さぴあインタビュー/全国版
新たに「医進コース」を設置
社会での女性の活躍を見据えて
独自の先進的な教育を行う
淑徳与野中学・高等学校 校長 黒田 貴 先生
国際交流の原点にある平等主義
「共に生きる」という教え
校長 黒田 貴 先生
神田 心の教育には特に力を入れていらっしゃいますが、その柱である仏教についてはどのように考えたらよいのでしょうか。
黒田 仏教は古くからあるものですが、現代の問題に対応できる新しさもあります。たとえば平和の問題ですが、仏教では平和を何よりも大事にします。もともとすべての生き物は平等だという思想ですから、差別にも反対します。異文化理解の観点でいえば、「共に生きる」という仏教の精神は、多様なバックボーンを持つ人たちと交流すること、国際教育を強く進めることの原点に仏教精神があります。
福泉 心の教育の一つとして週1時間の「淑徳の時間」があります。これは仏教に関するお話を聞く時間なのでしょうか。
黒田 この「淑徳の時間」は、僧籍を持つ先生方が仏教の話をメインに、いろいろなお話をします。特に命の大切さ、あるいは人としてどう生きるか、社会とどうかかわっていくべきかといったことを教えます。前校長で僧侶でもある里見裕輔先生は、今でもこの時間に、悲喜こもごもさまざまな話題を交えて、仏教の神髄を教えてくださいます。生徒たちはその時間が大好きで、熱心に聞いています。
福泉 ボランティア活動も行っていて、その一環としてカンボジアに校舎を建設し、寄贈されたと伺いました。
黒田 脚本家の小山内美江子さんがカンボジア支援のために創設した「JHP 学校をつくる会」に協力する形で、2010年にスヴァイリエン県のチッダイ中学校に新校舎を建設し、「淑徳与野なでしこスクール」と名づけて寄贈したのです。もともと本校では、修学旅行の際に発生する航空会社のマイレージをNGOなどの団体に寄付する活動を行っていました。当時、カンボジアは内戦が終わり、ようやく立ち上がろうというときで、教育もままならない状態だったので、校舎を寄贈しようということになったのです。完成後のメンテナンスも含めて継続的に見守っていくため、代表の生徒たちが2年ごとにカンボジアを訪れ、支援とともに現地の生徒たちと交流もしています。
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