受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

桜丘中学校

2025年11月12日(水)

「個別指導」と「絶対評価」で将来の進路をかなえる力を育成

 1924年に設立された和洋女子職業学校を前身とする桜丘中学・高等学校は、2004年に男女共学へと移行しました。校訓「勤労と創造」の下、「自立した個人の育成」を教育目標に掲げ、日々の学びを積み重ねています。

 この日のオンライン説明会では、最初に広報戦略室室長の中野優先生が、学校の概要と学びの特色について説明しました。北区滝野川に校舎を構える同校では、6年間を通じて基礎学力と応用力を段階的に育成しており、特に英語教育と探究学習に力を注いでいます。

 また、生徒一人ひとりに寄り添う「個別指導」を掲げ、「昨日からの成長」を重視して「絶対評価」を行っています。中野先生は「本校では、従来の一斉授業による“インプット教育”に加え、これからの社会で求められる“アウトプット能力の育成”にも力を入れています」と説明しました。英語の家庭学習ではタブレット端末を活用し、スピーキング力を高める取り組みを進めています。語学資格試験対策にも積極的に取り組み、4技能をバランス良く育成している点も特徴です。

 続けて、中野先生は「得意を活かす」「計画性を持つ」「習慣化する」という3点から教育内容を説明しました。一つ目の「得意を活かす」とは、行事や研修を通じて自分の得意分野や可能性を発見し、それを伸ばすようサポートするということです。たとえば、中3では「鹿児島キャリア探究研修」 を実施します。現地で平和学習を行うほか、地域ごとに抱えている課題が異なる点に着目し、解決するための提案を考えます。そして、生徒は自分の興味・関心に合わせて「鹿児島大学見学」「通訳案内士と巡る鹿児島観光」「カンパチ漁業体験」「最先端スポーツ施設見学」「島と暮らす桜島探究」「SDGs推進地域出身者との交流」などのプログラムから一つを選択して体験します。中野先生によると、この研修を機に進路を考え始める生徒も多いそうです。一方、生徒がそれまで見えなかった非認知スキルを自覚できるように、エビデンスに基づくソフトスキル測定による自己分析を取り入れています。中野先生は「生徒が『やらず嫌い』にならないよう、挑戦を後押ししています」と語りました。

 二つ目の「計画性を持つ」の表れとしては、中高の6年間を通じて、生徒自身が学習内容を記録する「SS(Self-Study)ノート」を活用し、学習習慣の確立を支援していることが挙げられます。さらに、長期的な視点で計画性を身につけさせる取り組みとして、実学を中心とした探究活動にも注力しています。中野先生は「本校は東京都主催の起業家精神教育プログラムに採択されており、中2からビジネスプランニングの授業を行っています。生徒たちが作成した返済計画を現役の銀行融資担当者の前で発表し、実践的なフィードバックを受けました」と語りました。また、中学3年間の探究学習を基に、中3夏の三者面談では生徒自身が保護者に向けて、みずからのキャリアについてプレゼンテーションする「キャリアプランプレゼン」も行っています。

 そして三つ目の「習慣化する」については、私語厳禁の自習室、友だち同士で教え合う学習室、卒業生が指導に当たる「URC(University Resource Center)」、東大生を中心とする学習メンターから学び方を学ぶ「SS Lab(桜丘スタディーラボ)」が整備され、生徒のスタイルに合わせて選べる学習環境が充実していることが紹介されました。

 高校では、「スーパーアカデミック(難関選抜)コース」「アカデミック(文理特進)コース」「インターナショナルリベラルアーツ(国際教養)コース」という3コースからなる新たなコース制が導入されました。中野先生は「一定の学力や学習姿勢が求められるコースもありますが、本人の希望を尊重しつつ適性を踏まえてコースを決定しています」と説明しました。

イメージ写真 中3の「鹿児島キャリア探究研修」の様子。生徒一人ひとりの興味・関心に合わせて選べる体験プログラムを設定し、探究心を育てていきます

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