受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあインタビュー/全国版

確固たる価値観と
グローバルな視点を持って、
行動を起こせる人間を育てる

サレジオ学院中学校・高等学校 校長 鳥越 政晴 先生

やりたいことがあればがんばれる
自分で決めてチャレンジしよう

神田 中学入試について伺います。今年は2月1日のA試験も、4日のB試験も多くの応募者が集まりました。こういう不安な時期だからこそ、しっかりした教育方針で心を育ててくれる学校で学ばせたいと思われた保護者の方が多かったのではないでしょうか。

鳥越 そうした思いをきちんと受け止めていかなくてはと、あらためて身が引き締まる思いがします。

神田 2回の入試は今後も続けていかれますか。

鳥越 今のところ変更する予定はありません。試験科目も4科を続けるつもりです。算数1科で入試を行う学校もありますが、本校は価値観を育てるミッションスクールとして、国語も理科も社会もしっかり学習しておいてほしいと思っています。

 今、STEAM教育が注目されています。Sはサイエンス、Tはテクノロジー、Eはエンジニアリング、Aはアート、Mはマセマティックスの頭文字ですが、この五つの領域を重視する教育のことで、現実の問題を解決に導く力や創造する力を育むといわれています。このうちの「A=アート」には、リベラルアーツも含まれます。教養をしっかり身につけないと、技術だけでは世の中は変わらないと思います。広い教養を身につけた人になってほしいと考えると、試験科目を減らすことはできません。

集合写真

神田 最後に、受験生と保護者の方に、先生からメッセージをいただけますか。

鳥越 本校には、サレジオ会の教育観と雰囲気に賛同された家庭の子弟が入学してくださっています。そこは昔から変わっていません。本校としても、価値観を説明して「ご賛同いただけるなら」という伝え方をしています。やはり入学後にミスマッチが起きたら困りますから。

 今年はコロナ禍での受験にもかかわらず、保健室での受験がありませんでした。保護者の方々が感染防止のためにどれだけ気を配って準備されたのかと思います。また、受験生の皆さんも不安を抱えるなかで大変だったでしょう。この状況はすぐに解消はされないので、これからもいろいろ不便があると思いますが、行きたい学校を自分で決めてチャレンジしてほしいと願います。そして、決めるためにはいろいろな体験をしなくてはなりません。体験したなかで自分のやりたいこと、進みたい道が見つかると思います。やりたいことがあればがんばれます。

神田 まだ厳しい状況は続くと思いますが、先生の温かいおことばからもわかるように、学校の先生方もわたしどもも精いっぱい応援していますので、がんばってほしいですね。本日はありがとうございました。

21年5月号 さぴあインタビュー/全国版:
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