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子ども政策の司令塔をめざす「こども家庭庁」が発足
※引き続き幼稚園、小中高校、大学を担当
4月1日、子どもに関する政策の司令塔となる新しい省庁「こども家庭庁」が発足しました。内閣総理大臣(首相)直属の、内閣府の外局という位置づけです。政府はこども家庭庁を中核に、「こどもまんなか社会」の実現をめざすとしています。
政府にはたくさんの省庁があり、子どもに関することでは、たとえば幼稚園を含む学校のことやいじめ対策は文部科学省が、保育所や子育て支援、子どもの虐待防止は厚生労働省が、子どもの貧困対策は内閣府が、それぞれ所管(担当)していました。しかし、これらが横の連絡も調整も不十分なまま、ばらばらに仕事をする「縦割り行政」も見られました。これでは無駄が生じて、政策を効率的に実行することが難しくなってしまいます。そこで、子どもに関する政策を実行する部署を「こども家庭庁」にまとめたというわけです。
こども家庭庁では子どもや若者の意見を集めたり、聞いたりして、政策に反映させることをめざしています。1989年に国連総会で採択された「子どもの権利条約」では、子どもや若者が自分に影響を与える事柄について、自由に意見を言う権利があると定められています。それなのに、日本ではこれまで、子どもや若者の意見を聞いて政策を進めるような体制にはなっていませんでした。しかし、今年4月1日に施行された「こども基本法」は、「子どもの権利条約」に即した内容になっており、子どもには意見表明権があるとされています。また、この法律では、子どもとは「心身の発達の過程にある者」と定義されており、必ずしも18歳未満に限られません。
こども家庭庁は今後、この法律の精神に基づいて仕事をしていくことになります。ほかの省庁の子どもへの対応が不十分な場合、「勧告権」を行使し、改善を求めることもできます。
政府は今後5年程度の子ども政策の方向性を定めた「こども大綱」を今年の秋ごろに閣議決定する予定です。そのためにこれから、子どもや若者の意見を募集することにしています。
4月9日・23日に全国で実施4年に一度の統一地方選挙
総務省調べ。 ※知事選挙と都道府県議会選挙
4月9日と23日の2回に分けて、第20回統一地方選挙の投票・開票が行われました。統一地方選挙とは4年に一度、地方の首長(地方公共団体の長)や議会の議員の選挙を同じ時期に全国一斉に行うものです。1回目は日本国憲法施行直前の1947年4月に行われました。首長や議員の任期はいずれも4年なので、以後4年ごとに実施されています。
今年はまず、4月9日に前半戦として、九つの道府県知事、41の道府県議会議員、六つの政令指定都市の市長、17の政令指定都市の市議会議員を選ぶ選挙が行われました。続いて、23日に後半戦として、その他の市町村と東京都の特別区で、首長と議会の議員を選ぶ選挙が実施されました。ただし、すべての市区町村で選挙があったわけではありません。首長は任期途中で死亡・辞職することがあったり、議会も解散されることがあったりして、選挙の時期は徐々にずれていくからです。
今回も投票率の低さ、無投票当選の多さ、女性の当選者の少なさなど、いくつもの問題がありました。41の都道府県議会議員の選挙のデータを見ると、投票率は41.85%という低さで、過去最低を更新しました。また、939選挙区のうち348選挙区では、立候補者数が定数と同じで、無投票での当選となりました。当選者のうち女性の割合は14.0%でしたが、これでも過去最高です。
なお、投票率の低さは九つの知事選挙でも同様で、過去最低を更新する46.78%でした。その原因の一つは、与党と野党が同じ候補者を推す「相乗り」の選挙が多かったこと。有権者にとっては事実上、選択肢がなかったため、投票率が上がらなかったのだと考えられます。
23日には国会議員の補欠選挙(衆議院千葉5区・和歌山1区・山口2区・山口4区、参議院大分選挙区)も実施されました。このうち和歌山1区では日本維新の会の候補者が与党の自由民主党(自民党)の候補者を破って当選しました。ほかの四つの選挙区では自民党の候補者が当選したものの、山口4区以外では2位の候補者との差はわずかで、辛勝でした。
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