おしえてピグマはかせ
「ピグマキッズくらぶ」のテキストでおなじみのピグマはかせが、皆さんがふだん疑問に思っていることにお答えします。今回は花粉症のお話です。今年は例年より早い時期から花粉が飛び始めています。なぜ花粉が体内に入るだけで、多くの人に、鼻水やくしゃみなどの症状が現れるのでしょうか。
どうして花粉症になるの?
何度も花粉を吸うと花粉症になる!?
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なんか鼻がぐずぐずする。 | |
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目も少し赤くなっているね。花粉症かも? |
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わたし、花粉症って言われたことないよ。 | |
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花粉症じゃなかった人でも、急になることがあるよね。子どもでも花粉症になるし。 | |
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鼻がぐずぐずするからって花粉症だとは限らないけど、花粉症の人は年々増えているし、子どもでも花粉症になるのは本当だよ。 | |
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急に花粉症になったりするの? | |
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ある年から急に症状が出始めることはあるよ。花粉症は空気中に舞っている花粉が体の中に入ったことが原因で起こるもの。体に入った花粉が一定の量に達すると、あるとき突然、症状が出ることがあるんだ。 | |
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鼻水やくしゃみが出たり、目がかゆくなったりするんだよね。どうして花粉を吸い込むだけで、そんなことになっちゃうんだろう。 | |
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花粉が原因なので「花粉症」というけど、正式な病名は「季節性アレルギー性鼻炎」だよ。アレルギーとは、食べ物や花粉、ほこり、薬など、普通は体に害を与えない物質に対して、体が過剰に反応してしまうこと。その原因となる物質を「アレルゲン」というよ。花粉症は花粉がアレルゲン。ほかに、季節に関係なく発症するアレルギー性鼻炎もあるよ。この場合は、ほこりやダニ、ペットの犬やネコの毛などがアレルゲンになっているんだ。 | |
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アレルギーってよく聞くよね。 |
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人の体には、外から異物が入ってくると、それを外に排除するシステムがあるんだ。これを「抗原抗体反応」というよ。「抗原」とは侵入してきた異物のことで、「抗体」はそれを撃退するために体の中でつくられる物質のこと。もともとは体を守るためのシステムだけど、はたらき過ぎて体に良くないことが起きる場合がある。それがアレルギーだよ。花粉症の場合は、花粉が鼻や目に入ってくると、鼻や目の細胞にくっついて抗体がつくられるよ。それが何度も繰り返し起きると、抗体の量が増えて、目や鼻を刺激する物質がつくられるから、花粉を外に追い出そうと、鼻水やくしゃみが出たり、涙が出たりするんだ。 | |
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花粉をたくさん吸うと、体が勝手に攻撃態勢になるんだね。 | |
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数年から数十年かけて花粉を繰り返し吸い続けていると、抗体が増えて発症するというわけなんだ。でも、その期間は人によっても違うし、アレルゲンに過剰に反応する体質ではない人は抗体がつくられても発症しないよ。 | |
花粉症の人はなぜ増えた?
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花粉症は春の初めに出てくることが多いけど、それはスギの花粉が多く飛ぶからなの? |
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日本では約60種類の植物が花粉症を引き起こすといわれているけど、最も多いのはスギの花粉が原因で起こるものだよ。ほかにはヒノキやブタクサも多いよ。2月後半から4月半ばぐらいまではスギ、4月後半から5月半ばごろまではヒノキの花粉が多く飛ぶよ。 | |
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花粉予想ってあるよね。今年は多いとか少ないとか、どうしてわかるの? | |
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スギやヒノキには雄花と雌花があって、花粉を飛ばすのは雄花。雄花は6月から秋にかけてつくられるよ。この時期に日照時間が長く、気温が高い日が多いと、雄花がたくさんつくられて、次の年に飛ぶ花粉の量も多くなるんだ。そうした気象条件や前年の樹木の伐採量などを基に予想するんだよ。 |
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花粉予想ってあるよね。今年は多いとか少ないとか、どうしてわかるの? |
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スギやヒノキには雄花と雌花があって、花粉を飛ばすのは雄花。雄花は6月から秋にかけてつくられるよ。この時期に日照時間が長く、気温が高い日が多いと、雄花がたくさんつくられて、次の年に飛ぶ花粉の量も多くなるんだ。そうした気象条件や前年の樹木の伐採量などを基に予想するんだよ。 | |
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昔は花粉症の人はこんなに多くなかったって聞いたけど、どうして? | |
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原因ははっきりしていないけど、花粉の量が増えたからだといわれるよ。日本では戦後、復興や経済発展のために木材が必要となり、スギを大量に植えたんだ。でも、海外から安い木材が輸入されるようになると、スギは伐採されないまま放置された。そこに地球温暖化が重なり、大量の花粉が飛散するようになったんだ。大気汚染の影響もあるよ。大気汚染で傷んだ花粉は破裂しやすく、アレルゲンが飛散しやすいんだ。また、食生活が変わって日本人の体質が変化したことも、原因の一つだと考えられているよ。 | |
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花粉をあまり吸い込まないようにすることが大事なのね。 | |
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特によく晴れて気温が高い日とか、空気が乾燥していて風が強い日、それから雨が降った次の日も花粉が飛びやすいから注意しようね。 | |
●花粉症のメカニズム
保護者の方へ
今や国民病ともいわれる花粉症。現在、どのくらいの人が花粉症にかかっているのか、正確にはわかりませんが、環境省の報告では、有病率は10年ごとにほぼ10%ずつ上昇しています。子どもたちの有病率も上がり、しかも低年齢化が進んでいます。
花粉の飛散量はその日の気象条件に大きく左右されます。花粉が多く飛散すると予想される日は、症状が出ていない人も、洗濯物の外干しを避ける、外出の際はマスクを着ける、帰宅した際は手洗いやうがいを行い、体や衣服に付着した花粉を払うなど、細かな対策を実行することが大切です。
