受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

灘中学校

2025年9月4日(木)

「精力善用」「自他共栄」の下
校則も制服もない自由な校風

 生徒の自主性を重んじ、校則も制服もない自由な校風や学問への高い志の下、歴史と伝統を積み重ねている灘中学校・灘高等学校。「精力善用」「自他共栄」を校是とし、生徒も教員もこの理念に基づいて行動しています。「こうしなさいという決まりのない自由な校風です。灘校生らしさを損なわない自覚を持って行動すれば、基本的には自由です」と教頭の久下正史先生は話します。

 灘校の大きな特徴の一つが「担任持ち上がり制」です。中学入学時に8人の教員が担任団となり、原則としてこの8人がその学年を6年間受け持ちます。授業の進度や教材などはすべて学年の教科担任に委ねられており、毎年のクラス替えによってクラス担任こそ代わりますが、高校から40人ほどの生徒が入学した後も、担任団による1学年4クラス体制は卒業するまで継続されます。こうした担任団の教員全員が、入学から卒業まで生徒一人ひとりにかかわっていくスタイルなので、きめ細かい目配りが行き届きます。

柔道は中1から高1まで必修で
希望すれば講道館の初段を認定

 続いて、在校生の生き生きとした学校生活の様子が写真とともに紹介されました。各教室にはモニター、プロジェクター、Wi-Fiが完備され、生徒は1人1台のノートパソコンを所持して探究的な学びに役立てています。静かに進む授業は少なく、常に生徒は積極的に質問してきます。英語はネイティブ教員による授業もあります。中学・高校を通じてクラスを半分に分けて、一人ひとりの会話の機会を増やしています。柔道は中1から高1まで必修で、高1まで修了して希望すれば講道館の初段がもらえます。また、6月に3回、10月に3回、年間で60講座が開講される「土曜講座」では、さまざまな分野の第一線で活躍するOBや専門家による講演などが行われます。これは総合的な探究学習やキャリア教育の一環であり、生徒の興味・関心を広げるきっかけにもなっています。

 文化祭、体育祭、修学旅行といった学校行事は生徒主体で企画・運営されます。クラブ活動も盛んで、文化部・運動部を合わせて40以上の部があり、8割以上の生徒が何らかの部に所属しています。複数の部を掛け持ちしている生徒もたくさんいます。

 進路については、「みずから選ぶ」ことを重視しています。「やりたいことを見つけ、それぞれが主体的に進路選択、目標設定をしてほしい」と話します。そして「灘校は生徒が主役の学校です。校是を踏まえていれば、おのずと行動は洗練されます」と久下先生は結びました。

イメージ写真

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