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建設業・運転手・医師の時間外労働の上限規制が始まる
4月1日、建設業・運転手・医師についても時間外労働(残業)の上限規制が始まりました。これは、2019年4月1日から順次施行された「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(働き方改革関連法)」によるものです。働き方改革は長時間労働をなくし、働く人が仕事だけでなく私生活も充実させられるようにするのが目的で、法律では、時間外労働は原則として月45時間、年360時間までとされました。ただし、特別な事情があれば、年720時間まで認められることもあります。ところが、建設業・運転手・医師については人手不足が特に深刻なため、厳しくなった規制をすぐに守ることは難しいと考えられ、上限規制の適用を5年間猶予されていたのです。
それが4月からは、トラックなどの運転手の時間外労働の上限が、特別な事情がある場合でも年960時間までとされました。これにより、運送会社が法律を守って従来通りの仕事をするには、より多くの運転手を雇わなければならなくなりました。人手不足でそれが困難であれば、取り扱う荷物の量を減らさざるを得ません。そのため、配送の遅れなどが懸念されます。これがいわゆる「物流2024年問題」です。
こうしたことから、本来なら「人」を乗せる鉄道やバスに、「物」も載せる「貨客混載」という取り組みが盛んになりました。輸送区間の中間地点で荷物を積み替える「中継輸送」や、鉄道や船による輸送に切り替える「モーダルシフト」も推奨されています。宅配便では荷物を家の玄関先に置く「置き配」も行われるようになりました。
「人」を乗せるバスやタクシーの運転手も、その上限はトラック運転手と同じです。運転手が確保できないため、バス会社でも減便や路線廃止などの動きが出ており、通学や買い物などに支障をきたす人も現れています。
医師の時間外労働の上限も、原則として年960時間とされました。しかし、人の命にかかわる仕事であるだけに、地域医療が担えなくなるなど、やむを得ない事情がある場合に限り、年1860時間を上限とする特例が設けられました。
建設業では災害からの復旧・復興事業に当たる場合を除いて、上限はほかの業界と同様、原則として月45時間、年360時間とされました。
国家元首に準じる「国賓待遇」で岸田文雄首相がアメリカを訪問
岸田文雄首相は4月8日から14日まで、「国賓待遇」でアメリカを訪問しました。日本の首相が国賓待遇で訪米するのは、2015年4〜5月の安倍晋三元首相以来9年ぶりです。国賓とは、国のお客さまとして最上級の格式で迎えられる、外国の元首やそれに準じる人のこと。アメリカではホワイトハウスでの歓迎式典や公式晩餐会などが行われ、厚遇を受けることになります。日本の場合、対外的には天皇陛下が元首と見なされて「国賓」となるため、岸田首相はほぼ同じ待遇であっても、国賓そのものではないという意味で「国賓待遇」と呼ばれました。
岸田首相はまず10日午前(現地時間)、首都ワシントンD.C.のホワイトハウスでジョー・バイデン大統領との首脳会談に臨みました。会談前の歓迎式典で、バイデン大統領が「日米同盟は世界の平和、安全、繁栄の礎だ」と述べると、岸田首相は「日本はグローバルなパートナーとしてアメリカの友人と手を携え、インド太平洋地域と世界の課題解決の先頭に立つ」と応えました。そして、会談後には「未来のためのグローバル・パートナー」と題する日米首脳共同声明を発表しました。日米がお互いに相手をそう位置づけたということです。
また、アメリカ航空宇宙局(NASA)の主導で有人での月面着陸をめざしているアルテミス計画では、日本人宇宙飛行士2人を月に送ることで合意。2028年にも1人目が月に向かう見通しとなりました。
翌11日午前、岸田首相はアメリカ議会上下両院合同会議で、英語で演説し、アメリカがウクライナ支援を続けることの重要性などを訴えました。日本の首相がこの会議で演説するのは前述した安倍元首相以来、9年ぶり2人目です。
同日午後にはさらに、バイデン大統領、フィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領と日米比首脳会談を行いました。南シナ海への進出を強める中華人民共和国(中国)に懸念を示し、3か国が安全保障面でも協力関係を深めることで合意しました。
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