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東南アジアの地域大国インドネシアで大統領選挙を実施
2月14日、東南アジアの群島国家(多くの島から構成される国家)であるインドネシアで、大統領選挙の投票が実施されました。全部で3人が立候補したのですが、ジョコ現大統領の政権で国防大臣を務めるプラボウォ・スビアント氏が約6割の票を獲得したとみられ、勝利宣言をしました。ただし、正式な結果が出るのは数週間後となる見込みです。
インドネシアは、約2億7000万人という世界第4位の人口を抱え、国内総生産(GDP)が1兆ドルを超える(世界第16位)、東南アジアの地域大国です。東南アジア諸国連合(ASEAN)をリードする国でもあり、ASEANの本部は首都ジャカルタに置かれています。また、国民の約87%がイスラム教徒で、イスラム教徒が世界一多い国です。
最初に群島国家と述べたように、インドネシアには赤道をまたぐ地域に1万7000を超える島があります。首都のジャカルタはジャワ島に位置しますが、ジャワ島は人口が約1億5000万人と、世界一人口の多い島です。ジャワ島の面積は約12万6000㎢で、約22万8000㎢の本州の約55%の広さしかないのですが、世界で2番目に人口の多い島である本州(約1億人)を大きく上回る人が住んでいるため、非常に過密です。人口が1000万人を超えるジャカルタでは地盤沈下や交通渋滞が深刻化しています。このため、2019年には日本の支援でジャカルタに地下鉄が開業しました。
また、インドネシアは日本と同様に、地震や津波、火山の噴火による被害が多発する国でもあります。人口がジャワ島に集中しているということは、こうした災害に弱い状態になっているということです。
そこで、ジョコ大統領は首都をジャカルタからカリマンタン島(ボルネオ島)東部に移転する計画を発表しました。新首都の名称は「ヌサンタラ」で、インドネシア語で「群島」という意味です。移転先の建設作業はすでに始まっており、2045年までに移転を完了させる予定です。壮大な実験ともいうべきこの事業は世界から注目されています。
将来の宇宙開発の根幹を担う新型ロケット「H3」の打ち上げに成功
2月17日午前9時22分55秒ごろ、日本の新型ロケット「H3」2号機が、鹿児島県にある種子島宇宙センターから打ち上げられました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、搭載していた2機の小型衛星と、アルミ製の模擬衛星を予定通りに分離し、すべてのミッションを完了しました。
H3は従来の基幹ロケット「H2A」の後継機として開発されてきました。狙いは世界各国の衛星の打ち上げを受注することです。そのため、より一層の高性能化と低コスト化を目標としてきました。運べる衛星の重さはH2Aの3割増しの6.5トン以上で、打ち上げ費用はH2Aの半額の約50億円をめざしています。
H3の初号機は2023年3月7日に打ち上げられました。ところが、第2段エンジンへの点火が確認されなかったため、搭載していた衛星の軌道への投入に成功する見込みがなくなったと判断し、機体は地上からの遠隔操作で破壊されました。
つまり、今回の打ち上げは「再チャレンジ」だったのです。各国の衛星の打ち上げを受注する競争は激しさを増す一方で、内閣府によると、2022年に打ち上げられた人工衛星などは世界で2368機を数えます。この10年ほどで約11倍に増えました。それだけに、無事にミッションを完了することができ、関係者は胸をなでおろしたのではないでしょうか。日本は今後、H3の打ち上げ成功の実績を着実に積み重ね、信頼性を高めることが必要です。
この2月には、1月の日本の「SLIM」に続く探査機の月面着陸というニュースもありました。22日午後(日本時間23日朝)、アメリカの宇宙企業インテュイティブ・マシーンズの開発した無人着陸船「オデュッセウス」が月の南極への着陸に成功したのです。民間企業による月面着陸は世界初の快挙で、月の南極への着陸成功は2023年8月のインドの「チャンドラヤーン3号」以来、2回目です。アメリカとしては1972年のアポロ17号以来、約半世紀ぶりの月面着陸でした。
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