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学校説明会レポート
聖学院中学校
2025年10月8日(水)
「ICEモデル」に基づく探究型学習で、学ぶ意欲を刺激する
聖学院中学校は、1903年にアメリカの宣教師H・H・ガイ博士によって設立された神学校を起源とする男子伝統校です。1906年の中学校開校以来、「神を仰ぎ 人に仕う」という建学の精神の下、プロテスタントの教えに根差した全人教育を実践しています。
同校ではスクールモットーとして「Only One for Others」を掲げています。説明会の冒頭であいさつに立った校長の伊藤大輔先生は、「『Number One』ではなく『Only One』ということに意味があります。「一番をめざす」としたら、そこには他者との比較が伴います。誰かと比べて上か下か、周囲の評価はどうか、といったことを意識すれば、自分の価値観を見失います。それは他者に支配されているのと同じことです。本校で過ごす6年間では、さまざまな経験を積み重ねて、『自分だからこそ』というものを見つけてもらいたいと考えています。そして、見つけた“賜物”を自分のためだけでなく、誰かのため、社会のために役立てる、つまり“for Others”の人になってほしいのです」と語りました。
このモットーの実現に向けた学校の取り組みについては、広報部長 の早川太脩先生が詳しく説明しました。授業では、すべての教科で「ICEモデル」に基づいた探究型学習が導入されています。ICEモデルとは、カナダのヤング博士らが開発した学習・評価方法で、その名称は、三つの学習段階、I(Ideas=基礎知識)、C(Connections=つながり)、E(Extensions=応用)の頭文字に由来しています。「知識の習得を基盤とする従来の学び方を反転させて、最初に課題の解決に向けた“問い”を投げ掛けるところから授業を始めます。そして、『どうしたらいいか』を考えたくなる“学びのストーリー”を単元ごとに工夫しています」と早川先生は語ります。
その一例として紹介したのは、消しゴムを指で弾いて相手の消しゴムを机から落とす遊び「消しピン」に挑む理科の授業です。早川先生は「新品の消しゴムに、ホチキスやテープ、輪ゴムといった材料を組み合わせて、最強の消しゴムにカスタマイズします。男子はこういうのが大好きですから、みんな真剣に取り組みます。その過程で、力を加えたときの動き方や、重さと速さ、重心とのバランス、摩擦といった『力学』の本質を理解していきます。体験と思考を経てこそ、深い知識を身につけたくなります。そこが狙いです」と話しました。
中2から高2までは年1回、全員参加の宿泊行事を実施していますが、いずれも体験型学習のプロジェクトとしての実践を兼ねた内容となっています。たとえば、中3の「農村体験学習」では新潟県糸魚川市を訪れ、農家の方との田植え体験や植林体験を通じて、第一次産業の現状や社会課題について考えを深めます。また、高1の「ソーシャルデザインキャンプ」では、神奈川県真鶴町や静岡県沼津市を中心にフィールドワークを行い、地方が抱える社会問題に取り組みながら地方創生の方法を模索します。
さらに、隣接する女子聖学院中学校高等学校や聖学院小学校と連携して行う「SDGsプロジェクト」では、「菜園コンポスト」「エネルギー」「資源循環」「フードロス削減」など、身近なテーマに基づく企画を、生徒たちが主体となって実行しています。
グローバル教育にも力を入れています。英語は習熟度別授業となっており、中1ではほぼ初めて英語を学ぶ生徒を対象とした通常クラス以外に帰国生などが対象の「SSコース」と、英語学習経験のある生徒が対象の「経験者コース」とが設けられています。希望制の海外研修は、欧米だけでなくアジア圏でもプロジェクト型学習として実施しているのが特徴です。たとえば、高1~高3を対象とした「タイ研修旅行」では、山岳少数民族との交流を通じてボランティア活動に励みます。また、中3~高2対象の「ネパールMoG(Mission on the Ground)」では、現地の社会起業家と協働してソーシャルビジネスの支援活動をに取り組みます。ニュージーランド、アメリカ、カナダなどの海外提携校に長期留学できる制度も整備されており、近年では海外大学への進学を希望する生徒も増えているとのことです。
キャンパスはJR山手線「駒込」駅から徒歩約5分、東京メトロ南北線「駒込」駅から徒歩約7分の閑静な住宅街にあります。毎朝、始業前に全校生徒が講堂に集まり、15分間ほどの礼拝が行われています
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