おしえてピグマはかせ
「ピグマキッズくらぶ」のテキストでおなじみのピグマはかせが、皆さんがふだん疑問に思っていることにお答えします。今回はグミのお話です。子どもたちに人気の小さなお菓子、グミ。その最大の特徴は、キャンディーともガムとも違う弾力のある食感です。グミは何から作られているのでしょうか。
グミは何からできているの?
ぷにゅぷにゅ食感の正体は「ゼラチン」
スーパーでグミを買おうと思ったら、種類がたくさんあって、すごく迷っちゃった。 | ||
味もいっぱいあるよね。フルーツ味もいいけど、わたしはコーラ味が好きだな。形もおもしろいよね。動物とか、ひもみたいに長いのとか、いろいろあって。 | ||
グミは香りや味、形、食感などに違いがあって、たくさんの種類があるね。製造工程で形が変えられるし、味や香りも付けられるんだ。 | ||
グミってぷにゅぷにゅしてるけど、何からできているの? | ||
グミは「ゼラチン」に甘味を加えて作ったお菓子だよ。果汁やシロップをゼラチンで固めると、ああいう弾力のある食感になるんだ。 | ||
ゼラチンって何? | ||
ゼラチンはタンパク質の一種。動物の皮や骨には、「コラーゲン」というタンパク質が多く含まれているよ。そのコラーゲンに熱を加えて、水に溶けやすくしたのがゼラチンなんだ。肉や魚の塊を煮込んだとき、どろっとしたゼリーみたいなものができることがあるよね。肉や魚に含まれているコラーゲンが、熱を加えたことによって溶け出して固まったもので、これもゼラチンだよ。ゼラチンは温めると溶けて、冷やすと固まるという性質を持っているから、食品に粘りを付けたり、固めたりしたいときに使われるんだ。グミのようなお菓子以外に、ハムやソーセージ、レトルト食品などの加工食品、薬のカプセルなどの医薬品、接着剤や印刷材料などの工業製品と、いろいろな分野で使われているんだよ。お店では、料理やお菓子作りに使いやすいように、粉末や板状のものが売られているよね。 | ||
そういえば、お母さんがゼリーを作るとき、粉のゼラチンを使っていたよ。 | ||
ゼリーもゼラチンから作るお菓子だよね。でも、ゼリーはグミほど硬くない。ゼリーがとろっとして軟らかいのは、水分が多いからだよ。逆にグミは水分が少なく、ゼラチンが多く含まれるから、しっかりとした弾力があるんだ。 |
昔の「グミ」はとても硬かった!?
グミって硬さもいろいろだよね。一度すごく硬いグミを食べたことがあるよ。なんかゴムの塊みたいだった。 | ||
もともとグミはかなり硬いものだったんだよ。最初にグミというお菓子が作られたのは、子どものかむ力を強くするためだったんだ。初めて作ったのはドイツの会社だよ。今から100年ぐらい前、ドイツでは硬い物をかむことが少なくなったせいで、子どものかむ力が弱くなって、歯の病気にかかることが増えたんだ。そこで、ある会社が、かむ力を強くするために硬いお菓子を作って売ったのがグミだよ。フルーツ味のクマの形のグミが大人気になったそうで、今でもそのグミは売られているよ。 | ||
そんなに昔から動物の形をしたグミがあったのね。 | ||
げんちゃんは「ゴムの塊みたい」って言ったけど、実は「グミ」はドイツ語で「ゴム」という意味だよ。といっても、ドイツ語の「グミ」は、輪ゴムみたいに商品になったゴムのことではなく、その原料となるアラビアゴムノキという木の樹脂のことなんだ。最初のころはそれを使ってグミが作られていたんだけど、やがてゼラチンが多く使われるようになっていったんだ。 | ||
それが日本に伝えられて、日本でもグミを食べるようになったんだね。 | ||
もともとかむ力を強くするために作られたものだから、ドイツのグミが日本に輸入されたときは、日本人には硬すぎて合わなかったそうだよ。それで、日本人に合う食感のいろいろなグミが作られるようになったんだ。1980年に日本のお菓子メーカーが初めて作って販売したグミは、えりちゃんが好きなコーラ味だったんだよ。 | ||
それが日本に伝えられて、日本でもグミを食べるようになったんだね。 | ||
もともとかむ力を強くするために作られたものだから、ドイツのグミが日本に輸入されたときは、日本人には硬すぎて合わなかったそうだよ。それで、日本人に合う食感のいろいろなグミが作られるようになったんだ。1980年に日本のお菓子メーカーが初めて作って販売したグミは、えりちゃんが好きなコーラ味だったんだよ。 | ||
そうだったんだ。わたしはソーダ味も好きだけどね。 | ||
最近では、大人用にビタミンなどが含まれた健康食品としてのグミも売られているよね。子ども向けのお菓子のグミは、一般的には糖分が多いので、食べ過ぎないように気をつけなければならないよ。 |
●ゼラチンはこんなものに使われている
保護者の方へ
人類とゼラチンの付き合いには5000年の歴史があるといわれています。食用のゼラチンより精製度の低いゼラチンを膠(にかわ)といいます。古代エジプトでは、動物の皮や骨などを煮て作った膠を、接着剤として使用していました。ピラミッドから出土した棺や工芸品などには、膠が使用された痕跡があり、それを作っている様子を描いた壁画も発見されています。何千年も前に人類が作り出したものが、今も形を変えてさまざまな用途に使われているのです。膠やゼラチンがいかに優れた素材であるかがわかります。
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