受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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  • 23年4月号 [入試に出る時事問題]これだけは知っておこう! さぴあニュースバンク

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さぴあニュースバンク 2023年2月

1 水曜日 気象・災害 地震の際に超高層ビルなどを大きくゆっくり揺らす「長周期地震動」について、気象庁はこの日から緊急地震速報の対象に加えた。気象庁が定める長周期地震動の揺れの大きさを示す4階級のうち、立っているのが困難になる「階級3」と、はわないと動くことができず、固定されていない家具は倒れる恐れがある「階級4」の揺れが予測される地域に出される。この揺れは2011年の東日本大震災の際、震源から遠く離れた東京や大阪の超高層ビルも被害を受けたことで注目されるようになった。近い将来に起こり得る南海トラフ巨大地震でも、長周期地震動により、東京など震源から離れた地域も被害を受ける恐れがある。
3 金曜日 経済 農林水産省は2022年の農林水産物・食品の輸出額が1兆4148億円だったと発表した。2021年に比べて14.3%増え、10年連続で過去最高を更新した。輸出先のトップは中国で、2位が香港、3位がアメリカ。
6 月曜日 気象・災害 現地時間でこの日の午前4時17分と午後1時24分に、トルコ南東部を震源とする大地震が発生した。 もっと詳しく参照
6 月曜日 文化 囲碁の第26期女流棋聖戦三番勝負の第3局で、中2生の仲邑菫三段が上野愛咲美女流棋聖を破った。これで対戦成績が2勝1敗となり、仲邑三段が棋聖のタイトルを奪った。仲邑三段がタイトル戦に挑戦したのは3度目だったが、過去2回はいずれも敗れていた。男女を合わせた囲碁でのタイトル獲得の最年少記録は、藤沢里菜女流本因坊が会津中央病院杯(現・女流立葵杯)で優勝したときの15歳9か月だったので、13歳11か月でタイトルを獲得した仲邑三段はこれを大幅に塗り替えたことになる。
14 火曜日 環境 世界気象機関は産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑えることができた場合でも、海面上昇は今後2000年にわたって続き、現在より2〜3m高くなるとの予測を発表した。国際連合(国連)のアントニオ・グテレス事務総長は「標高の低い地域や国全体が永遠に消滅する可能性がある」と述べ、各国に地球温暖化対策の強化を訴えた。
17 金曜日 科学 この日の午前10時37分、鹿児島県の種子島宇宙センターから、日本の新型ロケット「H3」の初号機が打ち上げられる予定だったが、発射0.4秒前に中止された。JAXAによると、主エンジンに電源を供給する、ロケットの1段目にある機器で電圧がゼロになるという異常が検知されたため、補助ロケットに着火信号を送らず、打ち上げを中止したという。
20 月曜日 国際 アメリカのジョー・バイデン大統領がウクライナの首都キーウを極秘で電撃訪問し、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領と首脳会談を行った。ロシアがウクライナに侵攻して1年となるのを前に、アメリカはウクライナを支え続けるという姿勢を強く打ち出すのが狙い。バイデン大統領は翌21日、隣国のポーランドで演説し、「ロシアが勝利することはけっしてない」と述べた。
21 火曜日 社会 東京都台東区の上野動物園のジャイアントパンダ・シャンシャン(香香)が中華人民共和国(中国)に返還された。 もっと詳しく参照
22 水曜日 社会 和歌山県南部の白浜町にあるアドベンチャーワールドのジャイアントパンダ・永明と、その双子の娘の桜浜、桃浜が中国に返還された。 もっと詳しく参照
23 木曜日 国際 ロシアがウクライナに侵攻して24日で1年になるのを前に、国連総会ではロシアに対し、ウクライナからの撤退を求める決議を改めて採択した。日本や欧米諸国など141か国が賛成したが、中国、インドなど32か国は棄権し、13か国は投票せず、ロシア、ベラルーシ、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、シリアなど7か国は反対した。侵攻直後の昨年3月2日の決議では賛成141、棄権35、投票せず12、反対5だったので、内訳はほとんど変わっていない。
28 火曜日 科学 政府は、JAXAが新しい宇宙飛行士として、日本赤十字社医療センターの医師・米田あゆさん(28歳)と世界銀行職員の諏訪理さん(46歳)の2人を選んだと発表した。米田さんは、女性としては向井千秋さん、山崎直子さんに次いで3人目で、現役では唯一となる。諏訪さんは過去最年長の合格者。日本人宇宙飛行士の選抜は2009年以来14年ぶり。

シリア難民・避難民にも大きな被害トルコ南東部で大地震が発生

 2月6日、トルコ南東部を震源とする大地震が2回発生しました。地震の規模を示すマグニチュード(M)は、現地時間の午前4時17分に起こったものが7.8で、午後1時24分に起こったものが7.5でした。

 トルコ付近では、日本付近と同様に複数のプレート(地球の表面を覆う岩盤)がぶつかり合っています。それによって断層が生じ、地震が多く発生するのです。これまでにも、何万人もの犠牲者を出すような地震がたびたび起こってきました。たとえば、1999年にトルコ北部を東西に走る北アナトリア断層で起こった地震では、1万7000人以上が死亡しました。今回の地震は、それとは別の東アナトリア断層で起こりました。震源がシリアとの国境に近かったため、シリア側でも大きな被害が出ています。

 2月22日の時点で、トルコとシリア両国を合わせた死者数は5万人を超えました。そのほとんどは建物の倒壊による圧死です。被害がこれほどまでに拡大した要因の一つとして指摘されているのは、建物の耐震性が不十分だったとみられることです。トルコでは前述した1999年の大地震の後に、耐震基準を日本と同じ水準まで強化したのですが、厳密には守られていなかったようです。このため、「人災」だと批判する声もあります。震源から300kmも離れた地域でも、柱が壊れて天井と床が重なるように崩れ、連鎖的にすべての階が垂直に崩壊する「パンケーキクラッシュ」が確認されています。これは柱が細かったり、鉄筋が少なかったりして、強度が不足していることが原因とされる現象です。

 今回の災害が深刻なのは、多数の難民が発生している紛争地域で起こったことです。隣国のシリアでは2011年から内戦が続いていますが、トルコに逃れた難民と、シリア国内にとどまっている避難民がともに被災しました。しかし、トルコ国内からの報道の多さに対して、シリア国内からの報道はほとんどなく、被害の状況は不透明です。特に、反体制派の支配地域は孤立し、必要な支援が届きにくくなっており、人道危機がますます深刻になっているようです。

上野と和歌山から計4頭ジャイアントパンダを中国に返還

 この2月、日本にいるジャイアントパンダ4頭が中華人民共和国(中国)に返還されました。まず21日には東京都台東区の上野動物園のシャンシャン(香香)が、続いて22日には和歌山県南部の白浜町にあるアドベンチャーワールドの永明と、その双子の娘の桜浜、桃浜が、それぞれ中国南西部の四川省に向けて旅立ったのです。

 永明は中国の北京動物園生まれですが、ほかの3頭は日本で誕生しました。それなのに、なぜ中国に「返還」されるのでしょうか。

 ジャイアントパンダは実はクマの仲間です。野生のものは四川省などに約1800頭しか生息していません。そのため、絶滅が危惧される動物として、ワシントン条約により、商業目的での輸出入が禁止されています。国境を越えて移動させることができるのは、繁殖のための研究目的の場合だけなのです。そのため、中国は所有権を持ったまま、海外の動物園に貸し出しているのですが、海外で生まれた子は2歳で返還することになっています。2017年6月に生まれたシャンシャンも、本来なら2019年に返還される予定でした。しかし、2020年に東京オリンピック・パラリンピックを控えていたこと、その後は新型コロナウイルス感染症の流行により国家間の移動が困難になったことなどを理由に、返還は5度も延期されていました。

 一方、永明は「飼育下で自然交配し、繁殖した世界最高齢のジャイアントパンダ」の記録を更新し続けてきました。16頭の子の父であり、現在30歳です。人間ならば90歳に相当する高齢ですが、28歳のときに16頭目の楓浜が生まれたこともあって、繁殖の研究のために返還されることになりました。その双子の娘で8歳の桜浜と桃浜は中国でパートナーを探して繁殖をめざすことになっています。

 日本にジャイアントパンダが初めてやって来たのは、1972年9月29日に日本と中国が日中共同声明に署名し、国交を正常化(国と国とが正式な関係を持つこと)した直後のことでした。日中友好のシンボルとして、同年10月28日に上野動物園にカンカンとランランがやって来たのです。

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