受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

目黒日本大学中学校

2025年10月22日(水)

「新しい価値を生み出す力」を育てる体験型の学びで、多様な進路を切り開く

 目黒日本大学中学校・高等学校は建学の精神に「質実剛健・優美高雅」を掲げ、しなやかな強さと自立心を備えた人間の育成をめざしています。その前身は、1903年に創設された裁縫塾に始まる日出高等女学校です。戦後は日出女子学園中学校・高等学校、そして日出中学校・高等学校と変遷を重ねてきました。2017年に日本大学と準付属校契約を締結し、2019年に現校名へと改称されました。

 この日の説明会では、開会時刻の1時間前から受付が始まり、早めに来校した保護者は校内を自由に見学することができました。控室として案内された図書館を起点に、廊下から授業の様子をのぞいたり、展示物をじっくりと見たりしながら、生徒たちの日常を身近に感じられる時間となりました。

 説明会の冒頭では校長の小野力先生が登壇し、「学力や知識といった認知能力だけでなく、意欲・協調性・創造性・リーダーシップといった非認知能力をともに育ててこそ、社会で活躍できる人間になれると考えています。日本大学への進学を確保しつつ、国公立大学や他の私立大学への進路も切り開ける環境を生かし、生徒には多くの経験を重ねて視野を広げてもらいたいと願っています」と語りました。

 続いて、中学校教頭の本間裕之先生が教育内容について説明しました。同校では中高6年間を「中1~高1の4年間」と「高2・3の2年間」の2タームに分けて指導しています。本間先生は「中1・2では学習習慣の確立と基礎学力の定着を図り、中3・高1では自主・自律の促進と学習成果の発信に重点を置いています。こうした学びを通して、学習にも社会活動にも主体的に取り組める力を育てていきます。その後の2年間は応用発展期として位置づけ、高2で文系・理系の志望別クラスに分かれて、大学入試に向けた実戦力を高めていきます」と述べました。

 中学では45分授業を平日に7コマ、土曜日に4コマ設定し(2025年度実績)、十分な学習時間を確保しています。なお、2026年度からは50分授業に変更され、平日に6コマ、土曜日に4コマの設定となります。国語・数学・英語の3教科では、中3から高1の内容を先取りして学習し、国公立大学の入試にも対応できる学力を養成します。最終下校時刻は午後6時ですが、放課後の自学自習スペース「学習支援センター」は午後7時まで利用可能です。ここでは、授業の進度に応じた学習計画の作成支援や課題設定の個別サポートが受けられ、チューターが常駐して質問対応にあたります。また、国公立・私立の最難関大学や医学部をめざす生徒を対象とした選抜制の特別課外授業や、授業内容の復習を中心とした希望制の放課後学習会も実施されています。

 アントレプレナーシップ(新たな価値観を生み出す精神)を育てるための探究学習も多彩です。たとえば、中1では「日本の伝統文化」をテーマに、浅草校外学習や京都・奈良フィールドワーク、日本大学芸術学部の訪問などを実施します。中2では「日本の環境」をテーマに、東京都水の科学館や日本科学未来館でのフィールドワーク、震災学習を取り入れた東北函館フィールドワークなどが行われています。

 英語教育にも力を入れており、オンライン英会話、ネイティブ教員によるホームルーム、チームティーチングの授業、スピーチコンテストなどを通じて、4技能をバランスよく伸ばしていく方針です。その集大成として、中3の3学期には全員が約1か月間のオーストラリア短期留学に参加します。ホームステイをしながら現地校での授業を受け、生きた英語を学びます。さらに高校では、ニュージーランドやアメリカなど6か国から行き先を選べる中長期留学プログラム(高1対象、希望制)のほか、日本大学の付属校から選抜された生徒を対象としたケンブリッジ大学語学研修への参加も可能です。

イメージ写真 JR山手線など4路線が利用できる「目黒」駅から徒歩約5分のキャンパスには、ダンスホール、屋上運動場、室内温水プール、武道場など、充実した運動施設も整っています

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