受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/関西情報

多様な国籍の生徒が集う
グローバルな環境のなか
世界で活躍できる人材を育成

関西学院千里国際中等部・高等部 教頭 田中 守 先生

関西学院大学との連携で
理数教育に強い学校に

聞き手2
サピックス小学部
関西統括責任者
溝端 宏光

松本 関西学院と法人合併してから、高大連携も進んだのではないでしょうか。

田中 はい。2015年には文部科学省から「スーパーグローバルハイスクール」(SGH)の指定を受けました。その指定期間は終わりましたが、そこでの取り組みは現在も探究プログラムとして残しており、大学の先生方がさまざまなサポートをしてくださっています。たとえば、工学部の教授で副学長の巳波弘佳先生によるAI(人工知能)の授業では、大学院生から本校の中学生までが参加し、近隣の小学生を対象とするAIのワークショップを行うのですが、それは昨年で第4回を迎えました。大学教授・大学院生・大学生と、本校の中高生が直接つながるわけですから、そのなかから、将来は大学でそうした分野を学びたいという生徒も出てきます。

松本 そうした高大連携の取り組みは、いつごろから始まったのですか。

田中 SGHの指定を受ける前から実施しています。本校の初代校長は国際基督教大学高等学校の立ち上げに携わってから本校に着任したという経歴の持ち主ですが、その初代校長は、帰国生受け入れ校には理数教育もしっかり行う学校が少ないので、本校を理数系にも強い学校にしたいと話していました。とはいえ、内部の力だけでは容易ではありません。理科を担当するわたしもとても悔しく思っていました。ところが、関西学院と法人合併することになり、その後すぐに校長と共に大学の当時の理工学部を訪問して、学部長に理系に強い学校にするためのサポートをお願いしたという経緯があります。

 そこから始まった関西学院大学との連携ですが、2021年は巳波先生の監修によるAI活用人材養成の授業を、高3生を対象に始めてもらいました。そして4月からは、関西学院大学に入学した本校卒業生が、引き続き大学でより高度な授業を受けるという流れをつくろうとしています。

 この授業は、AIをただプログラミングをするのではなく、顔認証のユニットなどをどう活用できるのかを考えるわけですから、受講する生徒は必ずしも理系志望である必要はありません。これからは、そうしたAIを活用できる人材が、開発者以上に求められるでしょう。

22年3月号 さぴあインタビュー/関西情報:
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