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人里に下りてくる個体が増加クマによる被害が過去最悪に
2023年度は人がクマに襲われたというニュースが例年以上に多く報じられました。環境省によると、2023年4〜11月にクマに襲われて死傷した人は19道府県で212人を数えます。2008年度以降では最多だった2020年度の158人を大きく上回りました。特に目立つのは東北地方で、秋田県70人、次いで岩手県47人となっており、この両県で半数以上を占めています(いずれも11月末現在)。
こうしたことから、北海道東北地方知事会(新潟県も参加)は11月13日、環境省を訪れ、クマ対策の強化を緊急要望しました。その内容はまず、クマ類を「指定管理鳥獣」に追加することです。現在、指定されているのはイノシシとニホンジカですが、クマ類が追加されると、捕獲作業や、それに従事する者の育成などにかかる費用が国から都道府県に交付されます。また、建物に侵入したクマに対して麻酔猟銃を使えるよう、法令を見直すことや、駆除の必要性を国から情報発信することも要望しました。
日本にいるクマは2種類で、北海道にはヒグマが、本州・四国にはツキノワグマが生息しています。九州・沖縄にはいません。
2023年度に人的被害が急増した背景には、クマの生息域が拡大していることがあると考えられています。近年、地方では高齢化・過疎化により、山林と平野の間に位置する「中山間地域」での人間の活動が減ったといわれています。放棄された田畑が増え、やぶなどで覆われるようになったため、クマが市街地近くまで見つからずに移動することが可能になっています。
また、クマは11〜12月から冬眠に入るため、その前に餌をたくさん食べて体に脂肪を蓄える必要がありますが、2023年秋は東北地方でクマの餌となるブナやミズナラなどの実(ドングリ)が凶作で、その代わりとなる餌を求めて人里に現れる個体が増えたようです。そこで人が放置した食べ物の味を覚えてしまったクマは、人里への出没を繰り返すようになるともいわれます。
農業への被害も深刻です。野生動物といかに共存していくか、知恵を絞ることが求められています。
国連安保理で「戦闘休止」を求める決議ハマスがイスラエルを攻撃
※ヨルダン川西岸地区では一部の地域のみでパレスチナ人による自治が行われている。
10月7日に中東のパレスチナ自治区のうち、ガザ地区を実効支配するイスラム組織「ハマス」がイスラエルを攻撃し、民間人にも多数の犠牲者が出ました。ハマスの人質にされた人も少なくありません。これに対してイスラエルは反撃し、激しい戦いになりました。
そんななか、国連安全保障理事会(安保理)は11月15日、緊急会合を開き、人道支援を目的とした戦闘の「休止」を求める決議を賛成多数で採択しました。これを受けて22日にはハマスが人質50人を解放することと引き換えに、戦闘を4日間休止することにイスラエルとハマスが合意したと、交渉の仲介役を務める中東のカタール政府が発表しました。戦闘の一時休止は24日午前7時(日本時間同日午後2時)から始まり、ハマスによる1回目の人質解放も同日に行われました。
地中海とレバノン、シリア、ヨルダン、エジプトに囲まれた地域はパレスチナと呼ばれ、かつてはユダヤ教を信じるユダヤ人が住んでいました。しかし、2000年ほど前にローマ帝国によって追放され、ユダヤ人は世界中に散らばって、各地で迫害を受けるようになりました。その間に、パレスチナは主にイスラム教を信じるアラブ人(パレスチナ人)が住む土地になりました。
ところが、そこに1948年、ユダヤ人の祖国としてイスラエルが建国されたため、多くのパレスチナ人が難民となりました。このことはイスラエルと周囲のアラブ諸国との4度にわたる中東戦争の原因にもなったのです。1967年の第三次中東戦争では、イスラエルがヨルダン川西岸地区やガザ地区を占領。1993年にはヨルダン川西岸地区の一部と、ガザ地区でパレスチナ人による自治を行うことが合意され、1996年にはパレスチナ自治政府ができました。
しかし、パレスチナ側もイスラエルとの共存をめざす比較的穏健なグループ(ファタハ)と、イスラエルと妥協したくない強硬なグループ(ハマス)に分裂し、2007年からはハマスがガザ地区を支配するようになりました。それ以来、ハマスがガザ地区からイスラエルを攻撃すると、イスラエルが反撃してハマスの戦闘員以外にも犠牲者が出るということが繰り返されてきたのです。
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