴うものです。

 この結果により、クローズアップされたのがリニア中央新幹線をめぐる問題です。現在、リニア中央新幹線は品川―名古屋間をまず開業させることをめざして工事が進められています(最終的には新大阪まで延伸の予定)。ほぼ直線に近いルートで、山梨県から南アルプス(赤石山脈)をトンネルで抜けて長野県に入りますが、その途中で静岡県をかすめています。そこは大井川の源流に当たります。これについて、川勝前知事はトンネルを掘ると大井川の水資源が減る恐れがあるとして、静岡工区の着工を認めませんでした。ほかにも工事の遅れている区間があるため、JR東海は今年3月、品川―名古屋間の2027年開業を断念すると発表。開業は2034年以降にずれ込む見通しとなった矢先の知事選挙だったのです。

 当選した鈴木氏はリニアの工事に反対してはいません。前述した水と自然環境の問題を解決したうえでというのが前提ですが、静岡工区の工事を推進すると明言していました。そのため、今後は着工に向けてのJR東海や国との議論が加速するものとみられています。

 ただし、この選挙期間中にはリニアのトンネル掘削工事が地下で進んでいる、岐阜県瑞浪市大湫町の井戸やため池などで水位の低下が相次いでいることがわかりました。JR東海ではトンネル内に水が染み出していることが原因とみて、その工事を一時中断して、地中の状況を調べるボーリング調査を行うことを決めました。

 現在、工事が行われているもう一つの新幹線は、北海道新幹線の新函館北斗―札幌間です。こちらでも動きがあり、鉄道建設・運輸施設整備支援機構は8日、当初予定していた2030年度末(2031年春)の札幌延伸が困難になったと発表しました。掘り進めていた羊蹄トンネルの現場で、巨大な岩の塊にぶつかって工事が一時止まっていたことなどが原因で、開業は数年程度延期される見通しです。

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