受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東京学芸大学附属世田谷中学校

2025年9月19日(金)

質の高い指導力を基盤に
対話型の特色ある授業を展開

 1947年に開校した東京学芸大学附属世田谷中学校は、国立の東京学芸大学が持つ三つの附属中学校の一つ(ほかの二つは小金井中と竹早中)です。世田谷中は「個性的で人間性豊かな人格をつくる」「創造性豊かな人間を育てる」「敬愛の精神に溢れた人間を育てる」を教育目標に掲げています。

 この日、SAPIX代々木ホールで行われた説明会であいさつに立った校長の前原健二先生は、「本校では、学習指導要領等に基づく、独立した3年間の中学校教育を行っています。私立中学校とは異なる面もありますが、本校ならではの良さがあります」と語りました。

 続いて、副校長の髙田太樹先生が登壇し、同校の教育の三本柱である「基本学習」「総合学習」「生活学習」について説明しました。まず、「基本学習」とは、各教科で専門性の高い教員による対話を重視した授業を展開するということです。理科では体験的な学習を取り入れ、美術・体育ではAIを活用した授業を実施します。さらに、大学教授やプロの料理人などをゲストティーチャーとして迎えるなどして、特色ある学びを展開しています。

多彩な行事やテーマ研究で
主体性を持たせ、生徒の成長を促す

 二つ目の「総合学習」は、中2・3の「テーマ研究」と、一部の教科学習の内容を深める「教科総合」で構成されています。探究学習の先駆けともいえる「テーマ研究」とは、生徒自身が興味のある講座を選択し、半年かけて研究した成果をみんなの前で発表するというものです。

 そして、「生活学習」とは、道徳や特別活動、学校行事を通して社会性を養うということです。髙田先生は「中1のオリエンテーションキャンプをはじめとする宿泊行事を3年間で4回体験し、生徒たちは少しずつ自主性や協働性を身につけていきます」と話します。さらに、中3が主体となって企画・運営する運動会や、クラスごとの美術制作や合唱コンクールを行う芸術発表会にも全力を傾けて取り組みます。

 時間割はA週とB週の二つがあるのが特徴で、それぞれ隔週で運用されています。また、木曜日には2コマ連続の100分授業が4教科で実施されます。髙田先生は「たとえば理科では、実験だけで終わるのではなく、結果の分析・考察までを一連の流れとして学べます。ほかの教科でも、100分授業により生徒の理解が深まりやすいというメリットがあります」と強調しました。

 気になる卒業後の進路ですが、過去3年間は、卒業生約400名のうち6割強が世田谷区下馬にある附属高校に進学し、残りの4割弱は他の国公私立の高校に進んでいます。

 最後に髙田先生は、中学3年間で生徒の成績が大きく向上しているというデータを示し、「本校は『人』を育てる学校です。生徒も教員も共に学び続ける場でありたいと考えています」と結びました。

イメージ写真 司書が常駐する図書館など、学びを支える施設も充実。今年度は、複数のプロジェクターを備えた「DX教室」も新設されました

sechu.u-gakugei.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ