受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

他者との触れ合いを大切に
「いかに生きるか」を問う
豊かな心を育む教育を行う

立教女学院中学校・高等学校 校長 浅香 美音子 先生

磨いた力を平和のために使える
「知的で品格のある凛とした女性」に

浅香 生徒たちには、「学ぶのは自分が利益を得るためでも自分が偉くなるためでもありません。世の中の平和のために、そして困っている人、小さきもののために、あなたが磨いた力とそして愛を使ってください」という話をよくします。本校で学んだ一人ひとりが小さな種となって世界に飛び散って、その地で芽が出て根づいて、平和のために、世の中のために、少しでも働きができる人になってほしいと願っています。

先生写真
校長 浅香 美音子 先生

神田 それを具体的に実践する際の柱となるのがキリスト教教育であり、毎朝の礼拝のほかに、ボランティア活動、宿泊行事、土曜集会などがありますね。まず礼拝ですが、毎朝、授業前の20分間、礼拝堂または講堂で行うと伺いました。

浅香 朝の礼拝では聖歌を歌い、聖書を読んだりお話を聞いたりします。6年間、毎朝行いますから、本校では空気のように当たり前のものになっています。そして何かあったとき、「聖歌でこんなことを歌ったな」「聖書にこんなことばがあったな」と思い出すのです。今は気づかないかもしれませんが、6年間で少しずつ生徒自身の心に染み込んでいって、生きる力になっていくのだと感じています。

神田 行事として、イースター礼拝、昇天日礼拝などもありますね。

浅香 いずれも長い伝統の一つです。5月の昇天日礼拝はキリストが昇天されたお祝いの礼拝で、小学校から高校までの全生徒と全教職員が中庭に集まって行います。そこで白い上っ張りを着た聖歌隊が歌うのですが、わたしは中学に入学したとき、聖歌隊に強くあこがれました。どうしても入りたかったのですが、オーディションで落ちてしまいました(笑)。高校生になって再チャレンジして入ったくらいです。入学式で、先輩たちが十字架を先頭に入ってきて聖歌を歌うのを聞いたときは夢の世界の出来事のようでした。今でも忘れられません。

安酸 クリスマス礼拝も大きな行事ですね。

浅香 クリスマスは降誕節といって、11月の終わりから1月の初めまでの1か月以上も続きます。生徒は学年ごとに合唱の練習を重ね、それをクリスマス礼拝で歌います。この期間の校内は、クリスマス一色になります。ヒマラヤスギがクリスマスツリーに変身し、頂点にお星さまがつくのです。最寄りの三鷹台駅を降りると、この木が見えます。これだけ大きいクリスマスツリーは、なかなかないと思います。

24年3月号 さぴあインタビュー/全国版:
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