受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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  • 24年1月号 [入試に出る時事問題]これだけは知っておこう! さぴあニュースバンク

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さぴあニュースバンク 2023年11月

2 木曜日 経済 岸田文雄首相は首相官邸で記者会見を開き、物価高対策として定額減税や低所得世帯への現金給付を盛り込んだ総合経済対策を閣議決定したと発表した。定額減税は所得税と住民税を合わせて1人4万円で、納税者本人だけでなく、所得税や住民税を納めていない子どもなどの扶養家族も対象として、2024年6月に実施する。また、所得が低いため、住民税を課税されていない世帯には早ければ年内から1世帯に7万円を給付する。
7 火曜日 気象・災害 東京都心でこの日の午後0時20分に27.5℃を観測し、11月の最高気温記録を100年ぶりに塗り替えた。これまでの記録は関東大震災が起こった1923年11月1日の27.3℃だった。また、4日と6日も最高気温が25℃以上の夏日となった。東京都心で11月に夏日が3日も記録されたのは2023年が初めて。
7 火曜日 社会 厚生労働省が公表した人口動態統計(概数)によると、2023年1〜6月に国内で生まれた日本人の子どもの数(出生数)は前年同期より4.1ポイント少ない35万2240人だったことがわかった。この傾向が変わらなければ、2023年通年の出生数は70万人余りとなり、約77万人だった2022年を大きく下回る可能性がある。
9 木曜日 スポーツ メジャーリーグのロサンゼルス・エンゼルスからフリーエージェント(どのチームとも自由に契約を結べること)となった大谷翔平選手が、自身の公式インスタグラムで、日本国内のすべての小学校(特別支援学校を含む)約2万校に低学年用のグラブを3個(2個は右利き用、1個は左利き用)ずつ、計約6万個をプレゼントすると発表した。
13 月曜日 文化 将棋の藤井聡太八冠に対する内閣総理大臣顕彰式が首相公邸で行われ、顕彰状と記念の盾が授与された。10月11日に将棋の八つのタイトルすべてを独占する全冠制覇を成し遂げた功績をたたえてのこと。
13 月曜日 環境 北海道東北地方知事会(新潟県も参加)の代表者が環境省を訪れ、クマ対策の強化を緊急要望した。 もっと詳しく参照
15 水曜日 国際 国連安全保障理事会(安保理)は緊急会合を開き、中東のパレスチナ自治区のガザ地区を実効支配するイスラム組織「ハマス」とイスラエルに対し、ガザの住民への人道支援ができるようにするために、戦闘の「休止」を求める決議を賛成多数で採択した。理事国15か国(常任理事国5、非常任理事国10)のうち、常任理事国はフランス、中華人民共和国(中国)の2か国が、非常任理事国は日本、マルタなど10か国すべてが賛成したが、常任理事国のアメリカ、イギリス、ロシアは棄権した。これら3か国は「棄権」であって「反対」ではなかったので、拒否権を行使したことにはならず、「9か国以上の賛成」という条件を満たして決議は成立した。 もっと詳しく参照
16 木曜日 スポーツ 2023年に44本のホームランを打ち、アメリカン・リーグ(ア・リーグ)のホームラン王に輝いた大谷翔平選手がア・リーグの最優秀選手(MVP)に選ばれた。2021年に続く2度目の受賞で、前回も今回も満票だった。
17 金曜日 国際 11月15日からアメリカのサンフランシスコで開かれていたアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議が首脳宣言を採択して閉幕した。地球環境に考慮した持続可能な貿易や投資に向けて取り組むという内容だったが、ロシアのウクライナ侵攻や、イスラエルとハマスの争いについては触れられなかった。ロシアや中国も参加しているAPECでは意見の一致が難しいためで、ウクライナと中東の問題については議長国であるアメリカが首脳宣言とは別に議長声明を出した。期間中の16日にはサンフランシスコで日中首脳会談が開かれ、岸田首相と習近平国家主席が約1年ぶりに顔を合わせた。対立はあっても協力できることでは協力する「戦略的互恵関係」については再確認できたが、2011年の東日本大震災で重大な事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所で発生した、放射性物質を含む水を浄化した「処理水」については、習主席は「核汚染水」と呼び、その海洋放出に反対する姿勢を崩さなかった。
24 金曜日 国際 イスラエルとハマスとの間で合意された戦闘の一時休止期間がこの日の午前7時(日本時間同日午後2時)から始まった。 もっと詳しく参照

人里に下りてくる個体が増加クマによる被害が過去最悪に

クマによる死傷者数の推移

 2023年度は人がクマに襲われたというニュースが例年以上に多く報じられました。環境省によると、2023年4〜11月にクマに襲われて死傷した人は19道府県で212人を数えます。2008年度以降では最多だった2020年度の158人を大きく上回りました。特に目立つのは東北地方で、秋田県70人、次いで岩手県47人となっており、この両県で半数以上を占めています(いずれも11月末現在)。

 こうしたことから、北海道東北地方知事会(新潟県も参加)は11月13日、環境省を訪れ、クマ対策の強化を緊急要望しました。その内容はまず、クマ類を「指定管理鳥獣」に追加することです。現在、指定されているのはイノシシとニホンジカですが、クマ類が追加されると、捕獲作業や、それに従事する者の育成などにかかる費用が国から都道府県に交付されます。また、建物に侵入したクマに対して麻酔猟銃を使えるよう、法令を見直すことや、駆除の必要性を国から情報発信することも要望しました。

 日本にいるクマは2種類で、北海道にはヒグマが、本州・四国にはツキノワグマが生息しています。九州・沖縄にはいません。

 2023年度に人的被害が急増した背景には、クマの生息域が拡大していることがあると考えられています。近年、地方では高齢化・過疎化により、山林と平野の間に位置する「中山間地域」での人間の活動が減ったといわれています。放棄された田畑が増え、やぶなどで覆われるようになったため、クマが市街地近くまで見つからずに移動することが可能になっています。

 また、クマは11〜12月から冬眠に入るため、その前に餌をたくさん食べて体に脂肪を蓄える必要がありますが、2023年秋は東北地方でクマの餌となるブナやミズナラなどの実(ドングリ)が凶作で、その代わりとなる餌を求めて人里に現れる個体が増えたようです。そこで人が放置した食べ物の味を覚えてしまったクマは、人里への出没を繰り返すようになるともいわれます。

 農業への被害も深刻です。野生動物といかに共存していくか、知恵を絞ることが求められています。

国連安保理で「戦闘休止」を求める決議ハマスがイスラエルを攻撃

※ヨルダン川西岸地区では一部の地域のみでパレスチナ人による自治が行われている。

 10月7日に中東のパレスチナ自治区のうち、ガザ地区を実効支配するイスラム組織「ハマス」がイスラエルを攻撃し、民間人にも多数の犠牲者が出ました。ハマスの人質にされた人も少なくありません。これに対してイスラエルは反撃し、激しい戦いになりました。

 そんななか、国連安全保障理事会(安保理)は11月15日、緊急会合を開き、人道支援を目的とした戦闘の「休止」を求める決議を賛成多数で採択しました。これを受けて22日にはハマスが人質50人を解放することと引き換えに、戦闘を4日間休止することにイスラエルとハマスが合意したと、交渉の仲介役を務める中東のカタール政府が発表しました。戦闘の一時休止は24日午前7時(日本時間同日午後2時)から始まり、ハマスによる1回目の人質解放も同日に行われました。

 地中海とレバノン、シリア、ヨルダン、エジプトに囲まれた地域はパレスチナと呼ばれ、かつてはユダヤ教を信じるユダヤ人が住んでいました。しかし、2000年ほど前にローマ帝国によって追放され、ユダヤ人は世界中に散らばって、各地で迫害を受けるようになりました。その間に、パレスチナは主にイスラム教を信じるアラブ人(パレスチナ人)が住む土地になりました。

 ところが、そこに1948年、ユダヤ人の祖国としてイスラエルが建国されたため、多くのパレスチナ人が難民となりました。このことはイスラエルと周囲のアラブ諸国との4度にわたる中東戦争の原因にもなったのです。1967年の第三次中東戦争では、イスラエルがヨルダン川西岸地区やガザ地区を占領。1993年にはヨルダン川西岸地区の一部と、ガザ地区でパレスチナ人による自治を行うことが合意され、1996年にはパレスチナ自治政府ができました。

 しかし、パレスチナ側もイスラエルとの共存をめざす比較的穏健なグループ(ファタハ)と、イスラエルと妥協したくない強硬なグループ(ハマス)に分裂し、2007年からはハマスがガザ地区を支配するようになりました。それ以来、ハマスがガザ地区からイスラエルを攻撃すると、イスラエルが反撃してハマスの戦闘員以外にも犠牲者が出るということが繰り返されてきたのです。

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