受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

淑徳与野中学校

2025年9月26日(金)

海外で学ぶ機会を豊富に設け
国際感覚を養う

 淑徳の歴史は、1892年に尼僧・輪島聞声(もんじょう)先生が、徳川家ゆかりの小石川伝通院の境内に開設した女学校に始まります。1946年に学祖・長谷川良信先生が埼玉県に設立した分校は、1948年に新制の淑徳与野高等学校となりました。2005年に中学校を開校し、現在に至ります。

 この日の説明会で校長の黒田貴先生は、現在、高2生がアメリカに修学旅行中であることに触れ、「旅行の一番の目玉は、生徒全員が行う3泊4日のホームステイです。約320人の生徒が、2人1組で1家庭に滞在します。単なる思い出づくりではなく、異文化に触れ、言語の壁、コミュニケーションの難しさを実感することになります。国際感覚を養う貴重な機会といえます」と強調しました。また、「日本はジェンダーギャップが依然として大きいですが、海外で活躍する日本人女性を間近で見る機会も多くあるので、きっとよい刺激になると思っています」とも語りました。

 世界8か国・地域に姉妹校や提携校がある同校は、こうした海外研修や留学制度が充実しています。中2の「台湾海外研修」、同校からの寄付によって建設したカンボジアの中学校との継続的な交流、中3の希望者を対象とした「イギリス短期語学研修」など、多様なプログラムを通じて異文化理解を深めます。

「医進コース」を設置
医療系学部や理工系学部をめざす

 次に、中等部顧問の小澤幸子先生が、三つの教育方針として、品性を高める「情操教育」、豊かな感性を養う「国際教育」、輝く知性を伸ばす「学習指導」を挙げました。このうち情操教育は、伝統の仏教精神に基づいて行われます。年4回の仏教行事と週1回の「淑徳の時間」を通じて、互いを思いやり、助け合って生きる「共生(ともいき)」の精神を育てています。

 また、理系進学者が半数以上を占めるようになったことを受けて、同校では2024年度より、医療系学部や難関大学の理工系学部をめざす「医進コース」と、従来型の「特進コース」の2コース制を導入しました。このうち「医進コース」では、大学理工系学部と連携して行う年8回の実験講座、病院見学など、専門的な学びを展開しています。

 学習については中高一貫カリキュラムの下、高校内容の先取り学習を行います。その際は、小テストや補習を頻繁に実施して、ていねいにフォローしているのが特徴です。家庭学習は「平日2時間、休日4時間」を合言葉に、低学年から自主的に行うことを促します。このほか、みずから設定したテーマを1年間かけて掘り下げ、成果を披露する「創作・研究」にも力を入れています。

 今春卒業した中高一貫生の4年制大学への現役進学率は93.3%でした。進学先としては国公立大学が13.5%、早慶上理が20.2%、GMARCHが15.4%などとなっています。

イメージ写真 2月の「芸術研究発表会」、9月の「なでしこ発表会」をはじめ、中学独自の学校行事も多く、中3がリーダーシップをとる姿もよく見られます

www.shukutoku.yono.saitama.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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